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彼の声 2017.9.29 「リベラルの敗北」

2017/09/29

 何か特定の価値観やイデオロギーに囚われ
て、世の中で信用できるものを恣意的に限定
してみても、それで済まなくなる事態に遭遇
する場合はありそうで、そうなった時に恣意
的な限定から生じるこだわりを捨てられない
と、その場で生じている環境の変化に対応で
きなくなる可能性があるだろうし、実際にこ
だわりを捨てられない人たちが時代の変化か
ら取り残されてしまうのかもしれないが、た
とえば政治的な主義主張にある種の普遍性が
あるとすれば、時代の変化に関係なく変わら
ない主義主張をいつまでも堅持できるだろう
か。そして今の世界情勢の中で試されている
主義主張がいわゆるリベラリズムだとすれば、
リベラリズムに宿っている政治的な普遍性と
はどういうことなのだろうか。とは言っても
リベラリズムという言葉の意味は人によって
様々な解釈があって、必ずしも統一された意
味で固定されているわけではなく、恣意的な
解釈がまかり通ってしまうのかもしれないが、
人が慣習として持ってしまう人種や民族や宗
派や国家などから生じるアイデンティティを
捨てられないことから、異なる人種や民族や
宗派や国家などとの間で争いに至るわけで、
ひとまず集団意志として頑なに守っている固
有のアイデンティティをカッコに入れて、お
互いの違いを認めながらも仲良く暮らそうと
いうのが、最大公約としての単純化されたリ
ベラリズムなのではないか。もちろん現状で
は必ずしもそうはなっていないのだろうし、
むしろアイデンティティを異にする集団同士
でいがみ合うような成り行きが助長されてい
るわけで、いがみ合い争うことによって現状
の行き詰まりを打破しようとしているのであ
り、対立を煽り立てることを原動力にして政
治的な勝利を目指しているわけだ。実際にリ
ベラルな政治勢力は世界各地で政治的な敗北
を喫しているのだろうし、その流れは今後も
続いてゆく気配なのかもしれないが、そうだ
とするとリベラリズムに普遍性などなく、時
代に取り残された古い政治的な態度というこ
とになるだろうか。たぶんそうであっても構
わないのがリベラリズムであり、政治的な敗
北と一体化した主張がリベラリズムなのかも
しれないが、そもそも政治的な勝利を目指さ
ないのがリベラリズムなのではないか。

 実際にアメリカの民主党でもイギリスの労
働党でもドイツの社民党でもフランスの社会
党などでも、選挙に勝利して政権の座に就く
と途端に保守主義と区別がつかなくなってし
まうわけで、それは極端な話、中国やベトナ
ムの共産党政権でも同じことなのだろうが、
政府が機能するには保守的な政治をやる以外
にはあり得ないのかもしれない。その場合は
国家から生じるアイデンティティに染まって
しまうわけで、程度の差こそあるものの、そ
れによって他の国との対立を生じさせてしま
うわけで、もちろん連携する同盟諸国ととも
にその時代に応じた何らかの敵国と対立する
わけで、21世紀に入ってからは国際テロ組
織なども共通の敵として登場しているわけだ
が、またその一方でリベラル勢力に勝利を収
めつつある保守勢力は、必ずしも対立を強烈
に煽っているわけではなく、むしろ他国との
経済的な結びつきを重視する意味で、決定的
な対立に至るのを回避する傾向があるのでは
ないか。というかどの国も決定的な勝利を得
られない曖昧な現状に順応しているのかもし
れず、もしかしたらそれは日本の現状にも当
てはまるのかもしれず、日本の政権がいくら
近隣諸国との対立を煽っても、それは表向き
のポーズであり、煽られて見せかけの対立を
演じている近隣諸国の方でも、日本の政権が
自国の防衛以外には何もできないことを見透
かしているわけで、虎の威を借る狐のごとく
日米同盟の強固な結束を誇示してみせても、
それも見せかけのポーズに過ぎないこともわ
かっていて、日本が対外的には援助金を世界
中にばらまく以外は何もできないことは、も
はやすっかり世界各国の共通認識となってい
るのではないか。しかも日本としてはそれで
構わないのかもしれず、政治的には何もでき
ないシステムとなっていて、ただそうなると
行政機構の組織的な特性が顕在化してきて、
国内の統治権限の強化を目指すような成り行
きとなり、それは中国やロシアなどと同じよ
うにメディア上の言論統制の強化が目立って
きて、実際に政府に批判的な意見を組織に封
じようとする成り行きにもなっているわけで、
そのような行為が国家的なアイデンティティ
を保つ上でも役立つわけだから、そういう意
味でも保守的な主義主張が現状に適合してい
るわけで、それと表裏一体となってリベラリ
ズムの敗北を決定づけているのではないか。
しかも必ずしも政治的な勝利を目指さないの
がリベラリズムだとすれば、別にそれでも構
わないわけで、勝利を目指さない限りで、こ
れからも少数派としてのリベラル勢力は生き
続けるのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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