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彼の声

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彼の声 2017.10.19 「ありのままの現状」

2017/10/19

 たぶんネット上の検索サービスが世界中で
いくつもあるわけではなく、最大手の検索サ
ービスが独占状態なのは周知の事実であり、
それを提供している企業が検索サービスに絡
めて莫大な額の広告収入を稼いでいるのも周
知の事実ではあるわけだが、その企業が手が
けている無料のメールサービスなどから得ら
れる個人情報を基にして何らかの情報のコン
トロールが行われているとしても、それは個
人の好みに合わせて広告を効率的に配信する
必要があるからだろうし、手がけているニュ
ースサイトでその国の体制側の印象操作に手
を貸して政治宣伝などに加担しているとして
も、やはりそれだけでは直接の政治的な権力
の行使に結び付くとは考えられず、経済的な
利益を得る目的以外で何らかの目論見があろ
うとなかろうと、それは枝葉末節なレベルの
ことかもしれないし、それが高じて本業以外
の様々な分野へと出資して他の企業と競合関
係に至るとしても、それは企業間競争の類い
となるだけだろうし、企業がどれほどの野心
を抱いて政治や行政などと癒着しようと、経
済的な利益を得ることが企業にとっての目的
であることは言うまでもなく、政治の場での
権力の行使とは直接は関わり合いのないこと
なのかもしれない。その辺のところで邪推し
てグローバル企業に敵意を持ってみても、日
頃からネット上でその企業の検索サービスや
メールサービスを利用している事実は変わら
ず、ニュースサイトや動画配信サイトで記事
や評論を装った不快な政治宣伝や煽動を閲覧
しても、そんなものだと思うしかないだろう
し、不快に思っている限りでそんな印象操作
に騙されているわけでもないわけだから、そ
れを取り立てて深刻な事態だと思う必要はな
いわけで、確かにそんなものを真に受ける人
も大勢いることは確かだろうし、実際にそん
な宣伝や煽動によって多少なりとも体制側の
政治勢力が優位を保っていようと、もしかし
たらそれも枝葉末節なことなのかもしれず、
本質は別のところにあるのかもしれない。た
ぶん事の本質は様々な枝葉末節な出来事や行
為の積み重なりから構成されていて、それら
は意識外から作用する社会情勢や状況からも
たらされていて、それが現状のありのままの
姿を見失わせているのかもしれないし、意識
がありのままの現状を受け入れるのを拒否す
るような事態をもたらしているのではないか。
しかしありのままの現状とは何なのか。意識
が体験しつつある見たままの現状がありのま
まの現状とはどう違うのだろうか。別にそれ
の何が違うわけでもなく、ありのままの現状
を意識できないとすればそれはフィクション
と考えても良さそうで、そんなのは空想上の
産物であり、逆に意識できるような現状しか
現状でないといえばその通りで、そんなあり
もしない現状など考える必要はないのかもし
れないが、空想できる範囲で考えられるとす
れば現状はどんな空想をもたらすのだろうか。

 例えば意識は不都合な事実を隠そうとして
いるのかもしれず、不都合な事実とは拒否す
べき現実であり、場合によっては非難され糾
弾すべき現状なのだろうし、それに代わって
伝えるべきは都合の良いことばかりかもしれ
ないし、それは積極的に宣伝して然るべきこ
とでもあり、結局それは自分たちが行なって
きたことからもたらされた成果でもあり、そ
んな成果を喧伝すれば世論の支持を得られる
と期待されるのだろうし、すでにそんなこと
を行なっている時点でありのままの現状から
は遠ざかっているわけで、不都合な事実を隠
して都合の良い成果を強調しているのがあり
のままの現状なのであり、そして隠したまま
にしておきたい不都合な事実を暴こうとする
ジャーナリストなどを徹底的に叩かなければ、
ありのままの現状を保てないわけで、実際に
そのような体制批判を封じ込めるために情報
統制を行いたいわけだが、そのためにはさら
なる体制の強化と法整備が必要とされるだろ
うか。果たしてそれが現状で問われているこ
とだとすれば、民衆には選挙でどのような選
択肢が残されているのだろうか。たぶん問わ
れているのはそれ以外にもいくらでもあるの
かもしれないが、強引に恣意的な問いを設定
したところでフィクションにしかならないだ
ろうし、何か政治的に問われていることがあ
るなどと考えること自体が、ありのままの現
状から逸脱した空想の産物でしかないのかも
しれないが、ありのままの現状では何が問わ
れているわけでもなく、ただ何らかの政治的
な成果を強調したい体制側の政治勢力に対し
て、そんな成果など虚構に過ぎないと批判し
たい政治勢力やジャーナリストなどがいるわ
けで、そこで演じられている対立や争いを真
に受けるかどうかが問われているわけでもな
く、それとは別に判断すべきことがあるわけ
でもない。ただ安易な政治宣伝や煽動には乗
らない方が知性的かつ理性的な態度を保って
いられるだろうし、選挙ではその辺を考慮し
て投票すればいいだけなのかもしれないし、
それによって取り立てて平和な現状が崩れ去
るわけでもなく、意識が実感している現状の
虚構性が明らかになるわけでもない。たぶん
政治的には誰がどんな政治勢力に投票しても
構わないのであり、投票結果からそれなりの
状況がもたらされようと、そんな状況下で人
の暮らしが成り立たなくなるわけでもなく、
それはこれまでもそうであったしこれからも
変わらないことなのではないか。何も政治的
な選択を深刻に考えることではなく、ことに
よると投票によって誰を選ぼうと、それは民
衆の暮らし向きの中では枝葉末節なことにし
かならないのかもしれないが、そんな枝葉末
節なことの積み重なりが現状を構成している
のだとすれば、投票自体は不快なことかもし
れないが、地道に枝葉末節な行為を積み重ね
ていけば、それなりにありのままの現状を実
感できるようになるのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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