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彼の声 2017.11.29 「民主主義の正当性」

2017/11/29

 人の活動は世界の中で常に環境を取り返し
のつかない状態に変形していて、それは現状
が過去の状態へは後戻りできないことを示し
ているのかもしれないが、すでにそうやって
人類自体が地球上で繁栄しているわけだから
後戻りする必要もないのだろうし、現状の上
に新たな出来事を積み重ねて現状を変革する
成り行きとなるのだろうが、意識して現状を
変革したい勢力は絶えず新たな既成事実を積
み重ねつつ現状を思い通りの環境へと作り変
えようとしているのかもしれないし、またそ
のようなやり方に反対して抵抗を試みている
勢力もあるわけだが、どちらにしてもその中
で組織的な活動を行なっている勢力は利益を
生み出すシステムを構築して、そのようなシ
ステムを世の中に定着させることで、状況を
自分たちの有利になるように制御したいわけ
で、世の中で様々なシステムが競合している
なら、そのようなシステムを構築して運用し
ている様々な勢力が競合状態にあると言える
だろうし、その中でも企業と行政機関が代表
的な勢力なのだろうが、中にはそれらの勢力
に食い込んで利益を上げようとしている勢力
もあるわけで、その代表例が政党とマスメデ
ィアなのかもしれず、政党は一般市民と行政
機関の間に入り込んでその橋渡し役を担いな
がらも、そこに根を張って勢力の拡大を図ろ
うとするわけで、またそれと同じように企業
と行政機関の間にも入り込んで中間マージン
をかすめ取ろうともしているわけだが、マス
メディアの方は組織形態としては企業そのも
のであり、活動は他の一般の企業と同じなの
かもしれないが、商売としては行政機関と一
般市民と政党と企業の間に入り込んでそれら
全てから情報を入手して、入手した情報をそ
れら全てに伝えることによって利益を得よう
とするわけで、要するに情報の売買によって
利益を得る情報の商人という形態であるわけ
だ。そしてそのように現状を捉えるなら何も
そこで政治と経済を区別する必要はなくなり、
その全ては経済活動によって成り立っていて、
政党などの政治活動もマスメディアの活動も
商売と捉えるなら、それらと他の商売が何か
異なることをやっているわけではないと認識
しても、それほど間違ってはいないように思
えるのだが、実際にはそれら全てを商売とし
て同一視できない面があることは確かで、例
えば行政機関から税金と引き換えにして何を
買っているのかというと、保険会社や警備会
社から身の安全を買っているのと同じだとは
言えない面があるだろうし、選挙で政党の候
補者に投票するのは自分の意見をその候補者
を通して国政に反映させるためだと思い込ん
でいる人がいるとしても、それが経済活動と
関係があるとは思えないだろうし、どちらに
しても商売とは別の何か重要な活動が担われ
ているように思われるのではないか。またマ
スメディアにしても商売とは別に、国民の知
る権利や報道の自由や批判の自由を守る活動
を担っているように思われるだろうし、だか
ら政府や議会の与党などに与するマスメディ
アはそれらの活動を怠っているように思われ
るから何かと批判されているのだろうし、そ
ういうところで全てが商売だとは片付けられ
ないから、行政や政党やマスメディアには何
か他の企業活動とは違う特別な感情や幻想を
抱いている人が多いわけだ。

 そういう面で政治活動と経済活動を分けて
認識することに違和感を覚えないとすれば、
政治活動には経済活動とは違う何か特別な価
値を見出せれば、それが政治活動を正当化す
る理由となるのかもしれないが、そうなると
結局経済活動にはない政治活動に特有の理念
を擁護することが、その理由として相応しく
思われてくるだろうし、それは何かと言えば
経済活動からは得られない民主主義の理念と
なるわけで、民主主義の理念とは法の下で国
民の平等を保障することにあるだろうか。そ
の法の下での平等という条件については、そ
れ以外の条件の下では平等が保障されなくて
も構わないと解釈できないことはないだろう
し、実際に経済活動から生じる貧富の格差な
どの経済的な不均衡が、法の下での平等を損
なっていると言えるなら、それを是正するの
が政治活動の役目となって、経済活動から生
じる貧富の格差の是正を目指す政治活動を正
当化できるのかもしれないが、果たしてそれ
だけが政治活動の役目なのだろうか。もちろ
んそれだけではないと思っている人がほとん
どだろうし、行政にまつわる様々なことが政
治活動の対象として想定されているわけだろ
うが、その中でも現状で力を入れているのが
民間の経済活動を活性化させることだろうし、
そうだとすると別に経済活動と政治活動を区
別する必要がなくなってきているとも思われ
るわけで、実際に政治活動に経済活動が結び
ついていることは確かであり、ただその中で
経済的な貧富の格差などの不均衡に対する国
民の不満を和らげるために、民主主義の理念
に基づいた政治活動も部分的には行われてい
ることを宣伝しなければならなくなるわけで、
結局そういう部分に関しては選挙向けの政治
宣伝に含まれるだろうし、そこだけを拡大解
釈するなら政治活動は民主主義の理念に基づ
いて行われるべきことになり、それは経済活
動とは分けて考えるべきことになるわけだが、
現実にそれだけではないことは誰もは承知し
ていることだろうし、経済に関する政策ばか
りがメディア上で取り上げられて、民主主義
の理念が軽視されている現状にそれほど違和
感を感じないのもそれを裏付けていて、どう
も政治と経済を分けて考えるのは無理に思わ
れてくるわけで、実際に政治と経済は一体化
したものであり、法の下での国民の平等を保
障する政治理念自体が経済活動の自由を保障
する制度から出てきたものなのではないか。
歴史的にはアンシャンレジームと呼ばれる身
分制に基づく社会では経済活動の自由が認め
られないから、資本主義経済の発展に支障を
きたすわけで、旧体制下で特権的な地位にあ
った王侯貴族や僧侶などの財産を奪って資本
主義経済に利用するには、身分制を取り払っ
てすべての国民が法の下での平等な地位であ
る方が有利だから、絶対王政下での産業発展
に伴って台頭してきた資本家たちが、これま
た絶対王政下で発達してきた行政機構の官僚
たちと結託して、市民革命を起こして国民国
家を作ったわけだが、その際に民衆の大多数
を占める平民を味方につけるための方便とし
て、民主主義的な理念が出てきた歴史的な経
緯があるわけで、そういう意味で必ずしも民
主主義的な政治理念に正当性があるとは言え
ない事情があることは踏まえておくべきかも
しれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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