文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2018.1.23 「公共の利益と私的な利益」

2018/01/23

 制度を支える集団的な組織形態はその活動
を支える糧がないと存続できないが、それが
資本主義経済の中で活動しているなら、物や
情報やサービスを生産して流通させて販売し
て消費する過程の中で収入を得ながら活動し
ているわけだが、行政としては税収や公債の
発行によって活動するための予算を確保して
いて、どちらにしても金銭的な収入がその活
動には必要となってくるわけで、そういう意
味で制度には経済的な利益の獲得がその目的
に絡んでくるわけで、それは慣習などに依存
した宗教的な行事を伴う制度であっても、民
間からの寄付金や公的な助成金などで支えら
れていたりする場合があるわけで、それらは
経済活動に密接に関わり合ってくる面があっ
て、それがなければ制度そのものが存続でき
ないわけだから、経済活動を考慮に入れない
ような制度批判は説得力を伴わなくなってく
るだろうし、制度の改正や新たな制度の創設
を提案するにしてもその制度を維持運営でき
る財政的な裏付けがないと、提案の段階で実
現性のない空理空論とみなされてしまうので
はないか。だから公的な制度は軒並み税収や
公債などに依存しようとするわけだが、そこ
で収入と支出を連動させない傾向にもなって
しまい、無駄に予算を使って公共の利益に反
するようなことをやってしまう場合もあるだ
ろうし、何が公共の利益に合致するかについ
てはうまく説明できない面もあるだろうから、
公的な制度を支える行政の活動に関しては合
理的な説明が難しい部分もありそうで、そう
いうところで果たして民衆にとって行政の必
要性をどうやって根拠づけるのかが、行政的
な課題となっているわけでもないのだが、行
政の在り方について突き詰めて考えると、や
はりその必要性について合理的な説明が必要
となってくるのではないか。そんなのは必要
に決まっていると思われてしまいがちだろう
が、なぜ行政が必要なのかについて考えると
いうよりは、どうやって行政が公的な制度と
ともに社会に定着したかについては、その成
立の歴史的な経緯についてなら説明すること
が可能だろうし、必ずしもそれが必然的な成
り行きではなく、偶然の積み重なりによって
現状の形態に落ち着いた経緯についても説明
できるのかもしれず、そのような説明からは
必ずしも行政の必要性についての合理的な説
明は導き出せないのかもしれないが、必要だ
からそこに存在して制度とともに成り立って
いるわけではなく、偶然の積み重なりによっ
てたまたま社会の中で生じてしまった経緯が
あり、しかもその勢力が社会の中で主導権を
握っているからこそ、その存在を正当化しよ
うとする成り行きも生じてきたわけであり、
その結果としてその存在と活動を正当化する
ための制度がそれを根拠づける法律とともに
整備されてきた経緯も生じてきて、結局制度
も法律も後付け的に付け足されてきたわけで、
そうであるならこれからも新たな制度や法律
が世の中の状況に合わせて後付け的に付け足
されてくる可能性もあるわけで、そう考える
なら全ては今ある現状から未来へ向かって変
更を被るような成り行きになっていて、それ
らの存在や活動の根拠づけそのものは過去の
正当化にしかならず、未来に向かっては何の
意味も持たないようなことなのかもしれない。

 そんなわけで公共の利益というのもそれが
必要なら、これから新たに生じさせてゆかな
ければならないのだろうが、それをどこから
生じさせるのかといえば、やはり経済活動か
らしか収入は生じないわけで、そうなると民
間では物や情報やサービスを生産して流通さ
せて販売して消費する過程以外に、収入が生
じる余地はないのだろうし、それ以外では行
政的な手法による税収や公債の発行からとな
るわけで、その中で公共の利益に結びつくも
のとしては、一般的には行政的な手法によっ
てひねり出すようなやり方が主流だったわけ
だが、税収も公債も民間の経済活動と連動し
ていて、そこで生じる私的な利益をどうやっ
て公共の利益に結びつけるかが恒常的な課題
となっているわけだろうが、その一部を強制
的に税として徴収して公共に役立てるやり方
が、歴史的な経緯としてはそういうことを行
う過程の中で、後付け的に公共の利益の必要
性とともに付け加えられてきたわけだろうし、
何も初めから税の使い道として公共に役立て
ようとしてきたわけではないだろうし、初め
は王朝や領主の維持経費などに税収が使われ
ていたのではなかったか。それが民主的な国
家体制の成立に伴って民衆を納得させるため
の方便として、公共の福祉などが唱えられる
ようになってきたのだろうし、制度としては
民衆の中から選挙によって代表者を選んで、
その代表たちが議員となって構成される議会
で税の使い道が検討されて、そこで決定され
たことが行政によって実行される成り行きな
のだろうが、結果的には議員で構成する議会
には政党が生まれて、また行政の中ではすで
に官僚機構が生じていて、政党にも官僚機構
にも企業と同じように私的な利益を追求する
特性が備わっているわけで、そこでいう私的
な利益とはそれらの機構が集団的な組織形態
としての活動を支える糧となる収入となり、
実際にその収入が税収や公債から賄われてい
る実態もあるわけで、そうなると税収や公債
で賄われる予算の中でどこまでが公共の利益
に使われてどこまでが私的な利益に使われる
かは曖昧になってしまうのかもしれず、簡単
にいうなら議員や官僚たちの公務員としての
報酬は私的な利益となるわけだろうが、では
政党の活動や各省庁の活動に賄われる経費は
どうなのかというと、それと企業活動に賄わ
れる経費と比較すれば、少なくとも集団的な
組織として勢力争いしている分にはそれらの
区別はつかないわけで、それに関して党利党
略や省利省略を巡らせているとしたらそれは
私的な利益の追求となるだろうし、そういう
ところで勢力争いをしているほど公共の利益
からは遠ざかっていってしまうことはわかる
だろうが、組織として他の組織との争いを避
けることはできないだろうし、そういう部分
では私的な利益と公共の利益を明確に区別で
きなくなるわけで、そうした中で私的な利益
よりも公共の利益を優先させることがどうい
うことなのかについて明確な説明を求めるこ
とも難しくなるのではないか。そうだとする
と現状では倫理的あるいは哲学的に公共の利
益がどういうことなのかを説明できるかもし
れないが、それを実利として具現化するまで
には至っていないのかもしれないし、それ以
前の段階で集団的な組織形態の私的な利益が
優先されている傾向にあるのではないか。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。