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彼の声 2017.11.7 「ネットシステムと経済システム」

2017/11/07

 産業革命以後に顕著になった世界の飛躍的
な人口増加は、具体的には医療技術や医療シ
ステムの進歩によって乳児死亡率が低下した
ことが理由としてあげられるが、それは資本
主義経済の発展と同時期に起こっている現象
なのだろうから、とりあえずその段階では人
口が増えるとそれだけ経済も拡大したわけで、
他の様々な要因も経済の拡大には関与してい
るのだろうが、一般的に言えば人口の増加に
比例して経済が拡大したとみなしてもそれほ
ど間違ってはいないのではないか。一方で情
報革命以後は人口がそれほど増えないのに経
済成長を促そうと試みられてきたことは確か
だろうし、またその段階では医療技術や医療
システムが進歩しても人口の増加には結びつ
かなかったわけで、その代わりに人の寿命は
延びたかもしれないし、そういう意味で医療
技術や医療システムの進歩は人口の増加では
なく死亡率の低下に貢献していると言えるだ
ろうか。そうだとしても情報革命以後に顕著
な経済成長を達成している国や地域ではまだ
人口の増加が続いているのかもしれないし、
その一方で人口がそれほど増加しないか逆に
人口の微減が続いている国や地域では経済成
長も微増している程度で、かつてのような著
しい経済成長はあり得ない状況なのではない
か。そうだとすると情報革命以後の状況では
飛躍的な経済成長など幻想に過ぎないのかも
しれないが、実際に人口が増えない地域や国
などが直面しているのは経済の成長や拡大で
はなく経済の維持であり、実質的には現状維
持的な経済政策を余儀なくされているのかも
しれず、それを政治宣伝としては持続的な経
済成長を主張しようとして無理が生じてしま
っているのかもしれないが、たぶん情報革命
以後に政治的な主義主張が目指すべき妥当な
内容としては、住民一人ひとりの生活を豊か
にしていくことであり、正当化できる軍事的
な侵略先がない以上は、それ以外の国家主義
的な主義主張は情勢的に合わなくなってきて
いるのかもしれず、さらにそれ以外の宗教的
あるいは民族的な幻想も、それに起因してい
るように思われるテロや内戦が頻発する世界
各地の紛争地域でその限界や行き詰まりがは
っきりしてきてしまい、そんな中で国家的宗
教的民族的な幻滅が世界を覆っているように
感じられるわけだが、そんな状況から今やそ
れらの政治的な主義主張の時代が終わりつつ
あると宣言してみたところで、まだそれらの
主義主張を信じて戦っている人たちが大勢い
る中では何の説得力もないのかもしないが、
実際に行われている紛争の根底にはいつも経
済的な利害関係があるわけだろうし、それを
覆い隠すために政治的な主義主張がなされて
いるわけで、逆に言うと経済的な利害関係を
正当化できないから政治的な主義主張に逃げ
ているとしか言いようがなく、その中には地
域や国家や宗教や民族などに絡んだ経済的な
不均衡や貧富の格差があるわけで、それを直
接正当化できない現状があるのではないか。

 そしてそれを正当化できないからこそ、そ
のような国家的宗教的民族的な枠組みではな
く、問題は単に各人の間で生じている経済格
差や不均衡だと説明した方が妥当性を持つよ
うな世界に変わりつつあると言えるのかもし
れないが、それを促しているのが情報革命で
あり、世界のどこにいてもネットに繋がって
さえいれば地域や国家や宗教や民族の枠組み
に関係なく、それなりの情報にアクセスする
ことができるようになりつつあるのだろうが、
やはりそれを阻害しているのが国家的宗教的
民族的な枠組みであり、さらにそれに絡んだ
様々なしがらみがあるのかもしれないが、や
はりそこでも根底に経済的な利害関係がある
わけで、それをもたらしているのが資本主義
経済であることは言うまでもなく、実際に経
済的な不均衡や貧富の格差をもたらすような
経済システムがネットを通じて世界中に拡散
しているといえば、そう言う部分ではそうか
もしれないが、一方でそれに対する抵抗もネ
ットを通じて世界中に拡散しているといえば、
そうとも言える部分もあるのかもしれず、そ
れらの促進と抵抗の両面でのせめぎ合いが、
それ以前からあった国家的宗教的民族的な枠
組みの形骸化を促進しているといえば、少し
言い過ぎな面があるのかもしれず、逆にネッ
トを通じて国家的宗教的民族的な団結を呼び
かけるような主義主張を拡散させる試みも一
部では行われているわけで、それがイスラム
過激派の隆盛を招いた背景でもあるのだろう
が、だからと言ってイスラム過激派が世界を
席巻しているとは言い難いだろうし、結局は
そのようなテロに頼るしかない武装闘争も一
定の支持を得るだけにとどまってしまうのは
当然で、現状ではネットを介して情報を世界
に拡散させることはできるものの、情報の後
から物質的な実体がついてくることはないわ
けで、物質的な実体を世界中に拡散させるに
は、売買を伴った経済的な流通網を通してし
か可能ではなく、また人員を世界に拡散させ
るにもそれなりの費用がかかるわけだから、
そういう面で思想的な洗脳にも限界があるわ
けで、その根底では資本主義的な経済システ
ムが機能し動作していることが前提となって
いるわけだ。そんなわけで情報革命以後に顕
在化してきているのは国家的宗教的民族的な
枠組みよりも経済システムを優先するような
傾向だろうし、人と世界経済の間にそれらの
国家的宗教的民族的な枠組みを挟む余地が次
第になくなってきているのかもしれないし、
それだけ国家的宗教的民族的なこだわりを死
守したい人々にも余裕がなくなってきている
のかもしれず、そうであるからこそネットを
利用してあからさまな主張を恥ずかしげもな
く訴えかけているのかもしれないが、結局そ
れはイスラム過激派と同じように一定以上の
支持を得るには至らずに、それ以上の支持の
広がりは期待できそうにないのかもしれない
が、やはりそこでもそれらの枠組みの形骸化
を促進するような作用とそれに抵抗して形骸
化を阻止しようとするような作用のせめぎ合
いが起こっていて、それがネット上で繰り広
げられるような成り行きとなっているのだろ
うし、実際にそれらのせめぎ合いを体現する
ような政治宣伝や煽動などの情報がネットを
通じて世界中に拡散する事態となっているの
ではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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