文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

全て表示する >

彼の声 2017.9.20 「社会の自由度と契約関係」

2017/09/20

 人の社会的な信用が集団への帰属意識に結
びついていると、保険をかける意味でも、い
ざという時に助けてくれることを期待して集
団への忠誠を誓うことになり、集団の方でも
構成員の忠誠度に応じて人を信用することに
なるだろうか。帰属している集団への忠誠心
が厚い人ほど集団の中では信用され、その信
用がその人への信頼に転化するとその人に対
する人望も生まれ、何かの時に周囲が助けて
くれそうな雰囲気にもなりそうだが、一方で
集団にとってはそういう人ほど利用価値が高
く、簡単には逆らわないのをいいことに、次
第に無理難題を押し付けるようにもなってし
まうのかもしれず、そういう意味で悲惨な目
に遭う危険性が高いのも、集団の意向に盲従
する人々だろうし、実際にそうなると集団へ
の忠誠心は保険の役目を果たさないことにな
ってしまうだろうが、そうであるなら個人と
集団との関係は、駆け引きの関係となること
が多いだろうし、ギブアントテイクやウィン
ウィンの関係を保っている限りで、そこには
信頼関係が生まれ、お互いに信用し合うこと
になるのだろうが、一度どちらかが相手に無
理強いをしたり信頼を裏切るようなことをや
れば、途端に猜疑心が芽生えてきて、何かの
きっかけで破局的な成り行きになることも多
いのではないか。それが集団との関係でなく
ても人間関係はそうなることが多いのかもし
れないが、そんなわかりにくい駆け引きを嫌
う人は、はっきりした金銭を介した契約関係
を好むのかもしれず、ちゃんと文章として契
約条項が示されていれば、契約はそれ以上で
も以下でもなくなって、契約以外のことに関
しては無関係となるわけだろうが、もちろん
そこでも双方の間で駆け引きがあるわけで、
いかに自分の側に有利な契約を結ぶかを巡っ
て、法律の専門家などを交えて交渉の場が持
たれるような場合もでてくるだろうし、また
いったん契約を結んでからも、絶えずちゃん
と契約が守られているか確かめなければなら
ず、そこでどちらかに契約違反が発覚したら、
場合によっては訴訟沙汰に発展することもあ
るだろうし、人や集団との間で結ばれるどの
ような関係であっても、駆け引きの要素を排
除することはできないわけだ。そしてそれが
保険契約であろうと雇用契約であろうと保障
契約であろうと、関係しているどちらかが有
利になったり不利になったりする限りで、そ
こには何らかの権力関係が生じることになる
だろうし、お互いが納得して契約を結ぶとし
ても、双方にとって平等な契約というのはあ
まりないのではないか。

 人と人との関係は結局ひどいことをされて
も相手を許す心の余裕がないと、ドラスティ
ックな関係とならざるを得ないだろうし、も
ちろん心の余裕など生じ得ない状況というの
もあるだろうし、その場その時で状況に応じ
て猜疑や憎悪の念を押しとどめられる余裕が
生じるか否かで、関係の強度や柔軟性にも程
度の差が生じてくるのではないか。また関係
を結ぶに当たってその切実さにも認識や感覚
の違いがでてくるだろうし、簡単に壊れても
構わないような関係なら気楽になれるし、そ
れが死活問題に至るような関係ならできるだ
け慎重に事を運ぼうとするだろうし、それが
自分にとってどの程度の重要性を帯びている
かを判断する上で、なかなかそれを適切に評
価することはできない場合もあるわけで、し
ばしばどうでもいいようなことに執拗にこだ
わったばかりに、肝心な時に判断ミスを犯し
てみすみすうまくいく機会を逃してしまうよ
うなことがあるとすれば、そこで自分を取り
巻いている様々な関係を的確に把握できてい
ないことにもなるだろうし、そういう時にそ
の人がそれまで生きてきた経験が勘となって
働けばうまくいくようなこともあるわけで、
また偶然の巡り合わせに助けられて運が開け
たりもする場合もあるのだろうが、そこに作
用する何がうまく働いて何が障害となってい
るかについて、的確に把握するのにも限度が
あるだろうし、大概は結果的にうまくいけば
その場で生じている関係をうまく利用できた
と思うだろうし、うまくいかなければ関係を
活用できずにしくじったことにもなるのだろ
うし、そこで交渉や駆け引きをするにしても、
うまくいく場合と不調に終わる場合とがあり、
確実な結果が見えてこないときは、それほど
その場の権力関係が強固でないことになるだ
ろうが、一方的に契約を結ばされたり、強制
的に何かをやらせるような関係があるときは、
強固な権力関係によって動かしがたい結果が
設定されていることになるだろうし、権力を
行使したい側はそれを望むわけで、絶えず権
力の行使によってそのような関係を構築しよ
うとする機会をうかがっているのではないか。
それが世の中に張り巡らされている制度とな
れば硬直した社会が実現されていることにな
るわけだが、何らかの法律が制定される時に、
その内容が強制的な措置を含むものであれば、
そこに権力を行使する側の思惑が潜んでいる
わけで、なるべくそのような法律が制定され
るのを阻止した方が、世の中に自由が保たれ
るわけで、強制措置が多い社会ほど自由のな
い社会となるわけだろうが、それも強制措置
を必要とする何らかの社会的な背景があるこ
とを示しているのかもしれない。 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。