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彼の声 2017.12.8 「交渉の余地」

2017/12/08

 組織の中での主導権争いは無駄なエネルギ
ーを使うばかりで弊害しかもたらさないかも
しれないが、争う理由や事情が生じる限りそ
れは避けられないことでもあるだろうし、そ
の一方で争うというよりは交渉や取引によっ
てその場を収めようとする成り行きになる場
合もあるだろうし、その場での対立や軋轢の
程度と対立する双方の力関係などの諸事情に
よってどうなるかが決まってくるのかもしれ
ないが、企業などの場合は争う以前に本来の
業務があるわけだから、そちらにかかりきり
になっている人は争っている暇などないわけ
で、争うとしたら本業である仕事の方針を巡
って争うことが多くなるだろうし、どのよう
に仕事を進めるべきかを巡って争っているの
だとすれば、少なくとも不毛な泥仕合になる
ことは少ないのかもしれず、争った末に何ら
かの結論が出たら、その結論を尊重した仕事
の進め方が同意の上で採用されることになる
のではないか。結局そうやって争いの中でも
交渉や取引などによって仕事の方針が決まれ
ば、一応はその場の誰もが納得した形をとる
のだろうし、そうやって物事を推し進めるや
り方は他のどのような類いの組織でも行われ
ていることかもしれず、別に取り立てて推奨
するようなことでもないのかもしれないが、
それとは違って立場が上の者から下の者へと
一方的に指示を出すということは、すでにそ
の時点で争うことも交渉することも取引する
こともできない命令として従わなければなら
ないことになるわけで、そのような指示に納
得できなければ反発してしまうわけだが、反
発を伴いつつも従わせてしまうのが権力の行
使の特性なのだろうし、そこには従わなけれ
ばならない事情が生じているわけで、指示に
従わないと何らかの損害を被ったり不利な立
場を強いられたり、ひどい状況になることが
予想されるから従わざるを得なくなるのだろ
うが、すでに指示に従わざるを得ない状況に
なっている時点で不利な立場に置かれている
ことは確かで、逆に指示などの命令を出す側
は、相手が不利な立場であることを知ってい
るから指示を出すわけで、それはそこで明白
な権力関係が生じていることを示しているわ
けだが、何がそのような権力関係を生じさせ
るのかといえば、それはそこで構成されてい
る指揮命令系統を伴った組織的な階層構造が
権力関係を生じさせていると言えるのかもし
れないが、それを人が意識している限りでそ
のような組織が生じているわけで、確かにそ
のような組織が所有している目に見える施設
などがあって、その中で実際に人が集団で活
動している実態があるのかもしれないが、そ
の実態は形をなさないものであって、たとえ
その組織に所属している人々の名簿や所属に
関する関係書類があるとしても、そこで生じ
ている権力関係はそれに関わっている人の間
で共通の了解事項として信じて認めている限
りで成り立っているものなのではないか。

 だからそこに権力関係があることを信じて
いるとしても、指示には絶対に従わなければ
ならないということではなく、その指示を巡
って争ったり交渉したり取引する余地はある
のかもしれず、逆にそうしないから権力関係
が成り立っているわけで、指示や命令を出し
て権力を行使しようとする側はそれを巡って
争ったり交渉したり取引するような行為が生
じてほしくないから、立場の上下関係を伴っ
た組織的な階層構造を構築しようとするわけ
で、しかもそのような構造があることを組織
の構成員に信じ込ませようとして、法律など
の決まりごとを組織内の掟として定めて、そ
れを構成員に守らせようとするわけだ。そう
だとすると国家的に決められている法律など
に関しても、それを利用して権力を行使する
側の都合が反映されているものなのかもしれ
ないし、法律を利用した権力の行使とは具体
的に何なのかといえば、行政的には徴税行為
や警察的な行為などがあるのだろうが、普通
はそのような行為には黙って従うしかなく、
そのような行為に対して異議申し立てして裁
判などで争っても、権力を行使する側によほ
どの過失がない限り勝ち目はなさそうに思わ
れるだろうが、意識しておくべきは権力の行
使の正当性を信じるというよりは、絶えずそ
れに関して争ったり交渉したり取引する余地
を考えておくべきなのかもしれず、そういう
ところから世の中で成り立っている支配的な
権威などへの依存から脱却する余地が生まれ
るのではないか。そしてそれは反体制的な政
治姿勢をとるというよりは、体制的な権威に
も反体制的な権威にも精神的に依存しないこ
とを意味するだろうし、そこで装われている
二項対立的な予定調和のフィクションから脱
却して、可能な限り現状に適合するような姿
勢を目指すことにもなるのかもしれないし、
それは現状の中で生じている様々な対立や軋
轢を増大させるのではなく、それを巡って争
いながらもそこで絶えず交渉や取引への可能
性を模索することになるだろうし、対立や軋
轢を維持して停滞をもたらすのではなく、交
渉や取引によって状況を前進させて事態の進
展を促すことになるのではないか。現実には
それが容易でないから争っている勢力は互い
に対立や軋轢の中で自足しようとするのだろ
うし、そのような状態を煽ることで自分たち
の支持者を増やそうとするわけで、そうやっ
て集められた支持者たちは敵対する勢力と戦
って、極端な場合には争いの中で負傷したり
命を落とすことにもなるわけで、そうやって
戦闘で流された血の上に組織的な階層構造が
実現されると、それこそが軍隊そのものなの
かもしれず、軍隊の中では部下は上官の命令
には絶対に服従しなければならないだろうし、
そこでは交渉や取引の余地のない権力の行使
が日常の隅々に行き渡って常態化するわけだ。
人が集団で構成する組織の中で権力の行使が
どのような程度になるかは、その集団の置か
れた状況にもよるのだろうが、そこに交渉や
取引の余地があるほどより平和な状況が実現
していると言えるだろうか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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