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彼の声 2017.11.22 「システムへの依存」

2017/11/22

 世の中で動作している様々なシステムはそ
れぞれで機能も方向性も強度も性質も異なる
から、今のところは一つのシステムに統合さ
れる兆候はないわけだが、今後も複数のシス
テムが同時並行的に動作する状態が続いてく
としたら、システム同士で互いに影響を及ぼ
し合って関係し合い、相互に複雑に絡み合っ
て錯綜するような状況となるだろうし、他で
もなくそれが現状そのものであるのかもしれ
ず、そうであるからこそ現状が現状である所
以なのかもしれないし、それを肯定すれば現
状維持に加担していることになるのかもしれ
ないが、では世の中ではシステム以外に何が
あるのかといえば、システムの動作に抵抗す
る活動があるのだろうし、絶えずシステムか
ら抜け出ようとする意志が人の意識の中で生
じているのではないか。それはシステムの動
作に依存しつつもそこから抜け出したいとい
う相反する感情が同時に発生しているわけだ
ろうが、そこから抜け出したいと思うのはシ
ステムの束縛から脱して自由にやりたいとい
う主体性の発露だろうし、その一方でシステ
ムの動作に依存しているのはそこから利益を
得ている現実がそうさせているわけで、結局
システムの動作に抵抗しつつも依存している
という状態は妥協の産物なのであり、絶えず
システムとの間で葛藤が生じていて、システ
ムに隙があればその隙を突いてシステム内で
自らが自由に振る舞える領分を増やそうと画
策するわけで、そのために場合よってはシス
テムを管理する事業主体などと交渉を持ちた
いのだろうし、そういったところからシステ
ムに関わっている集団内で権力争いや勢力争
いや派閥争いなどが生じるのではないか。だ
がそうなるとシステムから抜け出そうとする
のではなく、システム内で自らの力を強める
方向での画策が生じるわけで、そのような画
策が成功するとシステム内で特定の人物や勢
力や派閥などに優先的に利益がもたらされる
ことになり、結果的にシステム自体に歪みが
生じてしまうわけだが、それは人が組み込ま
れたシステムである体制の変動要因となり、
システム内で主導権争いが続いている時期と
争いが収まって力関係の秩序ができあがって
安定する時期と両方の場合があるわけだろう
が、どちらの場合でもシステムが変動したり
崩壊する危険性はあるわけで、一般的には争
いが続いている時期の方が争っている各勢力
に活力がみなぎっている場合が多いのだろう
し、逆に安定してしまった後は活力がなくな
ってシステム自体が長期的に衰退傾向となっ
てしまうのかもしれず、安定している方がシ
ステム自体も長続きはするのだろうが、その
システムに拘束されてシステム内で不利な立
場にある人にとっては、希望のない苦悩の日
日が長く続いていくわけで、やはりそうなれ
ばシステムから抜け出て自由になりたいとい
う思いが強まるのかもしれず、そういうとこ
ろもシステムによって生じる弊害と言えるの
かもしれないが、システムに人が組み込まれ
ているということ自体が、その中で組織的な
権力関係が否応なく生じてくることを意味し
ているのだろうし、権力関係は当然のことな
がら関係する各人に力の不均衡を生じさせる
わけで、そこでは必ず犠牲を強いられる人が
出てくると言えるだろうか。

 資本主義経済の中ではその担い手である企
業自体が商品とともに利益を生み出すシステ
ムであるのだから、どのような立場で企業に
関わるとしても当然のことながらそのシステ
ムに組み込まれてしまうだろうし、消費者ま
で含めれば企業に関わらずに暮らしている人
などほとんどいないわけで、システムから抜
け出ようとする思い自体が不可能を目指して
いるとも言えるわけだが、それでも各人は全
面的に一つのシステムに依存しているわけで
はなく、複数の様々なシステムを利用してい
る限りで、その依存度も相対的に軽減するだ
ろうし、その中でどのようなシステムにも軽
く関わっている程度であれば、そこから相対
的には自由を実感できるのかもしれないし、
複数のシステムに軽く関わっているにしても
全面的には依存しないという関係を維持でき
れば、システムへの依存から生じる弊害もそ
れほど深刻にはならない程度で済ますことが
できるかもしれない。そうであるならシステ
ムからの全面的な脱却を目指すのではなく、
必要とするシステムを複数持つことによって
相対的な自由を確保するような戦略も有効と
なってくるのではないか。またそうすること
によって一つのシステム内での権力争いにも
それほどこだわらなくてもよくなるし、その
ような複数のシステムを掛け持ちする人が多
くなるほど権力争い自体もそれほど激しく行
われることもなくなり、一つのシステム内で
強大な権力を手に入れようとする野望も影を
ひそめるようになるかもしれないし、その手
の独裁体制にもそれほど魅力があるとは思え
なくなるのではないか。そういうことから考
えられるのは、権力を分散させるにはなるべ
く各人が複数のシステムを掛け持ちするよう
に努めるべきなのかもしれず、そうやって一
つのシステムへのこだわりを減じることがで
きればシステムに関わっている人の自由もそ
れだけ大きくなり、システム内で犠牲を強い
られる人も相対的に少なくなるかもしれない
のだが、そうであるとしても資本主義経済の
中では金銭的な利益が優先されるわけで、収
入を得られる先が一つであれば、当然そこが
何よりも優先されて重要度も増すわけで、そ
んなふうに一つの企業から収入を得ている人
がほとんどな状況下では、実質的にその働き
先の企業のシステムに全面的に依存している
ことになってしまい、場合によってはその企
業がその人の生殺与奪権を握っていることに
もなってしまうわけだが、例えばベーシック
インカムが実現すれば、行政機構が支給する
最低限の生活を保障する金銭が企業への全面
的な依存を軽減することにもなるのかもしれ
ないが、やはりそれも相対的な効果なのかも
しれず、普通に考えれば収入を依存している
企業をやめても、新たな働き口を見つけられ
ればそこから収入を得られるわけで、企業の
方でも労働力を必要としている限りはある程
度の人員を雇わなければやっていけないし、
またその企業が手がける商品を買ってくれる
顧客や消費者がいなければ事業が続かずに倒
産してしまうわけだから、一つのシステムだ
けで自立できるような仕組みにはなっていな
いわけで、そうやって企業自体も他のシステ
ムに依存している面があり、結局は複数のシ
ステムが互いに依存し合っている状況がある
限りにおいて、一つのシステムに対する全面
的な依存状態は起こらないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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