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彼の声 2017.10.7 「新自由主義の盲点」

2017/10/07

 人が理性的に物事について考えることと、
商業的に利益を求めることは異なる傾向を持
っているだろうし、場合によっては商業的な
利益の追求を阻むような成り行きをもたらす
のが理性であるのかもしれず、そうなると両
者は相反する行為となって、利益の追求には
理性な思考は邪魔のように思われるかもしれ
ないが、人にとってはそのどちらもが必要だ
とするなら、それをどうやって調整するかが
問題となってくるだろうか。それともそれを
行う上で競合したり連携したりする対象との
駆け引きや交渉を行う中で、自ずからどちら
を優先させるべきかが決まってくるのだろう
か。それに関して妥協的な態度をとるなら、
時と場合によって両者を使い分けて、その場
が丸く収まるような結果を目指すべきかもし
れないが、実際にそのような事態に直面して
みないことにはわからないことかもしれない
し、直面したところでわからない場合もある
のかもしれず、資本主義的な経済活動を行う
上では、普通に考えるなら利益の追求を優先
させることになるのだろうが、その過程で何
らかの弊害をもたらす事態に陥った時に、そ
のような行為に歯止めをかける役割を担う人
や勢力が必要となってくるのだろうし、一般
的に考えるならその役割を担うのは行政機関
であり、制度的にもそうなっているのだろう
が、行政機関もそれと駆け引きや交渉を行う
役割を担う議会の政治家たちも、経済活動に
歯止めをかけるのではなく、経済活動を活発
化しようとしている場合があるのであり、具
体的に言うなら規制を緩和して企業活動をよ
り自由に行えるようにしようとするのが、い
わゆる新自由主義的な立場となるわけだろう
が、その規制緩和が住民にとって弊害を伴う
ようなら住民は反対すべきなのだろうし、ま
た規制緩和が特定の産業分野にとって不利益
を伴うようなら、その産業分野に携わる人た
ちは緩和に反対すべきとなるわけだが、結局
そのような問題は議会選挙で争点となるべき
ことなのだろうし、規制緩和に反対する人た
ちは反対を掲げている政治勢力の候補者に投
票するだろうし、賛成する人たちは賛成を掲
げている政治勢力の候補者に投票するだろう
し、その結果が議会の勢力図に反映して、議
会で多数を占めた勢力が行政に働きかけて、
行政が規制緩和するのかしないのかを決定す
るような制度となっているわけだ。実際にそ
れで問題が解決するなら話が早いのかもしれ
ないが、実際はどうなっているのだろうか。

 どうも実際にはそんな単純なことではない
のかもしれず、果たして規制が住民や特定の
産業分野を守っているかというと、そうとも
言えない面もあるだろうし、むしろ規制が行
政や行政と癒着する企業にとって既得権益化
している面もあるわけで、規制に守られて利
益を得ている産業があって、一概に規制緩和
といってもそういう部分での規制緩和は行わ
れずに、行政とそれと癒着する企業や政治家
たちにとっての既得権益は守りながらも、そ
のような既得権益から外れる部分での規制緩
和は行なって、それで規制緩和を行なってい
るかのように見せかけたい面もあって、理性
的に物事を考えようとする人たちはそういう
ところを批判したいわけであり、それを単純
に規制緩和に反対したり賛成したりすること
だと捉えてしまうと、物事の本質を見逃して
しまうわけで、そうなると結局は行政やそれ
と癒着する企業や政治家たちを利するばかり
で、被害を被るのは住民や既得権益から外れ
た企業だけとなってしまう可能性もあるだろ
うし、もちろん住民の中でも被害を被る人た
ちと必ずしもそうではない人たちもいるわけ
で、そういう意味で政治的に白黒をはっきり
つけさせるような主張ではうまく状況に対応
できないのはいうまでもなく、政府が規制緩
和の中で何を緩和して何を守ろうとしている
のかを詳しく調べてみないことには、それに
賛成も反対もできないのだろうが、選挙にな
ってしまうとそういうことがうまく住民たち
に伝わるとは思えないし、制度的にも単純明
快な主張しかできないような成り行きになっ
てしまうのではないか。そんなわけで単純明
快なことを繰り返し主張する政治家は、物事
の本質をわかっていないかあるいは隠そうと
しているのかのどちらかでしかないのかもし
れず、どちらにしても住民にとっては規制緩
和が選挙の争点となるような場合は投票の選
択肢からは両者ともに外れてしまうわけで、
それが政治の限界であり選挙制度の欠陥とな
ってしまうのかもしれないが、それ以前に住
民の方でもそんなことまで考える必要も余裕
もありはしないだろうし、それを伝えるメデ
ィアもそんなこととは無関係な単純明快なこ
とを選挙の争点として設定してしまうだろう
し、規制緩和イコール新自由主義という否定
的なレッテルだけが世間に流通するだけで、
その中身までは誰も考える必要性が生じない
状況が作り出されてしまうのではないか。そ
うなれば行政やそれと癒着する企業や政治勢
力やそれに肩入れするメディアの既得権益が
守られるばかりで、状況は自ずから現状維持
へと向かうことになるのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
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発行周期:不定期  
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