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彼の声 2017.10.6 「反グローバル化」

2017/10/06

 経済のグローバリゼーションを阻む要因は、
言語や宗教や風習などの地域特有の独自性で
あり、物や情報を売ろうとするときに障壁と
してぶつかるのがそれらの独自性であり、売
り手と買い手が売買の場で交渉や駆け引きを
行うのに、意思疎通を図る上でコミュニケー
ションがとれないと困るわけで、そんな場合
は通訳を介して交渉すればいいのだろうが、
その地域の企業と地域外の企業とがその地域
で何らかの商品を売る上で競合した場合は、
同価格で同品質の商品を売る場合は、商品の
ブランド力で地域外の企業の製品が優ってい
ない限りは、地元の企業の製品が売れる可能
性が高いだろうし、商品を買ってからのアフ
ターサービスなどが必要な場合も、身近にあ
る地元の企業なら何かと迅速な対応が期待で
きそうだが、そういう面で世界的に商品の販
売を展開するグローバル企業なら、地元民と
の接触を伴う部門では地元民を従業員として
雇用するだろうし、その点はぬかりないだろ
うが、それ以前にグローバル企業となった時
点でブランド力で優っているわけだから、グ
ローバル企業になれなかった地域限定の企業
は、価格の安さやサービスの充実度などで競
うしかないのかもしれず、サービス面で手間
暇をかけるとそれだけコストがかかって収益
を圧迫するようなことになれば、グローバル
企業と地域限定の企業との間では収益面で超
えようのない格差が生じるだろうし、その企
業でしか作れない独自の製品やサービスがあ
る場合以外では、やはり地域限定の企業はグ
ローバル企業には太刀打ちできないのではな
いか。そして少しでもその地域の企業が生き
残る可能性を求めるなら、地域の独自性を強
調して経済のグローバリゼーションを阻むよ
うな運動も出てくるだろうし、何よりも長年
にわたって地域外から経済的な搾取を受けて
いたり、政治的な支配を受けていたりすると、
余計にその地域に特有な言語や宗教や民族な
どの独自性を強調しようとするのではないか。
それが反グローバル化を目指す運動となって、
世界各地で独自色の強い地域が国家から分離
独立の動きを見せる要因となっているのだろ
うし、それは現実にグローバリゼーションが
進行していることに対する裏返しの反応なの
であり、そのことの反作用として顕在化して
いる動きなのではないか。

 たぶんそのような抵抗を打ち破ってグロー
バリゼーションは進行するのであり、抵抗の
激化がグローバル化そのものの強度を表して
いて、それは抵抗と表裏一体の現象なのであ
り、別に反グローバリズムを掲げて戦ってい
るつもりの勢力に勝ち目があるというわけで
はなく、ただ経済のグローバル化が抵抗を巻
き起こしているに過ぎないのではないか。ま
たそれは国家の中央集権化よりは地方分権化
をもたらしているのかもしれず、経済がグロ
ーバル化するのとは反対に政治的には分権化
の傾向を示していて、何よりも人々が身近な
地域内で結束しようとしていることは、国家
単位での政治活動に限界を感じているからで
あり、それは何やらメディアを通して陰湿な
政争劇が盛り上げられて、国政と呼ばれる政
治が一般の人々とは無縁なことをやっている
のをあからさまに見せられてしまうと、でき
ればそんなものには関わりたくなってしまう
のも無理もないことであり、それよりは中央
政府の横暴が地方の民を苦しめているように
も感じられて、また外交関係でも中央政府が
グローバリゼーションを推し進めている企業
のある国との友好関係や同盟関係を強調して
いるような場合は、反グローバリズムの立場
からも中央政府に対して反発が巻き起こるだ
ろうし、遠く離れた首都の周辺から上から目
線で指令を出すよりは、身近な地方自治体単
位できめ細やかな行政をやってほしいと思う
のかもしれず、グローバリゼーションに対す
る防衛がもはや国単位では食い止めようがな
いことが明らかになるほど、狭い地域内で人
と人とのつながりを強めて、身近な人同士で
お互いに助け合うような行為が流行るように
なるのではないか。もちろんグローバリゼー
ションがもたらすのは弊害ばかりではなく、
何らかの恩恵をもたらすからグローバリゼー
ションが世界中に進行していくのだろうし、
その恩恵が国家的な次元の政治とは無関係な
ことだとすると、やはりグローバリゼーショ
ンは国家の形骸化を招く恐れがあるのかもし
れないし、実際にグローバル企業が世界中の
国々で分け隔てなく同じように経済活動を行
うようになれば、特定の国家に利益をもたら
すことはなくなるだろうし、それは国家間の
差異をなくすような作用となるだろうし、国
家にとっては自国だけに奉仕するような企業
ではなくなってしまうわけだから、特定の国
の中で主導権を握っているような政治勢力と
は無縁となってしまうのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
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