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彼の声 2017.10.3 「企業活動に伴う恩恵と弊害」

2017/10/03

 企業にはその経済活動に伴って資本の蓄積
とともに企業経営に必要なノウハウも蓄積さ
れ、収益を上げて利益を出すための方法が知
識として溜め込まれ、またその知識は実践を
通して絶えず更新されて、また他の企業との
競争や連携などの活動から駆け引きや交渉の
経験も知識として溜め込まれ、それらが企業
が競争に生き残り発展するための戦略や戦術
などとして結実するのではないか。またその
ような活動に適合するような組織形態も活動
を通して導き出されてくるだろうし、そのよ
うな組織形態を生かすための人材も自前で育
成するか他から調達してくるかして、絶えず
組織内の役割に適合するような人材を揃えよ
うとするだろうし、そうやって資本やノウハ
ウとしての情報や人材や資材や設備を蓄積さ
せて、それらを効率的に活用することで収益
を上げて利益を出そうとするわけで、そのよ
うな活動が成り立っている限りで資本主義経
済が維持されているわけだから、資本主義経
済が社会にもたらす恩恵にも弊害にも、企業
の組織形態や活動内容が影響を及ぼしてくる
ことは確かで、例えば民主的な価値観は企業
内では通用しないだろうし、通常の意味での
個人の自由も平等も企業内ではないし、組織
的な指揮命令系統を逸脱して意見を言うこと
には差し支えが出てくるだろうし、仕事と公
的な政治参加とは別次元のことだと言えばそ
の通りなのかもしれず、それが嫌なら仕事を
やめて個人で事業でもやればいいと言うこと
にもなりかねないが、実際にそうやって成功
した人もまれにはいるのかもしれないが、や
はりそれとこれとは別次元のことだろうし、
実際には企業内でも公的な政治の領域でも、
民主的な価値観を実現するにはそれなりの駆
け引きや交渉を通して実現を目指すしかない
のであり、世の中の全ての次元で何らかの権
力関係が張り巡らされている中で、絶えず個
人の自由や平等を獲得するための闘争が必要
で、そのような闘争を推し進めていく中で必
要なノウハウも蓄積されて、実践的な経験を
通して組織的な集団の中で個人の自由や平等
をもたらすための方法が編み出されていくの
だろうし、また他の企業で働く労働者と連携
や連帯を実現させるための活動も試みられる
だろうし、企業を経営する側との駆け引きや
交渉の中から、労働者の権利を守るための方
策も導き出されてくるだろうし、そのような
労働組合的な闘争が企業の経済活動を阻害し
ているとも言えるのだろうが、どちらに正当
性があるわけでもなく、そういうところでも
駆け引きや交渉によって何らかの在り方が定
まってくるのではないか。

 ともかく企業活動によって資本主義経済が
成り立っていて、それに伴って人々に恩恵や
弊害がもたらされていることは確かで、普通
に考えるなら恩恵を増やして弊害を減らすた
めの努力が必要になってくるのだろうが、必
ずしも恩恵を増やすことと弊害を減らすこと
が結びつくわけではなく、恩恵を増やそうと
すると弊害も増えたり、弊害を減らそうとす
ると恩恵も減ったりする場合があるのかもし
れず、その中で妥協したり我慢しなければな
らない場合も出てくるだろうし、妥協も我慢
もせずに激しく闘争した挙句に、かろうじて
保たれていた均衡が崩れて取り返しのつかな
い深刻な事態を招いたり、駆け引きや交渉の
中で優位に立つ側が権力関係を強めて、集団
内で強権的な圧政を敷いたりする場合もある
わけだ。また企業に外部から作用を及ぼせる
公的な政府機関の政策も、無視できない権力
の行使の可能性を生じさせているわけで、具
体的には独占禁止法によって特定の企業によ
る利益の独占に歯止めをかけたり、公害をも
たらす危険性の高い企業に、周辺の住民に健
康被害を出させないための排ガスや排水など
の環境基準を設けたり、また特定の企業に対
して課税を強化したり、逆に国際競争力を高
めるためや経営体質の脆弱な中小企業を助け
るために税を軽減したり、さらに労働者の健
康を守るために労働時間を規制したり医療保
険や労災保険への加入を義務付けたり、労働
者が失業した場合の補償措置として雇用保険
への加入を義務付けたり、退職した後の生活
を保障するために年金保険への加入を義務付
けたり、そのように法律を制定することによ
って企業に対して様々な強制措置を課すこと
ができるわけだ。それはそれまでに行われた
企業と人々との間で行われた闘争や交渉など
の駆け引きが、公的な政治の次元で法律とし
て成果をもたらした例でもあるのだろうが、
それが獲得した権利でもあると同時に課され
た義務でもあるところが両義的な意味合いを
持つのであり、権利と義務とが表裏一体であ
ることに気づかないと、それが特定の政治勢
力によって政治宣伝に利用される危険性も孕
んでいることにも気づけないわけだ。また企
業活動から生じる弊害を取り除くために政治
的な次元で規制を強化しようとすると、国家
単位では確かに何らかの統一的な基準を作れ
るのだろうが、国際的な次元では規制の厳し
い国と規制のゆるい国との間で差異が産まれ、
それをなくすために国際的な枠組みで世界規
模の統一基準を作ろうとするところで、国家
間の対立や軋轢が生じてしまうわけで、早い
話が規制をゆるくして経済の発展を優先しよ
うとする国が出てくるわけだが、そういう抜
け駆けする国に対して国際的な圧力をかける
には国家間の連携が必要となってくるわけだ。
 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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