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彼の声 2017.11.3 「機械と労働」

2017/11/03

 機械に組み込まれた労働は単純作業がメイ
ンとなる部分もあるわけだが、一方でそれな
りの熟練を要する労働である面もあり、それ
を単純作業か複雑な作業かという対立軸で比
較するよりは、部分的な作業の集合体として
全体のシステムが構築されていて、部分的な
部門で作業している労働者にはシステムの全
ての工程での作業をマスターできないという
特徴があり、そういうところが徒弟制で親方
の元で修業する職人などとは違うわけで、親
方が弟子に持っている全ての技能を教え込む
のとは違って、労働者がいくら特定の部門の
作業をマスターしても、全体としてのシステ
ムを構築することはできないし、また全体と
してのシステムの構築に関わった設計者が特
定の部門の作業をマスターすることはないし、
そんなことをやる必要もないわけだ。そんな
わけで工場制手工業の頃と比べてシステムの
規模がでかくなってしまったので、一人の人
間の手に負えるようなシステムではなくなっ
たということは言えるのかもしれないが、そ
れだけにその部門で作業している労働者は他
の部門で作業している労働者には無関心とな
るのかもしれず、全体を見通すことができな
い部分的な専門家ばかりが育成されるように
なってきたのかもしれないが、システムの全
体という捉え方がまるで虚構のように思われ
てしまうのかもしれず、何だかわからないが
とりあえず作業が機能していたり、うまくい
っていればいいようなことになって、何らか
の生産なり流通なりのシステムの設計者であ
っても、他のシステムから作業が引き継がれ
てくるからそのシステムが成り立っている限
りで、それが一つの完結したシステムでない
ことは理解しているだろうし、またそのシス
テムから作業を引き継ぐ別のシステムもある
のだろうし、さらにそれと競合している同じ
ようなシステムもあるわけで、それらについ
て考えてしまうときりがないだろうから、と
りあえずは自らが関わっている部門のことだ
け考えていればそれで間に合ってしまうよう
なシステムなのであって、それがその部門に
関しては専門家であるが他の部門に関しては
素人でしかないような実態を生んでいるわけ
で、しかも別にそれが悪いことなのではなく、
そうであるからシステムがうまく回っている
面もあるのだろうし、実態として部分的なと
ころしか把握できないから、そこがうまく回
っていれば全体としてもうまく回っていると
想像するしかないわけで、本当のところは誰
もがよくわかっていないだろうし、そういう
面で常に不確実な要素があり、憶測や推測で
捉えることしかできない面があるわけだ。そ
して世の中でどのようなシステムが機能して
いるかについても、各人が携わっている部門
から推測するしかないわけだから、それぞれ
で捉え方も見方も違ってくるのではないか。

 またそのシステム内の労働自体がその人の
生活の中で部分的な意味合いしか持たない場
合もあるだろうし、その人にとって確かに生
活の糧を得るには労働が必要だろうが、生活
の全てを労働に捧げているわけではない人の
方が、どちらかといえば多いのかもしれず、
それは職種にも労働の内容にもよるだろうが、
その人から見て自分が働いている仕事内容が
世の中であまり重要とは思われない場合は、
その人にとっても労働があまり重要ではなく
なってしまうのかもしれず、ただ賃金を得る
ための手段としか思われなければ、そのため
だけの労働となってしまい、自然と興味は別
の方面へと移っていってしまうのかもしれな
いが、そうであっても機械の動作が興味を繋
ぎ止めてくれる場合があるわけで、機械を操
作して何らかの作業を行うことで達成感が得
られて、その作業を飽きさせないようにして
いる場合があるだろうし、人力ではできない
ことを機械が行なっているのを見ながら作業
に没入していれば、それほど不快な思いもせ
ずに時間が過ぎていく成り行きとなり、結果
的に自然と作業をこなしてしまえるわけで、
そういう面も考慮すれば機械とともにシステ
ムに組み込まれていてもそれほど疎外感は感
じられない場合もあるのではないか。また機
械自体が部分的なシステムであり、自らがそ
のシステムを動作させているという操作感が
人の興味を機械につなぎとめていることも確
かだろうし、そのような達成感や操作感など
が機械を介して仕事への執着を生み、結果的
に人を作業へと駆り立てるような効果を生じ
させて、労働を成り立たせているのかもしれ
ないし、一概に人間疎外をもたらすような不
快感とともにつまらない単純作業をやらされ
ているとは言えない面があるだろうし、その
辺でどこまでが肯定されてどこからが否定さ
れるような状況となっているのかが、それぞ
れの職場で判断も認識も違ってくるだろうし、
その人の境遇によって許容限度にも違いがあ
り、外部から勝手に否定したり批判したりで
きない面もあるのかもしれず、結局は各人が
許容限度内でやっている実態がある限りでそ
のような作業は成り立っているのであり、不
快さに耐えきれずにやめていく人が絶えない
ような職場でも、作業の管理者もその点は承
知しているわけで、去る者は追わずで定期的
に従業員を募集して補充するのだろうし、逆
に長く勤められては賃金を上げていく必要が
出てきて困ってしまうのかもしれず、はじめ
からそういう魂胆でやっているとすればそれ
だけ労働者の扱いもひどくなるだろうし、ひ
どい扱いを受けてやめていく人が絶えなくて
も募集すれば次から次へと応募者が現れるよ
うなら、その職場はそうやって成り立つよう
な職場だということであり、中にはそのよう
な職場を転々とするような労働者も出てくる
わけで、そういう人は嫌になってはやめて金
がなくなればまた仕事を探すような生活に慣
れているのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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