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彼の声

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彼の声 2017.12.11 「労働の意味」

2017/12/11

 企業の経済活動が成り立つには、物や情報
やサービスなどの商品を製造して流通させて
販売するのに携わる労働者と、最終的に商品
を買ってくれる消費者の存在が欠かせないが、
途中の時間的な経過を無視すると、絶えず労
働者に支払う賃金などの報酬よりは消費者が
買ってくれる商品の売り上げの方が多くない
と利益が出ないわけで、労働者が消費者だと
するとその差額はどこから出るのかという話
になってしまうわけだが、時間の経過ととも
に物価が上昇すれば辻褄が合うのかもしれず、
要するに商品を製造して流通させて販売する
間に時間が経過するわけで、その間に物価が
上昇していればその分商品の価格が高くなっ
て辻褄が合うかもしれないが、しかしそうな
るとその高くなった商品を買えるように労働
者の賃金も上げなければならないわけで、そ
して労働者の賃金が上がればその分だけ経費
がかさんで商品の価格も値上がりして、そし
て商品の価格が上がればそれを買えるように
労働者の賃金も上げなければならず、以下そ
うやって物価の値上がりと労働者の賃金の上
昇が順々に起これば、物価の上昇と賃金の上
昇の時間差を利用して企業に利益が出るとい
う理屈が成り立つのかもしれないが、実際に
はコストや効率などの改善や、もっと複雑に
様々な要素が絡み合って、それらがもつれあ
って錯綜した成り行きとなっているのだろう
し、また企業が商品を製造して流通させて販
売する際に生じる必要経費も、労働者の賃金
だけはないようにも思えるのだが、例えば材
料費である資源価格がどうやって生じるのか
といえば、資源が地中にあるとすればそれを
掘削するための必要経費が生じるわけで、そ
の内訳は主に掘削する労働者の賃金と、掘削
に要する施設の建造費や掘削する機械の購入
やメンテナンスなどの経費と、機械を動かす
のに使う燃料費や電力料金となるだろうが、
施設を建造するには建築労働者の労働と建材
と建築に要する機械が必要で、それらの機械
の製造にはやはり労働者の労働と材料が必要
で、燃料の精製や電力の供給にもやはり労働
者の労働と材料と機械が必要で、それらのす
べての経費の源泉を順に辿っていくと、最終
的には労働者の労働に行き着くわけで、結局
商品は労働者の労働によって造られて流通し
て販売されていることになり、それにかかる
すべての経費は人件費だと言えるわけで、原
理的にはそのすべての過程で機械化できれば
ただで商品を製造して流通させて販売できる
ようになるのだろうが、それには機械が機械
を自動的に製造できるようにしなければなら
ず、またそうなってしまうと人は機械が供給
してくれる物や情報をただで受け取るだけと
なってしまいそうだが、現状ではそんなとこ
ろまで事態が進展するとは思えないから、あ
りえない話でしかないわけだが、理屈の上で
は人工知能やロボット技術などの進展はそう
いう方向を目指していることになってしまう
のだろうし、それは人が意識してそういう方
向を目指しているのではなく、成り行きとし
てそうなってしまっていると言えるのだろう
し、そのような技術革新の進捗状況を人が制
御しているわけでも制御しようとしているわ
けでもないのは確かなのではないか。

 そういう意味で人が行なう労働とは、絶え
ず歴史的な経緯として認識される過渡的な状
況の中で生じているものなのだろうし、労働
そのものが人の本質的な特性を反映している
わけでもないだろうし、ましてや賃金労働と
なると完全に株式会社などとともに経済活動
を行なう上での社会的な制度である面の方が
強いだろうし、それは人の歴史上のある時期
に生じた活動形態の一つであることは確かで
あり、昔からあったわけではなく、これから
未来永劫に渡って存続していく可能性がある
とも言えないものなのではないか。だがそう
であるとしても現状の資本主義経済を支えて
いるのが賃金労働であることは確かだろうし、
労働者の賃金労働と消費者の商品の購買がセ
ットになって企業活動を成り立たせているわ
けだ。そしてこの時代の人の生活には商品の
製造と流通と販売と消費が欠かせないとすれ
ば、企業も行政もそのような経済システムや
物や情報の生産と消費のサイクルを維持存続
させようとするのは当然のことだろうし、そ
れらに加えてメディアも含めて世の中の世論
をそのような営みを正当化する方向へと導こ
うとするだろうが、それはそれでそうなって
当然のことではあるにしても、今までの歴史
的な経緯を見れば、そのような試みが必ずし
も思惑通りの成り行きや結果をもたらさない
のも事実なのかもしれず、人や集団の思惑と
は違う方向へ世の中が変わっていってしまう
ことは十分にあり得るだろうし、だからと言
ってそのような試みはやめた方がいいとは言
えないだろうし、人や集団がそのような方向
への活動を維持継続しようとするから、それ
らの人や集団が思いもしなかったようなこと
が起こるのであり、そうなるとその思いもし
なかったような出来事に人も集団も翻弄され
て、それに対処するのに精一杯となってしま
うわけで、そしてそんな対応に追われている
うちに、気がついてみれば以前にやっていた
ことなどはどうでもいいような世の中になっ
ているのかもしれず、そんな未来を今からあ
あだこうだと予想してみても始まらないのだ
ろうが、一般の人々が認識しておかなければ
ならないのは、この時代の中で当たり前のよ
うに思っていることが別の時代にはそうでも
ないことの方が多いのかもしれないし、そう
だとすればあまり企業や行政やメディアの主
張を信じても、それらの企業や行政やメディ
アなどに利用されてしまうだけで、どのよう
に利用されるのかといえば、労働者として利
用され消費者として利用されるのだろうし、
別のところでは国民として利用され有権者と
しても利用され、さらに視聴者や世論調査の
対象としても利用されるわけで、そしてそれ
が何のために役立つのかといえば、それらを
利用する側の企業や行政やメディアの活動に
役立つわけで、では利用されている一般の民
衆には利益がもたらされないのかといえば、
とりあえずは生活が成り立っている限りで何
らかの利益がもたらされていると信じればい
いのかもしれないし、また知的好奇心や欲望
が満たされたり、他の何らかの快楽がもたら
されることで満足できれば、それが利益だと
言えるのかもしれないが、それも別に普遍的
で本質的なものではなく、この時代に特有な
特殊な利益なのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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