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彼の声 2018.1.7 「制度の不都合」

2018/01/07

 人が集団で寄り集まって組織的な形態をと
ると、個人のままでは持つことができなかっ
た力が生じて、その力を利用して個人のまま
ではできなかったことができるようになるわ
けだが、それと引き換えにして個人でいる時
には持っていた自由を奪われ、組織内での立
場や役割の上下関係から生じる権力関係の中
で拘束されることになるわけだが、社会の中
では個人でいるよりは集団でいる方が力があ
るから、自然とそこに集団が構成されてくる
わけで、より広い視点で見れば社会そのもの
がそのような集団だとも言えるし、社会全体
を一つの組織的な集団に編成するような試み
が全体主義的な政治勢力によって行われてい
た時期もあったことは確かだが、そのような
一つの方向へと世の中の全ての人たちを導く
試みには、たぶんどうやっても無理が生じる
のかもしれないし、そこまで人の組織力を高
めることができない何らかの要因が世の中に
は生じていて、そうであるからこそ人と人と
はお互いに反目し合い争うことになるのだろ
うし、それは何よりも組織的な集団内で頻繁
に起こっていることであり、個々人が離れて
いる時よりも集団でまとまっている時の方が
そういう傾向がより強くなるわけで、人と人
との距離が近いほどお互いの不快な面がより
鮮明に見えてきて、些細なことでもしょっち
ゅう衝突するようになるのではないか。だか
ら人と人の間で一定の距離が保たれていた方
が無用な争いには至らずに済むのかもしれな
いが、それを避ける意味でも組織内で権力関
係が構築されるわけで、他人を不快に感じつ
つも立場や地位が上の者には逆らえない構造
が制度的に構築されるわけだから、そういう
意味では集団的な組織形態は合理的にできて
いるとも言えるわけだが、その合理性ゆえに
かえって組織内にいると、逃げ場がなくなっ
てストレスが増すことにもなるだろうし、そ
れが高じて病気に至るようなことにもなるの
だろうが、そのようなマイナス面を補って余
りある利益が生じるから、人は集団で寄り集
まって組織的な形態をとるわけで、またその
ような集団に対抗するためにも同じような集
団を構成しなければならなくなるわけで、そ
うであるからして人の集団的な組織化は避け
られない現象となるのかもしれないが、その
一方でそのような現象の渦中で嫌気がさして、
集団から離脱する人も後を絶たないわけで、
それも社会の中で生じる人の離合集散という
ある意味では避けられない現象を示していて、
そのようにして集団的な組織化とともに絶え
間ない分散化も繰り返し起こっているとも言
えるわけだが、離合集散のどちらの方向への
運動も可能である反面、どちらへ向かった方
がより大きな力が得られるのかといえば、集
団的な組織化へと向かう方が力を得られる傾
向にあるわけで、経済的な利益を求めようと
する思惑も政治的な権力を求めようとする思
惑も、大概はそちらへと向かう成り行きにな
るのだろうが、それとは異なる方向性として
分散化とネットワーク化の組み合わせが情報
革命以後のインターネットの普及とともに試
みられているのかもしれないが、現状ではま
だそれがはっきりとした形態を伴っていない
のかもしれない。

 それに関してより妥当な言い方をすれば、
集団的な組織化を補完するのが分散的なネッ
トワーク化と言えるのかもしれないが、どち
らの方向でも制度として確立しようとする傾
向があるわけで、集団的な組織化では得られ
ない力を分散的なネットワーク化で得ようと
すれば、それも一つの権力への意志を構成し
てしまい、そこから利益を得るためにそんな
試みが行われているとしか言えなくなってし
まうわけだが、そのような意志や思惑が生じ
ているとしても、結果的にそうはならなけれ
ば面白いことになるのかもしれないし、その
辺で安易な決めつけから否定的なレッテルを
貼ってしまっては、それとは異なる可能性を
削いでしまうことにもなりかねないが、単純
に考えて分散的なネットワークからは力の集
中は起こらないわけで、特定の団体に権力の
一極集中を起こさせないシステムにするには、
分散的なネットワーク化が必要だと考えられ
るとしても、それにはネットワークを管理し
ている団体が力を持ち得ない構造にしなけれ
ばならず、具体的にはその管理団体内に官僚
機構を生じさせないような工夫が求められる
わけで、そうなると究極の状態を考えるなら、
複数の人工知能が協議しながらネットワーク
を自動的に管理するような形態も考えられる
のかもしれないが、それによってネットワー
クを管理している団体は利益とは無縁になる
としても、ネットワークを通して個人や企業
が利益を求めようとしている現実は変わらな
いわけだから、結果的に利益をより多く得ら
れた人や企業に力が集中するような事態は避
けなければならないとしたら、現状ではそう
はなっていないわけで、ネットワークの活用
にいち早く成功した企業が莫大な利益を得て
グローバル企業へと成長した歴史的な経緯が
あるわけで、実際に力を得てしまったのだか
ら、その現実をどう捉えたらいいのかうまく
説明できないのかもしれないが、少なくとも
それらのグローバル企業が国家的な行政機関
と共通の利益を巡って癒着しているとは言え
ない面もあるのかもしれないし、また独自に
政治的な影響力を駆使して独自の権力を欲し
ているとも言えないだろうし、それがこれま
での国策企業と行政機構との癒着関係とは異
なるところかもしれないが、それも相対的な
差異でしかないのかもしれないし、分散的な
ネットワーク化からは本質的にずれる方向で
起こっていることかもしれないが、では分散
的なネットワーク化に関してそれまでの制度
とは違う点は何かと言えば、それは権力関係
を伴わないで連携の可能性を探ろうとしてい
ることであり、ネット外では確かに官僚機構
を築けるだろうが、ネット上で構築するのは
無理かもしれないということなのではないか。
そこでも勘違いしている人たちが一部にはい
るわけで、何とかネット上でもメディア的な
権威を作りたい思惑が働いていて、その権威
を頂点として役割や地位の上下関係の構築を
模索しているわけだが、どうも実際問題とし
てそのような階級制度にどんなメリットがあ
るのかというと、要するにそれを想像するの
が難しいのかもしれないし、果たして権威に
従う必要があるのかというと、権威を敬い従
って、権威の下僕のような立場や役割をネッ
ト上で表明しても、はっきり言って嘲笑の対
象にすらならないのではないか。そんなわけ
でそこに権威を作れなければその権威を頂点
とした官僚機構を作るメリットも生じないわ
けだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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