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彼の声

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彼の声 2017.12.29 「恩義と見返り」

2017/12/29

 人が社会のため国家のため人のために尽く
さなければならないと思うのは、社会に対し
国家に対し人に対して恩義を感じているから
だろうが、そういう成り行きになるには、社
会が人に対し国家が人に対し人が人に対して
恩を売る必要があるだろうか。あからさまに
見返りを期待するような振る舞いをしては何
をやってもありがたみが薄れるだろうが、見
返りを期待せずに困っている人を助ければ、
こちらが困っている時には人が助けてくれる
かもしれず、そういう意味で社会が見返りな
しに人を助けたり、国家が見返りなしに人を
助けたり、人が見返りなしに人を助ければ、
社会や国家や人が困った時に、民衆が見返り
なしに社会や国家や人を助けようとする成り
行きになるかもしれないが、そういう因果応
報の振る舞いが資本主義のルールには欠けて
いて、基本的にはそれは等価交換のルールで
あり、同じ価値のものを交換して双方ともに
ほしいものを手に入れて納得すると同時に、
しかも同じ価値のものを交換したにも関わら
ず儲けを出さなければならないわけで、そう
なると儲けを出した側が相手を騙していたこ
とになり、交換した後から騙されたことに気
づいた側が不快な思いをすることになるわけ
だ。だから働いて企業から報酬を受け取る労
働者の側からすれば、企業が利益を上げてい
ることを知れば、自分たちが不当に安い報酬
で働かされていると思うだろうし、報酬額の
面で企業に対して不満や不信感を抱くのは当
然かも知れないが、企業は等価交換によって
利益を出さなければならないわけだから、労
働者への報酬を高くして利益をゼロにするわ
けにはいかないだろうし、それは実質的には
等価交換を装いながらも不等価交換でしかな
いわけだが、現実の交換に際しては等価交換
を装うしかないわけで、結局企業が利益を出
すには不当に安い報酬で労働者を雇って、不
当に高い価格で顧客や消費者に商品を売るこ
とになるわけで、それ以外では利益が出ない
わけだ。そうしないと企業の活動が成り立た
なくなってしまうだろうし、できればそれら
を不当な報酬額や価格だとは思わせないよう
にするための工夫が企業には求められている
わけだ。そうなると金銭的な額以外の何かが
必要となってくるわけで、例えば労働者が雇
い主の企業に対して恩義を感じたり、顧客や
消費者がその企業の商品の熱心な愛好家にな
ったり、そういうのを総称して企業の社会貢
献の成果が出たと言えるのかもしれないが、
そういう面で企業がそこで働く労働者や商品
を買ってくれる顧客や消費者に支えられてい
れば、それなりの利益を出していても文句は
出ないかもしれないし、それらの人たちにと
っては自分たちが支えている企業に利益が出
ていることを喜んだり誇らしく思うこともあ
るのかもしれず、そのような付加価値ととも
に社会の中で特定の企業が活動していれば、
社会全体がその企業を応援するような成り行
きにもなるのかもしれないが、それは国や地
方自治体にも言えることで、そこに住んでい
る住民がそれらの行政機関に対して恩義を感
じるような成り行きになれば、喜んで税金を
払い、機構による管理統括にも喜んで従うよ
うになるのかもしれない。

 実質的に企業が等価交換を実現するには、
事業規模をできるだけ大きくして雇う従業員
の数も可能な限り増やしていけば、従業員一
人当たりの利益額はどんどん少なくなってい
くだろうし、また商品もできるだけ薄利多売
にしていけば、一商品当たりの利益もどんど
ん少なくなっていくだろうし、実際にそうや
って大規模な小売業などで可能な限り等価交
換に近づけている分野もあるかもしれないが、
そういう安売りの分野で生き残れる企業は数
が限られてくるだろうし、何よりもそういう
安売り合戦をやってしまうとそれと競合して
いる他の企業が安売り競争に巻き込まれて、
体力のない企業から廃業に追い込まれたり他
の企業に吸収合併されたりして、それらの企
業で成り立っていた地域経済や地域社会が破
壊されてしまう事態にもなるわけで、そうや
って正直に正々堂々と効率やコストを重視し
ながら等価交換に近づけようとすればいいと
いうわけでもなく、結局企業が活動していく
中で生き残る道を模索していけば、結果的に
そこで生き残って活動が成り立っている企業
の活動内容が、その企業を取り巻く経済情勢
にうまく適合していることになるわけで、個
個の企業でその活動内容も活動分野も千差万
別だろうし、それも企業規模や業種などで特
有の傾向が出てくるのだろうが、現状で活動
が成り立っていれば、それがその状況下での
最適な事業形態なのかもしれず、そこから状
況が変わればまたそれに合わせて事業形態も
変えてゆかなければならないだろうし、状況
の変化に対応できなければ事業の継続が困難
になってくるわけで、状況の変化に何らかの
法則性があるようなら、それに対応できる企
業活動にも何らかの最適な条件が導き出せる
かもしれないが、それも変化した結果からし
か導き出せない法則なら、それに対応しよう
としても時すでに遅しとなってしまうだろう
し、確かにそうなった結果を分析すればその
時点でどう活動すればよかったかがわかるか
もしれないが、その時点以降ではどう活動す
ればいいかは、予測としては何らかの方針に
結びつけられるかもしれないが、その予測が
当たるか否かは偶然の要素も絡んでくるわけ
だから不確実であり、だからこそ結果的に状
況の変化にうまく適合して栄える企業がある
一方で、うまく適合できずに衰退する企業も
あるわけだ。そして無理な経営がたたって不
祥事などが続出するようならそれをメディア
で批判されるだろうし、結果的にそのような
事態になれば批判されて当然なのかもしれな
いが、そうなってしまった過程における成り
行きについては後戻りができないだけに、そ
れをうまく取り繕ってその先も事業を続けて
いくには困難がつきまとうのだろうし、場合
によってはそれがもとで倒産する企業もある
のではないか。確かに企業ならそうなるかも
しれないがそれが国や地方自治体となると、
無理な行政運営がたたって財政赤字がかさん
でしまうケースがあるにしても、行政機構自
体が消滅することはまずないだろうし、たと
え他の国や地方自治体に吸収合併されるにし
ても、今度はその国や地方自治体の行政機構
がそこで活動するようになるわけで、そのよ
うな結果をどう見るかはそこに住んでいる住
民感情にもよるかもしれないが、その国や地
方自治体に対して恩義を感じているのなら、
そうなるを阻止しようとするかもしれないが、
制度があまり変わらず取り立てて不都合も恩
義も感じていなければ、大した抵抗もなくそ
んな結果を受け入れようとするのではないか。
 

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創刊日:2001-03-26  
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