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彼の声 2017.9.17 「信用しないこと」

2017/09/17

 国家的な枠組みが何を意味しているのかは
誰もがわかっていることかもしれないが、そ
れを当然のこととして受け入れているのも誰
もが意識していることの大前提であるだろう
し、誰もが国家の存在を当然のこととして受
け入れているわけだが、それを否定するのは
非現実的な現状認識だろうし、安易に肯定も
否定もせずにその存在を相対化して考えてみ
る必要があると思うなら、国家の代わりを考
案するのではなく、それを超える存在を夢想
するのでもないとすれば、現状からどんな認
識を導き出せるだろうか。そこに住んで暮ら
している人々を社会の中に拘束するための制
度を維持しているのが行政機関であることは
言うまでもないだろうし、その行政機関の活
動範囲が市町村や郡や県や州や国などに分割
されていて、人や企業などから税を徴収して
予算を組んで、足りない分は国債や公債を発
行して活動の糧としているわけだが、問題な
のはその活動内容であり、その活動によって
住民が苦しんでいるようなら活動内容を改め
なければならないのだろうが、その苦しみが
経済活動や宗派や民族や人種や国籍や性差な
どに起因するものなら、行政機関には格差を
もたらしている不均衡の調整が期待されてい
るのだろうし、経済格差や宗派や民族や人種
や国籍や性差などから生じる対立を緩和する
ような措置が求められているのだろうが、そ
んな認識もある種の単純化でしかないだろう
し、問題ははるかに複雑に入り組んでいて、
しかもそんな現状を反映した社会が存在して
いるのであり、様々な不均衡や格差や利害や
権力関係を含んだ社会を維持するのが行政機
関の役割でもあるわけだから、選挙向けの政
治宣伝の類いなら理想論やきれいごとを主張
していられるのだろうが、そんなことを主張
したからといって民衆の信用や信頼が得られ
るわけでもないだろうし、実際には社会の中
で格差や利害や権力関係に関して主導権を握
っている勢力からの支持を得ないと政権を握
れないわけで、それらの勢力は場合によって
は民衆の間に経済格差や宗派や民族や人種や
国籍や性別などの違いで差別や対立や不均衡
をもたらしているのであり、要するに民衆を
苦しめている張本人たちの支持を得ながら政
治を行わなければならず、そうなると理想論
もきれいごとも嘘でしかなくなってしまうの
だろうが、そうだからと言って民衆の支持を
得られないわけではなく、逆に民衆を苦しめ
ている張本人たちを民衆が支持している現状
もあるわけで、要するに民衆の方でもあわよ
くば民衆を苦しめている張本人たちの仲間入
りがしたいわけで、その辺を理解しておかな
いと世論の保守化を説明できないのではない
か。

 そんなわけで世論が信用しているのは、民
衆の間に対立や軋轢や不均衡をもたらして絶
えず競争に駆り立てる成り行きであり、民衆
は騙されているわけではなく、そうなること
を承知でそんな成り行きを信用しているわけ
で、実際にそんな競争に勝ち抜いた一握りの
成功者たちを支持しているわけだ。もちろん
選挙で当選して民衆の代表者に選ばれる政治
家たちもその中に含まれているわけで、それ
は社会を構成している制度なのだろうし、あ
る意味では制度が世論を作っていると言える
だろうし、民衆の意識を支配しているのは制
度そのものだと言えるかもしれないが、一方
では制度に拘束されて苦しんでいるのも民衆
ではあるわけで、ではどうしたらいいのかと
いえば、都合の悪い部分は見ないようにすれ
ばいいわけで、意識して見ないようにしてい
るわけではなく、すでにそれが無意識の中で
動作する習慣となっていれば、いちいち自ら
の矛盾を意識しなくてもよく、それを見ない
ようにするのも社会を構成している制度に含
まれることかもしれないし、そうなるとそれ
は制度というよりは慣習だと理解しておいた
方がしっくりくるかもしれないが、それらの
どこまでが制度でどこからが慣習と見るかは
はっきりしないところだろうし、そのような
ものが渾然一体となって人々を拘束している
と捉えるしかないのではないか。そしてそん
な認識に至ったとしてもそこから抜け出るこ
とはできないのであり、いやでもそんな成り
行きに巻き込まれていることを自覚するしか
ないわけで、ではどうすればいいのかといえ
ば、あまり深く信用しないことであり、その
ような制度に支配されているからといって、
別にそれを信用することはないわけで、いく
ら信用したからといって競争に勝ち抜いて社
会の中で主導権を握れるほんの一握りの成功
者になれるとは限らないわけだから、またそ
れらの成功者たちを応援していくら崇め奉っ
てみても、成功者たちに利益をもたらすだけ
で、その他大勢にもたらされるのは成功者た
ちに抱く憧れでしかないわけだから、結局は
その程度のことだと思うしかないわけで、し
かも夢を見させてもらっただけでも娯楽の範
囲内では満足できるわけだから、それ以上の
信用はいらないのではないか。そして真にや
らなければならないことは、成功者たちの味
方になることよりも、社会の中で苦しんでい
る人たちの味方になってあげることだろうし、
それも自分たちが守ろうとしている社会が苦
しみをもたらしているのだから、矛盾を伴う
ことは確かだろうが、どちらにしても矛盾は
乗り越えられないから矛盾なのであり、自分
たちの考えていることや行なっていることが
矛盾をもたらしていることは自覚しておいた
方がいいだろうし、そんな矛盾だらけの社会
も矛盾している自身もあまり信用しないこと
が肝要なのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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