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彼の声 2017.11.14 「成否を問わないシステム」

2017/11/14

 結局世の中で恒常不変なシステムはなく、
それを定まったものだとみなしてしまうと、
その時間的あるいは場所的な変化に気づけな
くなってしまい、そのような認識には虚構の
割合が多くなる。だがシステムはそれが何で
あれ一定の動作を繰り返し行えるような仕組
みを目指していて、そこから恒常的に利益を
得られるようにしたいわけだ。そのために必
要なのが一定の動作を繰り返し行える機械で
あり、機械を駆動させて同じ製品やサービス
を市場に供給して恒常的な売り上げと利益を
引き出したいのだろうが、実際には製品もサ
ービスも世の中の変化するニーズに応えて絶
えず変化しているわけで、それに合わせてシ
ステムも絶えず調整を迫られるわけだ。そし
て何がそのような変化をもたらしているのか
といえば、それは移ろいやすい天候と同じで
偶然の巡り合わせとしかいえない面があるの
だろうし、その変化の中に一定の規則性を発
見できれば、それに対応した戦略も立てられ
るのかもしれず、そうやって何らかの成功を
収めたシステムもあるのかもしれないが、そ
の一方でうまくいかずに衰退したシステムも
あるのではないか。また多方面から信頼され
るシステムを築くには多方面から意見を聞い
てその意見を取り入れたシステムにしなけれ
ばいけないし、相反する意見が続出して利害
の対立を解消できなければ交渉して妥協を図
る以外にはあり得ないだろうし、そうやって
何とか一定の合意を取り付けたところで、事
情が変わればまた意見の違いや対立が再燃し
てくるかもしれないし、システムを構築して
維持するには終わりのない構築作業とメンテ
ナンス作業と各方面の利害調整が同時並行的
に繰り返されるしかなく、それが続かなくな
ってきたら瓦解の危機に直面するしかないの
かもしれない。だからそこで何らかのシステ
ムが稼働しているとすれば、そこでは制度的
な安定よりは過渡的な流動状態の中にあると
言えるのかもしれず、機械を駆動させて製品
やサービスを供給している一方で、そのよう
なシステムを維持するために多大な労力や経
費がかかっているのだろうし、物や情報やサ
ービスなどの生産や提供よりはそちらの方に
より多くの人的資源を必要としているから、
産業人口の構成も生産に携わるよりも非生産
的な労働者人口の方が圧倒的に多いのかもし
れないし、ロボットやAIなどの産業技術が
メディア上で脚光を浴びていることは事実だ
が、今のところはコスト的にも作業的にもま
だまだ人手に頼っている実態があるのだろう
し、そもそも人が労働して生活の糧を得ると
いう資本主義的な産業システムが変わらない
限りは、人が労働から解放されることはあり
えないのはもちろんのこと、ロボットやAI
などの産業技術によって仕事を奪われた人が
どうやって生きてゆけばいいのかという問題
も未解決のままなのかもしれない。

 人が存在する限りは人の活動を前提とした
システムが組まれるだろうし、人がそのシス
テムの中に組み込まれて何らかの役割を果た
すことにはなるのだろうが、たぶんそのシス
テムが上手く稼働しなくても、絶えずそんな
システムを構築しようとする過渡的な状態の
中で人も集団も活動することになるだろうし、
そのような過程の中で人材も資源も消費され
るような成り行きを維持できる限りで、人も
集団も何かやっているような体裁を保ってい
られるのであり、それが政治システム流動的
な捉えどころのなさを示しているのかもしれ
ないが、そのような状態が絶えず内外からの
批判にさらされているとしても、そんなうま
くいっていない状態を延々と維持できる状況
があるわけで、それはある意味ではシステム
とは言えない面もあるのかもしれないが、例
えばそこから利益を得ている政党や官僚機構
があるとすれば、やはりそれはある種のシス
テムと言えるのかもしれないし、うまくいっ
ていない状態を延々と保つような政治システ
ムの中で人の理性や良識に訴えかける人や集
団を疲労困憊させることで、政治的な実権を
握っていることから生じる相対的な優位性を
維持するやり方というのが、利権を共有する
談合体制の中で自然と編み出されてきたと言
えるだろうか。そんな中で体制に与するメデ
ィアが用いるやり方としては、常に批判をそ
らすために物事の本質から外れたところにキ
ャッチフレーズのような論理の単純化を提示
して煙に巻き、批判そのものがうやむやにさ
れてしまうわけだが、そんなうまくいかない
ことを逆用する政治システムというのが政治
的な主導権を維持する上で有効に機能するの
だとすると、案外システムというのはうまく
いってもいかなくてもどちらでも構わないよ
うな性質があるのかもしれず、普通はそんな
ものはシステムとは言わないのかもしれない
が、ともかく何らかの状態を長引かせるには
必ずしも物事がうまくいく必要はなく、うま
くやろうとするとかえって無理が生じて体制
の崩壊が早まってしまい、要するにうまくい
くためには実力を超える力を出さなければな
らないのなら、そんな大それたことには挑戦
しないで、分相応にうまくいかない状態を維
持するような戦略に方針転換していけばいい
わけで、うまくいかないなりにもそれなりに
現状を維持している部分に関してはうまくい
っているように見せかけながら誇大宣伝に徹
していればいいわけで、しかもそれが見え透
いた嘘やごまかしであっても、批判を受け流
せるだけの談合勢力を保っていればいいのだ
ろうし、ではなぜそんなうまくいかないシス
テムでも長続きするのかといえば、それが世
の中で稼働しているシステムの全てではない
からで、社会が部分的なシステムの総体から
構成されているのなら、その中でも他のうま
くいっているシステムに支えられながら維持
されているシステムというのも存在できるの
かもしれず、それが過渡的な状態の中で束の
間の安定を保っているように見えるのではな
いか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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