文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.10.4 「持ちつ持たれつの関係」

2017/10/04

 その起源がどうであれ、現状では企業が経
済活動の主体となっている事実は否定しよう
がなく、また国家を統治する行政機構も企業
が行う経済活動から、所得税や法人税などの
税収を得ているわけだから、産業振興には企
業の育成が欠かせないだろうし、行政として
は安定して収益を上げてそれなりの雇用を確
保してくれる大企業が存在するのはありがた
いことなのだろうし、そういう意味で行政機
構と企業とは持ちつ持たれつの関係を維持し
ているのではないか。もちろん企業の方では
利益確保の観点からあらゆる手段を尽くして
税の軽減を目指すだろうし、行政上の便宜を
はかってもらう目的で政治家や官僚などと癒
着しようとするだろうし、企業側を有利に導
くための駆け引きや交渉を行うのは当然のこ
とで、制度的に決められた建前上の関係とは
別次元のところで暗躍するわけで、そういう
ことを含めて持ちつ持たれつの関係なのだか
ら、そのような関係の中で法律違反が発覚し
たら、刑事事件や民事事件として立証できる
範囲内で何らかの措置が施されるわけだろう
が、たぶんそれを良いとか悪いとかいう判断
で捉えない方がいいのかもしれず、要するに
ゲームには反則がつきものであり、いかに効
果的に反則をやるかもゲームを有利に運ぶテ
クニックなのであって、それに関連してメデ
ィアが法律違反した人や集団を叩く場合も、
叩ける対象を叩くのであり、彼らが肩入れし
ている人や集団に対しては建前上は叩くにし
ても、手を抜いて叩くのであり、決して二度
と立ち直れないように徹底的に叩くことはし
ないだろうし、そういう意味でもメディアも
企業や行政機関と持ちつ持たれつの関係を維
持している面があって、実際にメディア関係
者と政治家と官僚などがあからさまに会合を
開いて談合しているところなどもメディアを
通して伝えられているし、世の中に張り巡ら
されている様々な関係のネットワーク上では、
やっていいこととやってはいけないことの基
準として法律が機能していることは事実だが、
それとは別の基準で法律違反してでもやらな
ければならないことと、たとえ合法だろうと
やってはいけないことが暫定的な基準として
成り立つ場合もあるのではないか。そしてそ
ういう基準からは、互いに癒着し合って利害
共同体の一員になったら、時には法律を違反
してでも便宜供与を行わなければならないだ
ろうし、法律に違反するからといってそれを
ためらったら、裏切り者として共同体から排
除されてしまうのではないか。

 そのような共同体に入るには、それなりに
権力を行使できる立場でないとならないだろ
うし、そうでなければ便宜供与が行えないわ
けだから、集団の中でも社会的にも地位の高
い役職である必要があるわけだ。またそうや
って便宜供与を行うことで集団内や社会の中
で周囲から認めてもらえるようになるのだろ
うし、そのような立場や地位というのも便宜
供与とセットになっているのかもしれず、ま
たそういう行為によって世の中が成り立って
いるとすれば、法律のようにはあからさまに
成文化されていないものの、社会的な慣習の
一部としてそのような行為が黙認されている
実態もあるのかもしれず、そうであるとする
と、正義感に駆られてそのような行為を内部
告発したり、ジャーナリストなどがその実態
を暴いたりすると、かえってそういった人た
ちが有形無形の嫌がらせを受けたり、卑劣な
罠にはめられて濡れ衣を着せられたりして、
そうやって集団からも社会からも排除されて
しまう場合もあるのではないか。たぶん法の
支配を推し進める立場からすれば、なるべく
そういう行為はなくしてゆかなければならな
いのだろうが、法律を補完するためにそのよ
うな慣習が欠かせないと考えるなら、それは
黙認されるようなこととなるだろうが、建前
と本音の併用のように法律の適用にもグレー
ゾーンを設けないと世の中が成り立たなくな
る面があるのかもしれないし、それを黙認す
るか許せないと思うのかも、その人の置かれ
た社会的な立場によって変わってくるのかも
しれず、そういうところできっちりと白黒を
つけられない実態があるとすれば、そのよう
な行為に対してどのような態度をとるかにし
ても、正義感に駆られて悲惨な目に遭った内
部告発者や周囲からの有形無形の圧力に屈し
ないで違法行為を暴いたジャーナリストを支
持したり支援したりするにも、自らが違法行
為を行ったり黙認したりする立場になれば、
そうせざるを得ない成り行きになってしまう
可能性があることは踏まえておかないとなら
ないわけで、そのようなことが行われる実態
があれば、それは自らを含んだ社会の中で行
われていることなのであり、実際にそういう
ことを行なっている政治勢力を支持して選挙
で投票している場合もあるだろうし、まして
やそういう勢力が議会で多数を占めて政権を
握っているとしたら、内部告発者やジャーナ
リストなどよりははるかに強大な権限や権力
を持っているわけで、どちらが社会的な信用
を得ているかは明らかなのではないか。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。