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彼の声 2017.12.16 「活動の二面性」

2017/12/16

 企業や行政などの組織的な活動と個人の活
動は必ずしも全面的に対立しているわけでは
ないが、相容れない面もあるだろうし、時と
して個人としての活動と自らが属している集
団内での活動との間で整合性が取れなくなる
場合もあるだろうが、資本主義経済の中では
誰もが何らかの形で企業や行政などの活動に
依存している面があるだろうし、それらから
何らかの恩恵を受けているわけだろうし、そ
れなしでは個人としての活動も成り立ってゆ
かないのではないか。つまり恩恵を受けなが
らも対立する面では弊害も出てくるわけで、
絶えずその恩恵と弊害の間で調整を強いられ
ていて、その調整の様々な局面で交渉や取引
を重ねているわけだ。それがその場限りの一
時的なものになるか、あるいは法改正や制度
改正などの恒久的な改善につながるかは、そ
の場での成り行きや状況次第になるのだろう
が、そのような交渉や取引も個人で行うにし
ても団体として行うにしても、それ自体が活
動の一部ではあるわけで、時として交渉相手
や取引相手を批判することも、それ自体が交
渉や取引に含まれるパフォーマンスの一種と
捉えても、それほど間違ってはいないのかも
しれないが、たとえそのような批判に端を発
して交渉や取引が不調に終わったり決裂して
も、そのような結果を招いたことすらが事態
の何らかの進展を物語っているのかもしれず、
どのような状況になろうともそこで何らかの
活動が行われている限りで事態の進展が起こ
っているのではないか。時にはその活動が軍
事的な戦闘行為であっても事態の進展を促し
ている面もあるのだろうが、メディア上で行
われているのは、識者や専門家などによる事
態の打開だとか状況の改善などを促すための
提言が行われている場合が多いわけで、そう
いった提言の類いが直接事態の打開や状況の
改善に結びつくわけでもないが、世論の喚起
を促して、それを政治問題化させたり選挙の
争点になるような成り行きへと持ってゆきた
い思惑もあるのかもしれないが、そのような
活動が結果的に何らかの法改正や制度改正へ
と至るまでの間にも様々な紆余曲折があるわ
けで、実際にはそこまで至らない場合の方が
多いのかもしれないが、個人の活動や組織的
な活動が目指すのが何らかの結果だとしても、
その結果に至るまでの間で活動を続けること
がそのような活動の自己目的化となってしま
う場合があるわけで、メディア上で提言する
人は絶えず提言し続けることが自己目的化し
てしまい、提言することから一歩も先へ出な
くなってしまって、では何のために提言して
いるのかというと、提言することだけが仕事
となってしまい、そこで活動が止まってその
先の提言を実現する活動へと結びつかなくな
ってしまうわけで、そのような自足状態がメ
ディア上で蔓延すると、そこから先で事態の
進展が起こらずに停滞してしまうわけだろう
が、そのような停滞状態を打開するには政治
や行政の側がメディア上でなされる提言を汲
み取る必要が出てくるのだろうが、その橋渡
しとなる上で安直なやり方かもしれないが、
メディア上の提言者がそのまま政治家になっ
たり、その逆に政治家がメディア上の提言者
になるようなことも起こるわけだ。

 だがそうなると政治とメディアとの連携や
癒着を招くことにもなって、場合によっては
メディア上で政治批判ができない事態も生じ
る危険が出てくるわけで、そのようなことも
含めてそれらの活動の至るところで恩恵と弊
害が出てくるわけだろうが、そういう恩恵と
弊害の二面性は人のどのような活動にもつき
まとってくるわけで、弊害が生じて困るよう
ならそれを改めようとする活動を行わなけれ
ばならなくなり、そうした活動が絶えず自ら
の活動に含まれてくるのだろうし、それが活
動自体の自己目的化という弊害の原因となる
場合もあるわけで、自らの活動の弊害を改め
ようとするばかりで、肝心の活動の目的まで
たどり着けなくなってしまうわけだ。それも
活動からもたらされる恩恵と弊害の二面性に
含まれるのかもしれないが、少なくとも活動
している人は目的に向かって活動しているわ
けで、その中で最善を尽くそうとするだろう
し、その最善が他の人には受け入れがたいよ
うな傾向があればそこで争いが起こる場合も
あるだろうし、争いを収めようとすればそこ
で交渉や取引の機会が巡ってくるわけだ。そ
して交渉や取引を重ねてゆけば何らかの妥協
に至る可能性も出てくるわけで、そうなると
事態の進展が起こるわけだが、それが当初に
目指していた活動の目的と一致しない場合も
出てくるだろうし、そうやって対立する相手
との交渉や取引によって、ややもすると独り
よがりに陥りがちな活動が修正される可能性
も出てくるわけで、それが交渉や取引によっ
てもたらされる恩恵だと言えなくもないが、
活動が修正されてしまうのを嫌う意識にとっ
ては、交渉や取引は弊害しかもたらされない
と認識してしまう可能性も出てくるわけで、
そこでも恩恵と弊害の二面性が生じてくるわ
けだが、そのような二面性は活動していく上
で絶えず意識されつきまとってくるわけで、
いちいちそこで立ち止まって確認するまでも
ないことかもしれないが、そういう意味で活
動には終わりがなく、その目的自体も真の目
的とは言えない暫定的な目的に過ぎないのか
もしれず、そうでなくても活動の自己目的化
への誘惑を振り払えないばかりか、そこで自
足せざるを得ない状況や成り行きも自らの意
志に反して生じてきてしまうわけで、そのよ
うな状況や成り行きに逆らう気力も活動して
いくにつれて失せてくるのかもしれないが、
社会が集団の組織的な活動で成り立っている
実態がある限りで、そうした前提の上に個人
の主体的な活動が許される余地が生じている
わけで、自己目的化してその中で自足してし
まう個人の活動というのも、集団の組織的な
活動によって生じる分業体制にその活動が取
り込まれた結果としてそうなるのかもしれず、
分業の一部門としてその活動の周りを集団的
な労働が支えているわけで、そこで企業や行
政やメディアなどから役割分担が付与される
から、そのような自足した活動が成り立つ余
地が生じて、だからメディア上で何らかの社
会問題に関して提言を行う役割が成り立って
いるとすれば、それは集団の組織的な活動と
個人の活動が対立しているのではなく、妥協
して折り合いをつけた結果としてそのような
活動が生じていることになるのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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