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彼の声 2017.12.7 「社会システムと政治」

2017/12/07

 日常の生活の中で毎日の日課のごとく同じ
行為が繰り返されていると、そのような状態
を肯定的に捉えることができるようならその
日常は安定していると言えるだろうし、同じ
ことをやっているだけなら退屈かもしれない
が、それなりに同じ日課を繰り返し行なうこ
とができるだけでも安心するだろうし、それ
と同じように経済活動においても企業などの
集団で構成する組織的なシステムが噛み合っ
て、一定の動作が弛みなく行われてそこから
一定の利益が恒常的に生み出されていれば、
その企業の経営は安定していると言えるだろ
うし、それなりに健全な経営状態にあると言
えるのではないか。それはその企業で働いて
いる人たちの感覚としても安心感を覚えるだ
ろうし、安定した職場が確保されて安定した
報酬が得られている面では誰もが安心できる
わけだが、それでも企業の組織的なシステム
の中で不利な立場にある人には不満があるだ
ろうし、また企業内で主導権を握れていない
人もそれに関しては不満を抱いているのでは
ないか。そしてそういう不満を抱いている人
たちの中には有利な立場を目指したり主導権
を握るための画策を巡らせたり、それなりの
野望を抱く人が出てくるかもしれないし、そ
うした野望が企業内で何らかの争いを生じさ
せたりするのかもしれないが、一般的には各
自の組織的な役割分担の中で優秀な働きをし
た人はその功績が認められて、昇進して企業
内の地位が上がって主導権を握れる立場にな
ったり、報酬もそれだけ増えることになれば
満足するのだろうし、そうした不満に配慮し
たシステムも企業内ではそれなりに働いてい
るわけだが、そのような功績に応じて立場が
昇進していくシステム内でも、功績が認めら
れるか否かを巡って、自分の功績が認められ
ずに昇進できないと思っている人は不満を抱
くわけで、そういうところから昇進する人へ
の羨望がやっかみに転じて、職場内の人間関
係がおかしくなっていくことがあるわけで、
そのような昇進制度などの人事的なシステム
が合理的に設計されていても、その運用の面
で不合理な人の感情が介在してくるわけで、
企業自体の業績が好調で経営が安定している
中でも、その内部では何らかの不満が渦巻い
ている場合もあるわけで、それは集団で構成
する組織的な体制には付きものかもしれない
が、組織の中では地位や役割に応じて権限や
報酬に差をつけないと、指揮命令系統が正常
に動作しないのだろうし、何かあった時に責
任の所在もわからなくなってしまうわけで、
そのような組織的な構造が権力関係を生じさ
せて、立場上の不均衡と不平等が生まれてい
ることは確かなのだが、それが企業内で働く
人々に生じる不満の原因ともなり、システム
の構造上はそうなって当然な面があるのだろ
うし、そうやって不満が生じること自体はシ
ステム上の欠陥でも不具合でもないわけだか
ら、それを改めたり改善したりする機運は生
まれにくいだろうし、結局そこには必要不可
欠な権力関係がある一方で、そうした権力関
係が人々の間に不満や不和をもたらすと言え
るのではないか。

 システムが同じ動作を一定に保つには絶え
ず力を加え続ける必要があるのだろうし、力
を加え続けるには人と人の間に権力関係が必
要となり、絶えず立場の上の者から下の者へ
と力が加わる仕組みとなるのかもしれないし、
そこで立場の違いをはっきりさせるには役割
の上下関係とともに報酬にも差を持たせない
と、どちらの地位が上なのかがわからなくな
るわけで、報酬が高い人ほど組織内での地位
も高く、より重要な人物だという認識を組織
全体で共有する必要が出てくるのかもしれな
いが、実質的には組織全体が一つのシステム
として動作するわけだから、その中で誰の重
要度が高いか低いかはあまり関係がないのか
もしれず、中身の構成がどうなっていようと、
システムとして安定して動作していればいい
わけで、そのような地位や立場の上下関係や
報酬に差が出ること自体は、システムの動作
とは別の次元で認識されるべきことなのかも
しれないが、そこで生じている成り行きや歴
史的な経緯としては、そのような組織的な体
制が当然のことのように構成されてきたわけ
で、それは産業の発展とともに衰退してきた
旧体制下の身分制度を反映したものなのかも
しれないし、また絶対王政下で組織された官
僚体制に起因したものなのかもしれないが、
原理的にはそのような権力関係を伴った体制
が絶対に必要というわけでもなく、例えば管
理職より従業員の報酬の方が高くてもシステ
ムとして上手く動作するならそれで構わない
わけで、部分的にはそういう職場環境もある
のかもしれないが、また従業員の中から組織
の最高責任者が選ばれても構わないのかもし
れない。それに関して議会制や大統領制では、
原理的には無名の一般人が選挙によって代表
に選ばれても構わない制度となっているわけ
だが、慣習的な面から言えば社会の中でそれ
なりの名声を得た著名人の中から代表が選ば
れるような成り行きになってしまうわけで、
そこにはマスメディアを通して情報統制のよ
うな作用も働いているだろうし、原理的には
誰が代表に選ばれても構わないものの、実際
はメディア上の選別を通過した人の中から代
表が選ばれるような結果がもたらされてしま
うだろうし、その一方で企業内でも組織の中
での活動を通じて、その功績に応じて次第に
頭角を現してきた人が自然と周囲の人望を得
て代表になる場合もあるだろうが、実際には
政治的な権謀術策を用いて取締役会で多数派
工作に成功した人が主導権を握って代表に選
ばれたりして、システム的な動作とは別の政
治的な思惑が働いてしまう場合もあるわけだ。
そういうわけでそこで働いている制度などの
システム的な動作に加えて、またそれとは別
の、あるいはそれを利用した政治的な動作も
生じるわけで、それがその手のシステム論だ
けでは世の中で生じている物事をうまく説明
できない理由ともなっているのかもしれない
が、別に両者が全面的に対立しているわけで
はなく、相互に利用し合うような補完関係に
あると言える面もあるのかもしれず、片方の
政治的な面だけを強調して状況を説明しよう
とすると、場合によっては説明者に都合のい
いフィクションとなりかねないし、どちらか
といえばその方が面白いし魅力があるのかも
しれないが、政治小説などであればそれで構
わないのかもしれないのだが、その人にとっ
て面白かったり魅力的に感じられるところが
現状を恣意的に歪めていることになるのだろ
うか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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