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彼の声 2017.11.27 「民主主義を形骸化させる要素」

2017/11/27

 人が機械の動作に拘束されながら活動する
ことと、人自身が何らかのシステムに組み込
まれて動作することが、同じ次元で起こって
いるとは思えないのは、機械が道具の延長上
で人の主体的な活動を助けると思われるから
だろうか。その一方で人を組み込んだシステ
ムである社会的な体制内で拘束感を伴った不
快な気持ちになるのは、その内部で自由を奪
われて囚われの身となっているように思われ
るからかもしれないが、例えば何らかの機械
設備を伴った施設の中で機械を使って作業し
ている時は、人が体制的なシステムに組み込
まれてさらに機械とともに動作していること
になるわけだから、より一層の拘束感を伴っ
て囚われの身になっていることになるのかも
しれないが、実際にはそれほど不快には思わ
れないのかもしれず、それは機械の操作に心
を奪われていて拘束感を感じる余裕すらない
からだろうか。そこで作業に集中している間
はやはり機械が人の主体的な活動を助けてい
るように思われるだろうし、機械を操作して
いる間は体制内で心身を拘束されるような不
自由さを忘れることができるのかもしれない。
そして機械ではなく人から直接指図されるよ
うな時に嫌な抵抗感を抱くのは、人の意識の
中では機械と人とを区別していて、同じ指示
を機械からの動作として受け取れば大した抵
抗感もなくその通りに従う場合があっても、
それが人からの指図になると抵抗感や場合に
よっては反発してしまうのは、機械があらか
じめ組み込まれた動作しかしないから、それ
に抵抗や反発しても無駄だとわかっているか
らで、一方で人が発する指示は権力関係を含
んでいて、指示を出す側が指示を受け取る側
よりは立場が上であることを暗黙に意識する
わけだ。そうなると対等の立場ではなくなり、
指示されている自分が指示する相手より下に
見られているようで不快になってくるわけで、
そのような不快な感情やそれに反発する心が
人が組み込まれたシステムが上手く動作しな
い要因となるのではないか。そういうことを
考慮すればなるべく人が人に向かって命令を
下さないシステムにした方がより効率的に動
作するように思われるわけで、そういう傾向
を突き詰めて考えると、例えば人をシステム
から完全に排除すれば何が出来上がるのかと
いえば、それが機械そのものであることは言
うまでもなく、人を排除してシステムの全て
の工程で機械を導入できれば、人が人に命令
して反発を招くような非効率な面を取り除け
るのかもしれないが、あとはコストの問題で
あり、機械を導入するよりは人を使った方が
低コストなら人を使う選択肢も出てくるだろ
うし、そういう場合はシステムに組み込まれ
た人をなるべく不快にさせないような工夫が
求められるのかもしれないが、それもコスト
や効率性と天秤にかけながら行うことになる
だろうから、いちいち作業員のご機嫌伺いを
しながら作業を進めるような余裕のないとこ
ろでは、当然そんなところまでは考慮されな
いだろうし、結局は機械化するにしても人を
雇うにしても、そこでシステムが上手く回っ
ていける範囲内で様々なことが考慮されるわ
けで、システムに組み込まれた人の心理的あ
るいは身体的な環境をどの程度まで考慮に入
れるかは、その場の経済的な状況次第になる
のではないか。

 人が抵抗感や不快感を抱く組織内での権力
関係は、その不平等で不均衡な身分や地位の
上下関係とともにそこで動作しているシステ
ムを歪ませる作用もあるのかもしれず、どの
ように歪ませるかに関しては人の抵抗感や不
快感を取り除く方向で歪ませようとすれば、
それは不均衡な権力関係を軽減させるように
工夫することになるのだろうが、それが競合
している他のシステムよりも非効率であれば
システムそのものが衰退してしまうだろうし、
またシステムの効率性と機械化が一致すれば
人手をなるべくかけないような自動化された
システムになるのではないか。そしてそれが
経済的な産業システムならそれによって利益
が出るか出ないかでそのようなシステムが存
続するか衰退するかが決まってしまうのかも
しれないが、一方でそれが人手を過剰にかけ
た議会制民主主義などの政治システムとなる
と、たとえ非効率で無駄な経費ばかりかかる
としても、民主主義的な政治理念を守るため
にはやめられないと誰もが思うところかもし
れないが、基本的に民主主義的な政治システ
ムは金銭的な利益を得るためのシステムでは
なく、不均衡な権力関係をできるだけ軽減さ
せようとするためのシステムなのだろうし、
そのために法の下での国民の平等な立場を保
証しているはずなのだろうが、たぶんそれが
金を多く稼いだ人が大きな顔をできる経済的
な自由主義の論理とは合わないわけで、逆に
そういう人たちに権力が集中するのを防ぐた
めの方便が、法の下での国民の平等な立場を
保証するという民主主義の理念であるわけだ
から、そのような政治システムが経済的には
非効率であることは当然なのかもしれないが、
放っておけば経済的な自由主義の論理の方が
優勢となることは、資本主義経済の中では自
然な成り行きであり、民主主義的な政治理念
を守り抜くにはそういう自然な成り行きに逆
らうしかないのかもしれず、そのような抵抗
姿勢には一見無理があるように思われるわけ
だ。そしてさらにもう一方に官僚機構などの
行政システムもあるわけで、そこでは民主主
義的な政治システムとは不均衡な権力関係を
維持する上で対立していて、また資本主義的
な経済システムとは非効率な行政システムを
維持する上で対立しているはずなのだろうが、
その辺の対立具合が政治システムと経済シス
テムとでは微妙に力を作用させる点が異なる
のかもしれず、まずは官僚機構の利益を図る
上では民主主義の理念などさほど重要視して
いないわけだから、他の西欧諸国と付き合う
上で対外的にはそうでもないかもしれないが、
国内的には法の下での国民の平等など保証さ
れていなくても構わないのだろうし、そうい
うところでは民主主義的な政治理念の形骸化
に拍車をかけるような作用を及ぼすだろうし、
一方で経済システムの効率化の面では、民間
の企業が利益を出すような政策ならそれだけ
税収が増えるから推進したいのだろうが、行
政システムの効率化となると、効率化して予
算を削減するような試みには自分たちの力が
削がれることになるから抵抗するだろうし、
そういうところで推進と抵抗が相半ばするよ
うな状況となるのかもしれず、その辺のどっ
ちつかずの対応が競合する政治システムと経
済システムと行政システムとの間でうまく噛
み合わない原因となっているのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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