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彼の声 2017.10.23 「企業活動と産業の成熟」

2017/10/23

 人が集団で組織的に何かをやろうとすると、
必ず単純な目的や目標が定まって、それによ
って集団内にいる人たちの行動や言動を拘束
することになるわけだろうが、そんな目的や
目標から逸脱する部分で人は自由を求めるの
だろうし、それが集団の目的や目標を阻害す
るとみなされると、自由を求める人は集団に
よって弾圧されることとなるだろうか。それ
を避けるには集団と個人との間で何らかの折
り合いをつけなければならなくなり、普通は
そういうところで交渉の余地が生まれるのだ
ろうし、また労働者を守るために行政的な指
導や法整備も行われている実態もあるのだろ
うが、実際にうまい具合に折り合いをつけら
れたら、集団の中でもある程度の個人の自由
が確保されることになるのではないか。企業
の中でそんなことが実現するには、収益が安
定するとともに他社との競争が鈍感して、そ
れなりに企業経営や経済活動に余裕が生まれ
ることが前提となるだろうか。それに関して
は企業間の系列化や垂直統合が促進されると、
複数の企業が系列で繋がったり統合される中
で、上位に位置する企業では確かに余裕が生
まれて従業員の待遇が改善されるが、下位に
位置して下請けなどに甘んじている企業では
上位に位置する企業から何かと搾取されて、
利益が出にくい過酷な経営環境の中で従業員
の職場環境も劣悪になって疲弊してしまう場
合があるだろうし、それは国ごとの格差にも
影響を及ぼすこととなり、先進諸国の優良企
業は系列や垂直統合などの分業体制でも比較
的上位に位置していて、快適な職場環境が保
たれているのに対して、それらの企業からの
下請け仕事が回ってくる国の企業では、低賃
金で長時間労働などの劣悪な職場環境になる
ことが多いのではないか。もっとも先進国の
中でも経済格差が問題となっているわけだか
ら、下請け仕事専門の中小企業などいくらで
もありそうで、そうした企業の職場では同じ
ような問題が起こっているのだろうし、企業
間の序列ができあがって格差が生まれると、
当然のことのように上位に位置する企業から
下位に位置する企業へと権力の行使や搾取が
行われることになって、結局そんな仕組みを
伴って資本主義経済が世界を覆っている現状
があるとすると、それを政治的に解決するの
は困難だろうし、下請け企業が多い国の政府
としては、自分たちの国の企業が世界的な分
業体制の中で上位に位置できるように、何か
と方策を打ち出してくるだろうし、先進諸国
の企業よりは自分たちの国の企業を優遇する
のは当然であり、場合によっては先進諸国の
企業の技術を盗むために国家ぐるみで産業ス
パイなどの行為を画策する可能性もあるのか
もしれない。

 そうだとしてもいったん世界的な知名度を
獲得したブランド製品やサービスを扱う企業
の牙城を突き崩すのは容易なことではないだ
ろうが、場合によっては中国やインドの企業
ようにブランドをその部門ごと買い取ってし
まうようなことも行われるわけで、そうやっ
て先進諸国からその他の国へ技術やブランド
が移転することもあるわけだが、先進諸国で
は物作りよりも情報を取り扱うことによって
利益を上げる方向へ傾斜して行こうとしてい
て、物の土台の上に情報の付加価値を積み上
げようとするわけで、わかりやすい部分では
特許料などがそうだろうが、他にも広告宣伝
料だとかコンサルタント料とかデータ通信量
とか様々な面で情報やサービスに対する課金
が行われる傾向にあるのだろうし、それは先
進諸国以外でも普通に行われていることでは
あるのだろうが、産業の成熟に伴って製品の
製造だけでは利益が出にくくなってきて、そ
こにサービス料を付加する傾向になってくる
のかもしれず、しかもそこでも無料のサービ
スなどが出てきて、消費者にはどこから利益
が出るのかよくわからなくなってくるだろう
が、それは製品の価格に上乗せされていたり、
何かとわかりにくいところでサービス料や手
数料として徴収されている場合があって、だ
んだんとそれは税金のような形態に近づいて
いくのかもしれず、そもそも行政機構の必要
経費として聴取される税金そのものがサービ
ス料や手数料の類いなのであって、それが行
政活動に伴って生じる様々な情報を取り扱い
ながら住民に何らかのサービスを提供するの
に必要な費用なのだろうが、企業としてはそ
こから利益を上げる必要に迫られているわけ
で、また行政機構は利益を上げる必要がない
反面で財政赤字が膨らんでゆく傾向にもある
わけで、しかも公共事業などの経済政策によ
って企業に利益を上げさせるために行政機構
の財政赤字が膨らんでゆく傾向にあるとする
と、何かそこに避けては通れない因果関係が
潜んでいるように思われてくるし、それが将
来の財政破綻を招く危険があると考えればそ
れを是正する必要に迫られるわけだが、是正
しようとして国家的な経済危機を招いてしま
った事例もあるのだろうし、是正しようとし
た時点ですでに経済危機であったわけだから、
一概に財政赤字の是正が経済危機を招く要因
とは言えない面もあるのだろうが、少なくと
も行政面で財政赤字の拡大を食い止められな
い現状があるとしたら、それは何らかの悪循
環を招いていることは確かなのかもしれず、
またそれが企業活動から生じる産業の成熟に
伴って起こる必然的な成り行きだとすると、
資本主義経済が招く宿命的な欠陥だとも言え
るのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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