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彼の声

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彼の声 2017.11.8 「情報革命の実態」

2017/11/08

 産業革命以前に存在した機械としては川の
流れを利用した粉挽き用の水車とか風を利用
した風車とかがあったわけだろうが、現代に
おいてそれを応用した機械として水力発電や
風力発電があるわけで、昔とは用途は違うも
のの原理的にはそれらにはある種の連続性が
あるのだろうが、産業革命時には蒸気機関が
突然のことのように発明されて、それが紡績
機などから蒸気機関車や蒸気船などに応用が
進み、そこからさらに石油などの燃料を燃や
して駆動する内燃機関へと発展していった経
緯があるのだろうし、またそれと並行して電
磁気力などを応用した電気モーターなども出
てきて、さらに20世紀に入ると核エネルギ
ーの利用にまで行き着いたわけだが、そのよ
うな科学技術を応用した様々な機械と、それ
と同じく科学技術の一分野である半導体工学
を応用したコンピューターなどの電子機器と
の間に違いがあるとしたらそれは何なのだろ
うか。20世紀末に起こった情報革命におい
てまず世の中の注目を浴びたのは個人が使え
るコンピューターであるパーソナルコンピュ
ーターの出現だろうし、当初においてそれは
科学技術者がプログラミングによって複雑な
計算や情報処理などを行う目的があったわけ
だが、PCとして一般の消費者が使うように
なった時、それは絵を描いたり文章を記した
り写真をプリントしたりと、日常の文房具や
事務用品と同じ用途で使われ出したわけで、
さらにパソコン通信などを経てインターネッ
トが世界的に普及しだすとコミュニケーショ
ンの道具となり、メディアとして機能し出し
て双方的な情報のやり取りをするようになる
と、今度はそのような機能に特化して携帯電
話から進化したスマートフォンが登場したわ
けだが、人が心を奪われているのはまずはそ
の機械そのものではなくメディア機能だろう
し、それを利用して個人が何かできるような
幻想を抱かせるわけで、それまでの大衆向け
に販売されてきた洗濯機や冷蔵庫やテレビな
どの家電や自動車などのように特定の用途で
はなく、一応は様々な用途に使い道があるこ
とは確かだろうが、その使い方が個人個人で
異なっていても構わないような機械なのかも
しれないが、それでもやはり何か利用者を一
定の方向へと導くような作用があるのだろう
し、その自由への幻想を抱かせつつも、実際
のところはメディア経由で個人をコントロー
ルするような作用があるのかもしれず、その
辺で疑いを抱かざるを得ない部分があるわけ
で、それは新聞や雑誌や映画やラジオからテ
レビへとメディアの主流が移って行った時に、
それが進化だと思われていたのが実はある部
分では感性の退化でしかなかったのと同じよ
うに、今後テレビからネットへとメディアの
主流が移っていくとしても、同じことが言わ
れるのかもしれないが、それぞれのメディア
が直線的な進化関係を表しているわけでもな
く、メディアによってまたそのメディア媒体
の中でも様々な方向性があることは確かだろ
うから、一概には進化とか退化では表現でき
ないにしても、何か悪貨が良貨を駆逐するよ
うな事態が待ち受けている可能性が常にある
ことは確かなのではないか。

 PCには単なる通信端末以外の使い道がい
くらでもあるだろうし、またスマートフォン
にしても使い方次第では同じことが言えるの
かもしれないが、機械そのものは定期的にハ
ードウェアの性能が上がる度にソフトウェア
も更新された新製品が発売されて、その度に
買い替え需要が起こることが繰り返されてい
て、果たしてどこまでハードウェアの性能が
上がるのかはよくわからないところで、また
性能の向上も宣伝されているほどでもなく、
実態としては微々たる向上でしかないのかも
しれないが、他にスマートフォンだとブラン
ドイメージが先行している面もあって、何か
デザインの良さにつられて買っているような
人も中にはいるのかもしれず、そういうとこ
ろで価格も用途も異なるが自動車と同じよう
な傾向があるのだろうし、それらの電子機器
が売れることについては合理的な理由がある
とは言えない面もあって、要するに世の中の
流行に消費者が惑わされていると言ってしま
えばその通りなのかもしれないが、どちらに
しても買い替え需要が起こる度に特定のグロ
ーバル企業に多額の利益がもたらされている
状況に変わりないようで、まだ当分はそんな
状況が続いていくのかもしれないが、そのよ
うな事態が生じていることからしても、すで
に情報革命が一段落してしまって、そこでは
企業間競争のけりがついてしまっているわけ
で、少なくともPCやスマートフォンの販売
に関してはそれ以上の発展はないのかもしれ
ず、その使い道にしても新たな使い道が見つ
かるとは思えないし、さらにそれらの通信端
末を介して利用するネットメディアについて
も、新しいコンテンツを携えて新規参入して
くる業者が出なければすでに飽和状態に達し
ているのだろうし、そういう意味でも情報革
命自体が沈静化してきていると言えるのでは
ないか。結局そのような革命ともいわれる現
象が何をもたらしたのかといえば、人々が何
か自由に物が言えることを期待してインター
ネットに飛びついたのだろうが、普及しだし
た途端にグローバル企業による囲い込みが始
まって、ネットコンテンツを巡って広告収入
などの利益の争奪戦も始まり、気づいてみた
ら勝者によるメディアを介しての情報の管理
とコントロールが蔓延しだして、特定の政治
勢力による不快な宣伝や煽動が跋扈するよう
な様相も呈してきて、そういう否定的な面ば
かりに注目すればその通りなのかもしれない
が、少なくともインターネットがなかった頃
に比べると段違いの開放感があるだろうし、
それによって他のメディアの権威も地に落ち
ているようにも見えるし、たぶん何かが変わ
ったことには違いないわけだが、まだ時期的
にもそこからの距離感が近すぎて客観的な視
点を獲得するには至っていないのかもしれず、
考えてみればテレビが全盛だった頃もたわい
ない話題で盛り上がって、くだらないことば
かりがもてはやされていたわけだろうし、そ
ういう物事がそのままネットメディアにも流
れ込んでいる傾向もあるのだろうし、そうい
う面を考慮すれば昔と変わらないとも言える
のだろうが、それでも確かに昔と比べれば何
かが確実に変わっているのだろうし、それが
これから時間が経つにつれてだんだんとわか
ってくるのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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