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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2018.1.18 「目的の変更」

2018/01/18

 特にはっきりとした利益を伴わないような
制度は、なぜそれが世の中で動作しているの
かわかりづらいかもしれないが、その機能す
らはっきりしないような制度として何らかの
慣習を伴った制度があり、その代表的なのが
宗教的な儀礼の類いになるのではないか。そ
のような制度はかつてはそれを行うことによ
って何らかの利益が生じていたのかもしれな
いが、歳月が経つにつれてその儀礼を伴った
宗教が廃れてはっきりとした利益が得られな
くなった後も、慣習として儀礼だけは継続し
て行われる成り行きとなり、それ自体が形骸
化した制度として存続している場合があるの
かもしれない。そのような制度も全く利益を
生じないわけではなく、儀礼自体が見せ物と
して観光的な機能を持っている場合もあり、
その儀礼を観に多くの人が集まれば、そこに
祭りとしての興行収入が生じるわけで、その
ような観光収入で成り立っているような都市
も世界各地には存在しているだろうし、中に
は人々の娯楽的な欲求を満たすために街全体
が観光収入を目当てに作り変えられてしまっ
た都市まであるのではないか。もちろん世界
の全ての都市がそうなる傾向があるわけでは
なく、観光都市として成り立つには古い歴史
的な建造物が多くあったり風光明媚であった
りカジノなどのギャンブル施設が備えられて
いたりと限られた条件が重ならないと観光都
市にはなれないわけだが、都市自体がその周
辺域から人が集まってくるような魅力がある
ことは確かで、そこが交易の中心地となるか
らそこに人が集まって商売が行われることに
なるのだろうが、商業で街が栄えると人が常
駐するために建造物が多く建てられることに
もなるだろうし、だから都市になる言えばそ
れは当然のことなのだろうが、そこで交易に
伴う商業の制度や都市の治安を守るために行
政の制度が生じることにもなるわけで、さら
にそこで蓄積された富を目当てに様々な勢力
が集まってきて、自分たちの利権を作り出そ
うとするわけだが、その利権の一つが税を徴
収することであり、都市を武力で制圧して税
を徴収してその財源で王朝を打ち立てるよう
な行為が歴史的に繰り返されてきた経緯があ
り、そのような王朝の儀礼的な部分が形骸化
を被ると同時に税を徴収するという実利を求
める部分だけが残って、結果的に近代的な国
家形態が生じた経緯もあるわけだし、そうい
う意味ではっきりとした利益を伴わないよう
な制度は、制度が歴史的な変遷を経て形骸化
を被った成れの果てを示している場合もある
だろうし、現時点ではその機能がはっきりし
ない制度も、歴史のある時点でははっきりし
た機能を伴っていて、それなりに利益をもた
らしていた時期もあったのかもしれず、制度
にも時代の変遷を経るに従ってその役割や機
能に変化が生じるとともに、その有効性にも
限りがあり、他の制度に役割や機能を奪われ
たり、形骸化を伴いながらも儀礼的に存続し
ている制度も中にはあるわけだ。

 そうだとすると制度の目的というのは、制
度が形骸化を被った後では当初の目的自体が
無効となってしまうのだろうし、それでも制
度自体が存続している場合は別の目的が付け
加えられている場合があるわけで、例えばそ
れが観光目的や娯楽目的の制度となっていた
り、中には儀礼を継続することだけが目的化
していたりするわけで、何かその辺で制度自
体の存在意義が薄れてしまうような作用が働
いているのかもしれないが、そうであるなら
はっきりした目的があってそれが社会の中で
有効に機能しているような制度であってもそ
れが永続するとは考えにくいだろうし、現状
で有効に機能している制度であっても絶えず
形骸化作用が働いているとすれば、制度を管
理している機構の方でもそれへの対処が欠か
せないだろうし、実際に制度を維持するため
にあらゆる手段を講じているだろうし、その
ために必要なのが権力の行使であるのだろう
が、それをずらすような作用が目的の曖昧化
なのかもしれないし、それに関して近年目立
ってきたのが戦争の目的がはっきりしなくな
ってきたことであり、戦争本来の目的である
敵国へ侵攻して領土を奪う行為が、国際的に
非難されるようになってきたわけで、その非
難をかわすための言い訳として出てきたのが
国土を防衛するための戦争であり、侵略戦争
は許されないが防衛のための戦争なら許され
るという屁理屈がまかり通ってしまう傾向に
あり、侵略戦争がなければ防衛のための戦争
などありえず、両者が一体となって戦争が成
り立つのに、その片側だけは正当化したいと
いう現実に行われる戦争の実態を無視した無
理な解釈を通用させようとしていて、戦争の
定義という言葉の意味のレベルで戦争の目的
をずらす行為が行われているわけで、それも
実際に戦争を行わずに軍事演習ばかりを定期
的に行なっている軍隊の儀礼化とともに戦争
という制度の形骸化を物語っているのかもし
れないが、実際に戦争が行われている地域で
は外国へ軍事侵攻するのではなく、国内で武
装勢力同士の内戦が行われている傾向がある
わけで、それが侵略戦争ではない祖国防衛の
ための戦争という大義名分をかろうじて成り
立たせているのかもしれないが、その現代的
な戦争の傾向である内戦の慢性化という自体
が何をもたらしているのかというと、単に国
土の荒廃をもたらしているだけで特にどの勢
力に利益をもたらしているわけでもないだろ
うし、あえて言うなら武器を供給している側
に利益をもたらしているのかもしれないが、
結局それは外部から武器が供給されているわ
けで、そうであるなら別に外国から軍隊が侵
攻してくるわけではなく、単に外国から武器
が供給されてくるだけで、武器を供給する側
の目的は武器を使って消費してくれるだけで
いいのであり、特に戦火で荒廃した領土が欲
しいわけでもないだろうし、そんな国土など
何の利用価値もないわけだから、わざわざ武
力侵攻する目的が生じないわけで、そこでも
戦争の目的がずれてしまっているのだろうし、
制度の目的がずれてその形骸化が進行してい
ると言えるのではないか。そしてそこに武器
の代わりに一般的な商品を当てはめてみれば、
普通の意味での経済的な輸出戦略が姿を表す
わけで、商品を輸出する側にしてみればその
国に武力侵攻するのではなく、供給した商品
を消費してもらえればそれによって利益を得
ることができるわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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