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彼の声

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彼の声 2018.1.4 「法律の意義」

2018/01/04

 法律にはその適用の用途や範囲によって一
方的に禁止したりするだけではなく、逆に権
利を保障したり自由を認めたりするものもあ
り、例えば未成年には禁止する一方で大人に
はそれを行う権利を認め保障する法律がある
し、また権利を認める一方で義務を課すよう
な法律もありそうだが、それは人の活動をコ
ントロールするには単に禁止するだけではな
く、特定の活動を行う権利を保障することで、
そのような活動を盛んに行わせることによっ
て利益をもたらそうとする目的があるのだろ
うし、法律を課す側がそこから利益を得られ
ると判断したものについては、そのような活
動を積極的に推奨したり振興する成り行きと
なるのではないか。そのような活動の代表例
が経済活動なのだろうが、経済活動は行政が
そこから税収を得るには欠かせない活動であ
り、税収によって予算を確保する制度であれ
ば行政は経済活動を振興するしかないだろう
し、まずはそれが前提としてないと、足りな
い分を公債などで賄うにしても、国家的な信
用が得られないだろうし、債券の引き受け手
がいなくなってしまうわけだ。そのようにし
て活動に使う予算を確保するわけだろうが、
では行政の活動目的は何かというと、それが
管轄する領域内で活動する人や団体の活動を
コントロールすることにあるとすれば、法律
を用いて人や団体の活動を規制しながらコン
トロールすることになるわけで、では何のた
めにコントロールするのかといえば、活動す
るための予算を確保する目的で人や団体をコ
ントロールしていると言えば、何やら循環論
になってしまうのかもしれないが、それでは
住民が納得しないだろうし、世の中の世論を
味方につけるには、行政サービスによって住
民が安全で平和に豊かな生活を満喫できるよ
うに活動しているとでも宣伝しておけば、そ
れなりに世論を納得させられるだろうか。行
政の活動目的を肯定的に定義しようとすると
何やらそうした宣伝文句のようなものとなっ
てしまうのかもしれないが、それが行政では
なく企業となると、事業を継続させるために
活動を行なっているとみなしても、それほど
間違ってはいないだろうし、それの延長上で
考えるなら、やはり行政の活動目的も行政活
動を継続させるために活動しているとみなし
ても構わないわけで、その活動の一環として
住民の支持を得るために行政サービスを充実
させているとも考えられるわけで、そういう
傾向を考慮すれば、法律も高圧的な禁止一辺
倒ではなく、何らかの権利の保障や自由な活
動を行えるような領域を増やす方向での規制
の緩和を法律に盛り込む動きも出てくるのだ
ろうが、たぶんそれも行政活動に支障が出な
い範囲内に留めようとするのだろうし、その
辺でいかに住民を納得させるかが、民主的な
政治体制を採用している国では工夫を凝らす
部分なのかもしれないが、独裁的な傾向の強
い国となってくると、その辺の工夫を凝らさ
なくても体制を維持できるだけに、そういう
部分では強権的で高圧的な態度でいられるか
もしれないが、経済活動の振興という面では
人や団体の活動が萎縮してしまう危険性が出
てきて、その辺がマイナス要因となってくる
可能性もあるわけだ。

 行政の活動が人や団体の経済活動抜きには
考えられないとなると、その法律も経済活動
に関する内容が主なものとなってくるのだろ
うが、純粋に権力関係から考えてしまうと、
強権的で高圧的な面しか出てこないのかもし
れず、またそれとの対立軸として民主主義に
関する抑圧に抵抗するイデオロギーも出てく
るわけだが、それらの活動の糧となってくる
経済活動を抜きに考えてしまうと、途端にリ
アリティを失ってしまうわけで、その辺が民
主主義や国民の福祉を中心に考える人たちに
とっては躓きの原因ともなってくるのかもし
れないが、だからと言って資本主義的な経済
至上主義を礼賛してしまうと、人々の間で現
実に生じている貧富の格差やそこから生じる
権力関係の不均衡や不平等を是正する方向性
が出てこないわけで、そういうところで従来
からある政治的な主義主張が行き詰ってしま
うわけだが、それらを全体的な視点から捉え
て一定の政治的な主義主張を伴った一つの方
向性を打ち出すと無理が生じるわけで、そこ
には社会の中で互いに錯綜したり絡み合って
いる複数の部分的な活動があるに過ぎないと
考えると、相対主義に陥るしかないわけだが、
どちらにしてもそれぞれの視点から考えれば
それなりに正しいようにも思われるだろうし、
何らかの妥当性も持っているわけで、そのよ
うな思考や思想自体が無用なものだと捉える
ことも可能かもしれないが、実際に行政機構
や企業などが社会の中で活動している実態が
あり、法律に基づいた制度の中に人を引き込
んでその活動をコントロールしようとしてい
るわけだから、それに関して不都合や不具合
が生じていれば、それを改善したり是正しよ
うとする機運が生じてくることは確かであり、
そういう面では何らかの方策を打ち出さなけ
ればならず、実際にそんな活動を行なってい
る人や団体も存在するのだろうし、そこで政
治的なイデオロギーとは違った具体的な活動
の方向性が模索されているわけだろうが、そ
れに関して法改正とか新たな法律の制定とか
が具体的な方策として提案されてしまうと、
絶えずそうした方向での努力が議会制度や行
政機構を必要としてくるわけで、結局は現状
の政治的な枠組みの中で不都合や不具合の改
善や是正が求められてしまうわけだが、果た
してそれ以外のやり方を模索することができ
るだろうか。そこでも現状の政治的な枠組み
を単純に否定するのではなく、そのような方
向で努力していくうちに、自然とそこから外
れる方向性が出てくるのを期待した方がいい
のかもしれないし、そういう意味で現状を否
定しないと同時に現状にこだわリ過ぎない態
度が求められるわけで、これまでの歴史的な
経緯がそのような成り行きを示していて、絶
えずその時点での状況からしか改革の機運が
生じてこないのと同時に、人々の期待を一身
に担った急進的な改革の努力が絶えず人々の
期待を裏切りながらも、期待外れの状況の中
でも何らかの改善や是正が図られているわけ
で、それが期待からかけ離れた成果しかもた
らさなくても、結果的にはそれがその時点で
可能な成果でしかなかったわけで、それが歴
史的な経緯が明らかにしているところなので
はないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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