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彼の声

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彼の声 2017.11.25 「保守とリベラルの循環」

2017/11/25

 人の主体的な意志とは無関係に動作してい
る社会的なシステムの中では、人が従わざる
を得ないような作用が働いていて、それが多
くの人の行動や言動に同じような傾向を示す
結果をもたらすわけで、それが社会規範と呼
ばれようと共同体の中で共有される価値観と
呼ばれようと、人の行動や言動を無意識の次
元で縛っているものには違いなく、アプリオ
リに正しいと思われてしまうからそうぜざる
を得なくなるわけで、そうすることが自然に
感じられて改めて考える余裕を与えられない
ままそうしてしまうから、後から他の人に社
会的な合理性に照らし合わせてそのような行
動や言動が間違っていると批判されてしまう
と、それに対しては反発や反感の感情しか湧
いてこないわけで、それを単純化すれば社会
的な合理性に照らして他人の行動や言動を批
判するのがリベラルな態度であり、またその
ような態度に反発や反感を抱くのが保守的な
態度であるわけだが、すでに保守的な人は日
常的に保守的な社会規範や価値観に従って活
動している現実があるわけで、しかも多くの
場合はそれを自覚していないわけだから、極
めて自然な感覚から普通にそうしていること
を批判されてしまうと、それに対する反発や
反感もよりいっそう強まるわけで、そのよう
なところから保守とリベラルの間で対立や軋
轢が激化しまうわけだが、リベラル的な思考
が準拠する社会的な合理性というのは、単純
に社会規範や共同体の価値観から外れた行動
や言動をする人を認めるというよりは、その
ような人も含めて新たな社会規範や共同体の
価値観を作ろうとすることにあるわけで、従
来からある社会規範や価値観では現状に対応
できなくなってきたからそのような態度が生
じるのであり、そういう意味で社会的な合理
性というのは現状の追認に基づいているわけ
だ。だからリベラル勢力が新たに社会規範や
共同体の価値観を作ることに成功すれば、今
度はそれを守ることが新たな保守思想へとつ
ながってゆき、結局保守というのは現状の中
で社会的な合理性に照らして正しいと思われ
る社会規範や共同体の価値観を守ろうとする
態度であることには変わりなく、社会が同質
な規範や価値観で安定している状況であるな
らば、保守もリベラルも同じとなってしまう
のかもしれないが、進歩的な知識人や前衛的
な芸術家などが絶えず新しい行動や言動の様
式を模索している場合があるだろうし、また
産業技術の発達がこれまでにない人の生活様
式をもたらすかもしれないし、そのような活
動が従来からある社会規範や価値観を打ち破
った時に、それを認めるか否かでやはり保守
とリベラルの対立が再燃する可能性もなきに
しもあらずだろうから、そのような対立は絶
えず更新される宿命にあると言えるのかもし
れず、人がそれと自覚することなく従ってい
る社会規範や共同体の価値観から生じる対立
というのは、社会が変動している限りは避け
難いものであり、そのような変動と共に社会
的な合理性というのも変わっていくのだから、
保守的な態度やリベラル的な思考もそれに合
わせて変化していくものなのかもしれない。

 一般的に言うなら保守にしろリベラルにし
ろ人は絶えず自らの活動を正当化したがるの
であり、また他人の活動が自分の活動と合わ
なければ他人の活動を批判したがる傾向にも
あるわけで、そのような傾向から社会的な合
理性を求めるなら、他人の活動と自分の活動
との間で整合性を得るにはどうしたらいいか
という課題が浮かび上がってくるわけで、そ
うなると無用な対立や軋轢はなるべく回避す
るような模索が必要となってくるのであり、
そのためにはお互いの活動について認め合え
る部分については認めた方が得策だという判
断が生じてくるだろうし、またお互いの活動
がぶつかり合う部分については互いに譲歩で
きる部分については譲歩した方が得策だとい
う判断も生じてくるだろうし、そうであるな
らそのような部分を探り合う上でも交渉する
ような成り行きになるのではないか。そして
交渉して妥協できる点が見つかれば妥協して、
お互いの活動に一定の制限を設けてそれで手
打ちとなれば無用な戦いを避けることができ
るわけだが、そのような成り行きに至るケー
スがあるとしてもその途中で様々な紆余曲折
を経た上でのことだろうし、現に社会が変化
している途上にあるとすれば、今はその途上
で発生している様々な紆余曲折を現に体験し
ている最中だとも言えるわけで、その中には
国家的宗教的民族的な対立や軋轢もあるだろ
うし、場合によっては凄惨なテロや内戦が繰
り返されている最中の地域もあるだろうし、
それほど極端な事態ではないにしても地域的
にも社会的にも何らかの争いが起こっている
のが普通の状況なのではないか。そしてそこ
で対立を煽り立てて争いを拡大させるよりは、
無用な対立や軋轢を回避してできるだけ争わ
ないようにした方が、争った場合に生じる被
害をなくすことができるわけで、そうした方
が社会的な合理性に照らして正しいと思われ
るなら、そういう方向での模索が世の中の主
流となってくるだろうし、現に極端に暴力的
な争いに明け暮れている地域よりは、比較的
平和な状態で推移している地域が多い現状が
あるとすれば、実際に人が大量に殺傷されて
建造物や施設が破壊されるような物質的な被
害が出ないような方向で事態の収拾を図るこ
とが世の中の主流となってきているのかもし
れないが、メディアから伝わってくる情報で
はまだ世界各地でテロや内戦によって多数の
死傷者が出ている状況が毎日のように伝えら
れている現状があるわけだから、客観的にど
のような傾向となっているのかはよくわから
ないわけだが、少なくとも身の回りで何も争
いが起こっていないわけではないだろうし、
実際に争いの渦中にいれば争いを避けること
がいかに難しいかを身にしみて実感させられ
るのではないか。だから争いは可能な限り避
けた方がいいとは思うにしても、場合によっ
ては避けられない争いにも直面してしまうわ
けだから、その場で社会的な合理性に照らし
て身の振り方を考えるような余裕など与えら
れないかもしれないし、その場の成り行きに
従うしかない時もあるのかもしれず、現にそ
うした方が結果的にうまくいく場合もあるわ
けだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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