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彼の声 2017.12.19 「制度的な弊害」

2017/12/19

 企業の中で労働を担っている人たちはその
企業のシステムに組み込まれているわけだが、
その企業が手がけている事業の形態に応じて
労働内容もそれなりに変わってくる部分があ
るだろうが、一方で事業形態が変わっても労
働内容が変わらない部分もあるだろうし、そ
れは事務処理的な部分であり管理業務的な部
分でもあるわけだろうが、そういう部分では
企業全般で似通った業務を構成する部分だろ
うし、また企業でなくても行政機構や他の各
種団体などでも共通する業務形態を伴ってく
るのかもしれず、そういうところで集団的な
組織形態特有の階層構造が生じていて、それ
がその企業特有の専門的な業務を管理し統括
していることになるわけで、要するにそこで
官僚機構が構成されていることになるわけだ。
つまり集団的な組織形態を構成する官僚機構
は企業特有の専門的な業務から生じているわ
けではなく、そのような業務を管理し統括す
るために存在しているわけで、それは行政機
構や他の各種団体でも同じように、そこで行
われている業務を管理し統括するために官僚
機構を必要としているわけだ。そして企業で
も行政機構でも労働組合などでも、いったん
官僚機構が組織全体を管理し統括し始めると、
その官僚機構自体を維持継続させることが最
優先される傾向が出てくるのかもしれず、そ
の官僚機構の維持継続とその団体の専門的な
業務との間で背理が生じてくると、組織内で
の権力バランスが崩れておかしくなってきて、
組織自体の運営が立ち行かなくなってくるの
ではないか。優先すべきはそれが企業ならそ
の企業が手がけている専門分野に関わる業務
であり、それが成り立たないことにはそれを
管理統括している官僚機構も成り立たないの
は当然だろうが、官僚機構の側が経営の主導
権を握ってしまうと、業務の技術的な面より
も採算面でのコストや効率性を重視する傾向
になってくるだろうし、そうやって利益優先
主義になってしまうとその企業が取り扱って
いる商品そのものに魅力がなくなってくるわ
けで、そうなると場合によっては消費者にそ
っぽを向かれて、それでも価格が安ければそ
れなりに売れるかもしれないが、商品の熱烈
なファンがいなくなって、やがて同業他社と
の安売り合戦などが生じてしまうと利益が出
なくなり、場合によっては事業が立ち行かな
くなってしまうのではないか。それは商品の
種類や質にもよるかもしれないが、業務の専
門的な技術水準を保つにはそこで働いている
労働者の質に関わってくるわけで、労働者が
専門的な技術を身につけなければならない仕
事内容であるなら、そういう仕事に携わって
いる労働者はそのような業務を主に手がけて
いる企業にはなくてはならない人材となるわ
けで、そういう人材を粗末に扱うようなこと
はしないだろうし、その労働者にはそれなり
の待遇や報酬も用意されることになり、企業
と労働者との関係も場合によっては対等に近
い関係となるのではないか。またそのような
人材は単に労働者とは呼ばれないだろうし、
一般的には技術者に分類されるのかもしれな
いが、企業内の管理や統括を重視する官僚機
構側の思惑としては、できればそういう特別
な労働者がいなくても困らないような業務内
容にしたいだろうが、その企業が取り扱う商
品の存在価値を高めるには必要な場合も出て
くるわけだ。

 官僚機構が組織全体を管理統括しやすいよ
うな体制にすると、これといって特徴のない
平板な組織構成と内容になるのかもしれない
が、それでは集団内の個々の構成員にとって
はつまらない組織になってしまうのかもしれ
ず、その人が仕事に対して積極性や主体性が
ある場合は、集団内にあっても独自のことを
やりたくなるだろうし、周囲との協調関係に
は配慮しつつも仕事の面で他人より目立ちた
いと思うのではないか。そして目立ちたいと
いうことは良い意味で目立ちたいわけだから、
仕事の面で自らの有能さをアピールしたくな
るだろうし、他人より優れていることを示し
たいわけで、そういう人が多いほど組織内で
の競争が活発になってくるのだろうが、それ
を管理統括する側としては業績の向上に結び
つけたいわけで、そのような競争心のある人
たちを生かすような組織運営を行いたいわけ
だ。そうなると業務の中で何らかの基準を設
けて、それを基に各人の成績を設定して、そ
れに応じて成績の良い人の報酬をアップした
り昇進させたりして、そうやって各人に格差
を設けることがそのような組織形態に特有な
階層構造をもたらすことになり、それが官僚
機構そのものだと言えるのかもしれないが、
なぜそれが平板な組織構成なのかといえば、
それでは必ずしも適材適所な人材配置とはな
らないわけで、仕事の内容に対する向き不向
きを考慮していないことにもなるのかもしれ
ないが、では組織内の役割分担として適材適
所な人材配置にするにはどうやればいいのか
というと、必ずしも共通の基準があるわけで
もないだろうし、誰もが納得するような人材
配置が適材適所というわけでもないのではな
いか。もちろん人によって得手不得手がある
ことは確かだろうし、中にはその仕事には向
いていないと思われる人がいることも確かな
のではあるが、そうだとしても得意なことを
やらせることが適材適所になるわけではない
だろうし、当初は苦手であった仕事内容にも
果敢に挑戦して努力の甲斐あってうまくこな
すようになる人もいるわけで、そういう事例
からも適材適所な人材配置が最初から何の障
害もなく組めるわけでもないことがわかるの
だろうが、では適材適所な人材配置というこ
と自体が幻想に過ぎないのかというと、そう
でもありそうではないこともあるわけで、結
局誰もが納得のいくような仕事の成績や成果
に応じて報酬のアップや昇進を行うやり方が
妥当に感じられてくるわけだが、そのような
妥当性を突き詰めていくと自然と官僚機構の
ような組織形態となっていくわけで、何らか
の試験において優秀な成績を収めた者がエリ
ート官僚として出世していくような成り行き
にもその傾向が表れているわけだが、世の中
の制度や慣習がそのような成り行きの妥当性
を保証している場合もあるだろうし、実際に
ほとんどの人がそんな制度や慣習の中に身を
置いているわけだから、そういう成り行きを
当たり前のこととして信じて疑わない人の方
が圧倒的な多数を占めているのだろうし、現
状ではそれで構わないとも言えるのかもしれ
ないが、実際にそのような官僚体制に苦しめ
られている人たちもいることは確かで、官僚
制の弊害に直面しながらも他にどのような制
度にすればいいのかわからない人も結構多い
のではないか。そういう人たちは制度的な変
革を目指すわけだが、制度そのものの存在を
疑わず、それが全てだと思い込んでいるので
はないか。 

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創刊日:2001-03-26  
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