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彼の声

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彼の声 2017.12.23 「絶望とは無縁の絶望的な未来」

2017/12/23

 人が集団として組織的に機能しながら何か
をやるには、組織内の各人に役割分担を課す
体制とそれを管理統括する官僚機構が必要不
可欠となってくる事情があることは確かだが、
それが制度として世の中に定着している背景
として、その官僚機構を内包する国家という
枠組みが社会を成り立たせている大前提とし
て人々の共通認識を形成しているからかもし
れないが、果たして官僚機構なしに人が集団
として機能するかというと、それは集団の形
態にもよるだろうし、たぶん部族社会ではま
だ官僚機構と呼べる集団は存在しなかったの
かもしれないが、広範囲な領土を要する帝国
となると宦官や職業的な軍隊などを統率する
上で官僚機構が必要となってきたわけだろう
し、国家として最も重要な行為である徴税を
機能させるには、それを専門に行う役人の集
団が必要となり、そのようなところから官僚
機構が生じてきた経緯があるのかもしれない
が、企業における官僚機構となるとやはり大
企業のレベルで事務処理や分業的な各部門を
統括する専門の集団が必要となってきて、そ
こから官僚機構が生じてくるわけだろうが、
またその部門だけ多数の子会社を束ねる持株
会社として別個に存在する場合もあるだろう
し、そうなると財閥といった性格を帯びてく
るわけで、金融系の会社ではホールディング
スとかフィナンシャルグループとかいう呼び
名が流行っているのかもしれないが、そのよ
うな形態にした方が企業経営に関して効率的
かつ機能的に事業を進められるからそうして
いる面があるのだろうし、分業している部門
に様々な事業の可能性を探らせて、利益が出
る可能性が高くなってきたら、その部門に資
金や資材や人材を集中的に投資して可能な限
り高い収益の確保を目指して、逆に事業の収
益が悪化する兆しを察知したらさっさとそこ
から撤退できるように分社化しているわけで、
手足をもがれても最悪頭だけ残ればいいよう
な形態といえるのかもしれず、そこまで深刻
な状況は想定していないだろうし、せいぜい
がトカゲの尻尾切り程度の感覚なのかもしれ
ないが、投資の効率性や機能性を重視すれば
自然とそのような形態に落ち着くわけで、そ
れは国家形態でもいえることなのかもしれな
い。またそうである限りにおいて官僚機構自
体の存在が他の何よりも優先されるのだろう
し、それ以外の部門で働いているとその部門
を管理統括している官僚機構の犠牲となりや
すく、現場で働いている労働者がそれを指揮
している管理者の糧となってしまう構図がそ
こで出来上がっているわけだが、そもそも人
が集団となって組織的に働くという形態自体
がそうなりやすい要素を含んでいて、そこに
階層的な構造が出来上がっていれば上位の階
層から下位の階層へと命令が下されるわけで、
その命令を専門に下すエリート集団として官
僚機構が様々な部門を束ねる上位の階層に位
置する関係は、社会の中では自然に形成され
る成り行きにあるのかもしれないが、そのよ
うな関係に下位に位置する集団の中から反発
が生まれるのも自然の成り行きではあるわけ
で、そこに権力を巡って不均衡な力関係が生
じていて、その中で不利な立場にある者は有
利な立場にある者に反感を抱くわけだ。

 そしてそういう権力関係の中で下位の階層
に属する不利な立場の者たちが上位の階層へ
と成り上がろうとする野望も生まれるわけで、
そのような野望によっても権力関係は維持さ
れるわけで、野望を成就させるには是が非で
もそこで生じている不均衡な権力関係が必要
であり、野望を抱いている者には権力関係の
解消を目指すような意志も活動も生まれず、
そのような者たちが権力ゲームに加わろうと
すること自体が逆に権力争いを活発化させ権
力関係を強化することにもなってしまうわけ
だが、では権力関係の解消を目指すにはどう
すればいいかというと、原理的にはそのよう
な権力関係を生じさせる社会の階層構造の解
体を目指せばいいわけだが、それでは集団の
組織的な機能を阻害することになってしまう
だろうし、そうなるとそのような社会自体の
解体を目指すことになってしまい、現にそん
な社会の中で生きている人たちが自らを養っ
ている社会の解体を目指すわけがないだろう
し、少なくとも意識してそのような行為に及
ぶことはないのではないか。だが意識せずに
そんな行為に及んでいる場合があるのだろう
し、それが成り上がり的な野望の欠如した人
の出現なのかもしれないし、また社会で生じ
ている権力関係に対する無関心な人の出現も
そうした兆候の表れかもしれないが、そうし
た人が生きて行けるような社会環境が現に生
じつつあるのだとすれば、社会の階層構造や
現状の社会そのものが解体する兆しを示して
いるのかもしれないし、そのような人たちの
出現が何に起因しているのかを突き止められ
れば、それを積極的に活用することで社会変
革が可能となるのかもしれないが、それに関
して遊牧民の社会の中で、例えば羊の群れを
統率する牧人とその牧人に付き従う羊の群れ
の関係を社会に当てはめて、成り上がり的な
野望を抱かずに一般の民衆がただ黙って羊の
ように牧人に付き従うだけの存在となってし
まうと、その牧人の役割を担うのがエリート
官僚たちになってしまうわけで、それでは階
層構造が解体するどころか固定化して永続し
てしまうことにもなりかねず、成り上がりの
野望を抱ける権力関係が下克上的で動的な関
係だとすると、牧人的な権力関係は成り上が
りのない静的で絶望的な関係だと言えるわけ
で、もちろん羊の群れの中にいれば絶望感な
ど抱かないわけで、ただ黙って統率者である
牧人について行けば、餌を与えられてそれな
りに生きて行けるわけで、いったんそうなっ
てしまうとそれが日常化してしまうから、別
に統率者に対する反抗心など湧いてこないだ
ろうし、それを何とも思わないような静かな
日々を送って行けるのではないか。そしてそ
の中にいると、その状態の良し悪しを自分で
は判断できないのかもしれないし、そのよう
な気さえ起こらなければ完全にそのような構
造に身も心も支配されていることになるのか
もしれず、それをエリート官僚たちが意識し
て目指しているわけではないにしても、官僚
機構の役割や機能を推し進めてゆくと、自然
にそうなってしまうのだとすれば、構造的に
そうなっているとしか言えないのかもしれな
いし、誰もそのような作用に抗う術がないの
だとしたら、もはや現状の中で生きている人
は絶望するしかないだろうが、いったんそう
なってしまえば絶望とも無縁となってしまう
のではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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