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彼の声

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彼の声 2017.11.9 「情報革命の副産物」

2017/11/09

 近代的な国家は資本主義とともに成立した
わけで、また資本主義は産業革命とともに発
展してきたわけだから、産業革命が資本主義
とともに近代的な国家体制をもたらしたとも
言えるわけで、近代的な国家体制の枠組みは
産業革命に対応することによって成り立つよ
うになったと言えるのではないか。そういう
意味で近代的な国家は資本主義経済に依存し
ながら成り立っているとともに、産業革命が
もたらした産業システムにも依存していて、
近代的な様々な産業を守り維持する限りで国
家としての体裁を保っていると言えるだろう
か。具体的には産業が税収をもたらして行政
府の財源を確保しているわけだが、産業を支
えている企業はできる限り租税回避を目指し
ているわけで、それは国家の中で主導権を握
っている富裕層などについても言えることで
あり、国家には国家財源は必要なのに国家の
中で主導権を握っている企業や富裕層はでき
る限り税の徴収を逃れたいわけで、何かそこ
に近代国家が抱えている矛盾や不条理が浮か
び上がってくるのだが、企業や富裕層が国家
の中で主導権を握っている限りで、それらは
国家の中で優遇されているわけだろうし、そ
うなると制度的にも出来るだけ税負担を軽減
するような傾向になるのではないか。そんな
矛盾や不条理を回避すべく編み出された苦肉
の策が普通選挙なのだろうし、国家の中で多
数派を占める富裕層以外の人々が団結すれば
選挙によって自分たちの意向が反映できるよ
うな政治勢力が実権を握ることができるわけ
で、そうなれば企業や富裕層にそれなりの額
の税を課して、それを財源として富裕層以外
の人々の生活の向上に役立てることができる
わけだ。実際にそういう建前がそれなりに実
質的に機能していた時期もあったのだろうし、
それが持続的な経済成長をもたらしていた時
期に重なるのではないか。そして何らかの事
情によって経済成長が鈍化するとともに情報
革命が起こり、産業システムも以前とは様変
わりして、まずは労働者が団結する場がなく
なってきたのだろうし、それは何よりも工場
で働く労働者の割合が減ってきたことが原因
の一つとしてあるのではないか。工場などで
大勢で一箇所に集まって働いていれば、毎日
多くの労働者が同じ屋根の下で直接顔を突き
合わせているわけだから、何かとコミュニケ
ーションをとる機会も団結する機会も増える
だろうし、そういうところでは労働組合など
も積極的に活動できるような環境となってい
たのかもしれないが、情報革命以後はネット
を通じて連絡を取り合えるわけだから、労働
者が大勢で一箇所に集まらなくても仕事がで
きるようになり、仕事場が分散する傾向にな
ってきたのかもしれず、またサービス業など
の第三次産業の労働者人口の割合が一層高く
なるとともに、工場労働者などの割合がより
一層低下してきた事情もありそうで、それと
ともに労働組合の活動も下火となって労働者
が団結する機会がどんどん減ってきてしまっ
たのではないか。

 そして産業の発展とともに企業そのものが
大企業化して、大企業の正社員はどちらかと
いえば高額所得者であり、富裕層の味方であ
り自らも富裕層に属しているのかもしれない
し、またメディアでも大手の新聞社やテレビ
局は大企業であり、当然そこの正社員は高額
所得者であるだろうし、やはりそうなるとど
ちらかといえば富裕層の味方なのだろうし、
メディア自体が富裕層や大企業の味方となる
しかなく、そうなるとその他大勢を占める富
裕層以外の人たちは富裕層の味方であるメデ
ィアからの情報に日々接してその影響を受け
るわけで、さらに公務員の中でも官僚と呼ば
れる政府内で主導権を握っている上級の管理
職ともなれば、やはりどちらかといえば高額
所得者なのだろうし、そうした人たちが政治
家とタッグを組んでお互いの利害を一致させ
れば、いくらそれ以外の一般市民が多数派を
占めているとも言っても、団結できなければ
それらの人たちには太刀打ちできなくなって
しまうのではないか。そうした状況の中で人
人の間で貧富の格差が広がってきたことが誰
の目にもはっきりしてきたのかもしれないし、
産業革命とともに出現した近代国家体制も至
る所でほころびが見え始めてきたわけだろう
し、そに伴ってもはや以前のような労働者の
団結などは二度と起こらない事態となってき
たのではないか。またこれは産業革命以来の
伝統なのかもしれないが、下層労働者は普通
の労働者とは団結せずにむしろそれらの人々
を憎んでいて、その反動で富裕層や行政機関
や体制側に属する保守政党などの手下として
動こうとする傾向にあるわけで、それがルン
ペンプロレタリアートとかモッブとか言われ
る群衆であり、それが近年ではネトウヨとい
う言葉で呼ばれることが多くなってきたわけ
だが、それらが若者層を中心として活発化し
て組織的に政府に批判的な人たちをデマや中
傷などによって陥れようとしているわけで、
それらの人たちが活動する場として格好のア
イテムがネットメディアであり、それが一部
では極右的な主義主張を世の中に流行らせよ
うとする思惑とともに、盛んにヘイト的なパ
フォーマンスや政治的に偏向した煽動と宣伝
を繰り広げる事態ともなっているわけだが、
そういう動きが目立ってきたことも情報革命
がもたらした副産物なのかもしれず、その中
で主張されている内容は商品宣伝にも特有の
単純な売り文句に飛びつくような大衆心理を
逆手にとっているわけで、商品の宣伝で活用
される売り文句がその商品の単純な利点を強
調することであるのとは対照的に、偏向した
政治宣伝で活用されるのは攻撃対象への単純
化された否定の強調であり、しかもそれが世
の中の保守的な慣習に根ざしていて、必ずそ
こではそれへの違反行為が喧伝されることに
なるわけで、具体的には政府を批判すること
が国を侮辱したことに単純化されるのだろう
し、また政府を批判した政治家に不倫疑惑が
取りざたされたら公の場で配偶者や世間に謝
罪しろということになるのだろうし、そこで
不倫を認めて謝罪しなければ禊が済んでいな
いという論理まで出てくるし、何か些細な攻
撃材料が出てくる度にそこを集中的に強調し
てメディアで取り上げ、そうやって批判勢力
を黙らせようとする行為が横行しているわけ
だが、それがことごく体制側への批判をうや
むやにしてかわす手段に使われている実態が
あり、そうやって批判が無効化したら従来か
らある民主主義の建前も無効化されるかどう
かはよくわからないところだが、もともと近
代的な国家体制には矛盾や不条理があるわけ
だから、それは今に始まったわけでもないの
だろうが、やはり今後何らかの変革が必要と
されているところなのだろうか。 

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創刊日:2001-03-26  
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