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彼の声 2017.10.15 「情報統制と価値の変容」

2017/10/15

 具体的に世の中で恣意的な情報を提供する
ことによって人々の活動をコントロールしよ
うとする思惑がどこまで成功しているかは、
政治的な独裁国家以外では特定の勢力が一括
して全ての情報を統制しているわけでもない
から、結果的に成功している事例をいくつか
挙げることができれば、それなりに成功して
いる面もあるとしか言えない程度のことだろ
うが、中国などの事例を見ればわかるように、
実際に情報統制をやりたがる側は自分たちに
都合の良い情報だけを提供したがり、その反
対の都合の悪い情報は遮断したがるのはわか
りきったことで、そうする理由としては例え
ば世の中に蔓延している風紀の乱れや賄賂の
横行などを取り締まる上で、取り締まりが功
を奏しているように見せたがるのであり、早
い話が失敗した事例は隠したいわけだが、物
理的に考えてその全てを取り締まることは不
可能だろうし、大掛かりな取り締まりの光景
がメディアを通じて伝えられるとしても、そ
れは見せしめ的な効果を狙っているわけで、
取り締まりを逃れて違法行為が行われている
光景がメディアを通じて暴露されでもしたら、
それでは汚職撲滅キャンペーンをやっている
当局の面目が丸潰れとなるわけで、そうなる
と当局は暴露したメディアを反政府的な報道
を行なったとして取り締まろうとするだろう
し、そういうところで情報をコントロールし
ようとする当局の思惑は破綻するのかもしれ
ず、メディアが正義感に駆られて違法行為を
暴露したのに、それを弾圧するとは何事だ、
と民衆の反感を買う可能性が出てくるわけで、
実際はそういうところで情報を統制する目的
と社会が共有する価値観を一致させるのが困
難となるわけだ。明確な基準を基にして何ら
かの統制をやっているつもりであっても、や
っているうちに何を煽り立てて何を抑制する
かの基準が崩れてくる可能性があり、諸刃の
剣のように効果と悪影響の両方が出てきてし
まうのかもしれず、なぜそうなってしまうの
かと言えば、そこで競合関係にある複数の勢
力の間で取り扱う情報に差異や区別をもたら
そうとする思惑や事情から、汚職撲滅キャン
ペーンをやっていることを民衆に伝えたい当
局と、それを伝えるメディアという役割分担
が、汚職撲滅という目的では競合してしまい、
さらに事の真相や世の中の真の姿を伝えよう
とするメディアの目的と、当局にとって都合
のいい情報だけを伝えさせようとする思惑が
ぶつかってしまうわけだ。そんなわけである
面では連携しているとしても別の面では競合
してしまい、さらに場合によっては敵対する
面まで出てきてしまうのだから、取り扱う情
報そのものの質や内容や傾向には、その情報
を巡って関係し合う人や集団の間で必ずしも
目的や価値の一致を見るわけではなく、互い
の利害が一致しなければ伝えたい内容を巡っ
て衝突さえ起こってしまうのだろうから、そ
れを単一の基準で統制すること自体に無理が
生じてくるのではないか。

 では情報を統制するのは諦めるべきかとい
うと、そんなことはないわけで、統制するこ
と自体が権力の行使なのだから、権力を行使
しようとする側が諦めるわけがなく、統制し
ようとする側は絶えず節度をわきまえない逸
脱行為を取り締まることによって、統治して
いる人々の言動や行動に一貫性が生じること
を目指すわけで、そうすることで絶えず統制
する基準を明確にしようとしているわけで、
当局が示す基準に適合した情報だけを人々に
与えようとして、それは世の中の価値判断の
基準となる価値観を示そうとする表れとなり、
示された基準に則った適切な情報だけを社会
に流通させようとして、そうすることによっ
て社会の統一性や一貫性を維持しようとする
のではないか。そのような行為は逸脱を容認
できないわけで、逸脱から生じる世の中の変
化に抗う作用をもたらすのかもしれないし、
厳格に統制しすぎると流通する情報に変化が
なくなって社会の活力を削いで停滞を招き、
それが経済活動の停滞にも直結する可能性ま
で出てくるのかもしれず、もちろん統制する
側に経済を停滞させようとする意図はないは
ずだろうが、そもそも経済活動が活発化した
り活性化する現象は、世の中で絶えず新たな
価値が創造されて、その価値観を担った製品
やサービスが世の中で流通するような状況の
ことを言うのだろうし、それはとりもなおさ
ず従来からある価値基準の変更を求めていて、
それに伴って価値を体現する情報も一新され
なければならず、そうやって人々の目先を変
えるような新商品が発売されることで、それ
とともに示される価値基準を世の中に広めよ
うとする試みにも結びつくわけで、それもま
た商品の購買意欲という欲望を煽り立てる情
報のコントロールにも繋がるだろうが、それ
とは別次元で行われる当局が示す価値基準を
逸脱する行為を取り締まるような政治的な情
報統制とは相容れないわけで、それは政治的
な情報統制とは別次元で新たな経済的な価値
観を社会に広めるようなやり方となり、そう
でなくても商品開発は同じ価値観にとどまっ
ていては活動が停滞してしまい、経済活動を
継続しながら利益を出すには延々と新商品を
社会に送り込まなければならず、それは企業
活動の宿命とも言える成り行きを示している
だろうが、そうなると統制するのとは逆の意
味で無理が生じてくるように思われるのだが、
一方は情報を統制して同じ価値観を頑なに守
るように仕向けてきて、もう一方はそれとは
別次元で延々と新しい価値観を生み出そうと
してくるような動作が、同じレベルで作動し
ているわけではないものの、要するに逆向き
に噛み合わないことをやっていて、たとえ両
者が別々に作動していても一向に構わず、何
の不都合も感じさせないのかもしれないし、
それに気づいていなくても構わないわけで、
とりたてて問題視するようなことでもないと
すれば、なぜそうなってしまうのかその理由
を探りたくなってくるのかもしれないが、た
ぶん合理的な理由などないのかもしれず、た
またまそうなっているわけで、そういう経緯
や事情が歴史的に生じていて、そこに筋の通
った理屈があるわけではなく、何らかの政治
や経済の理論に基づいてそうなっているわけ
でもなく、ただそんな成り行きが結果的に社
会にもたらされているわけだ。実際にそんな
世の中が形成されていて、そんな状況が成り
立っている現状があるのだとすると、それを
どう捉えようとしても、納得がいくような結
論がもたらされることはないのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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