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彼の声 2017.9.15 「ニュートラルな政治感覚」

2017/09/15

 政治とは民衆の信用を得るために行う一種
のパフォーマンスであり、プレゼンテーショ
ン的な意味合いもあるだろうが、そういう面
だけだと実質的な効果はあまり期待できない
行為となってしまうが、とりあえずは民衆や
メディアに何かできるのではないかという期
待や幻想を抱かせることに成功すれば、政治
的には一応の成果が得られたことになるわけ
だろうし、そうであるなら事前に民衆やメデ
ィアから不用意なレッテルを貼られないよう
に慎重に事を運ぶ必要があるのかもしれず、
そのためには政治的な中立を装うのが民衆や
メディアを騙すには最適な戦略かもしれない
し、世の中の広範囲な支持を取り付けるのに
も、急進的な主義主張を鮮明に打ち出すより
は有利に事を運ぶことができるのではないか。
そして常に心がけなければならないのは、民
衆の代表者を装うことであり、民衆からもメ
ディアからも自分たちが信頼されていること
をアピールし続けることだろうか。そのため
には何か政治的な争点が顕在化するたびに、
民衆の判断を仰ぐ必要が出てくるわけで、メ
ディアによる安易な世論調査などでは信用で
きなければ、具体的には選挙などの住民投票
を実施する成り行きになるだろうし、そこで
住民の信任を得た上で政治を行うことになる
だろうか。それは別に民衆やメディアを騙し
ているわけではなく、実際に民衆の意向に沿
った政治を行なっていることになるのだろう
が、そう思わせるのが住民の投票を伴う政治
制度の特性であり、住民の代表者が政治に参
加しているように見せかける上で有効なシス
テムとなっているわけだ。実際には住民の意
向というよりはそのような制度やシステムを
維持管理している行政機構の意向が少なから
ず反映されていて、もちろん行政機構として
は政治的な中立を装うわけで、そうである限
りにおいて住民から信用を得られるわけだろ
うが、実質的には啓蒙と称して何かにつけて
制度を守り従うように住民を指導しているわ
けで、また行政機構の意向を反映した政治体
制にする上で、政策を巡って議会と行政が対
立しているようでは政治が滞ってしまうと考
えるなら、議会を構成する政党や議員も行政
の意向が反映するような勢力が多数を占めて
欲しいわけだ。そしてそのような傾向が議会
や行政に関わっている政治家や官僚の個人的
な思惑から生じているというよりは、集団的
な意志となって議員や閣僚や官僚などの意識
を覆うような成り行きを制度がもたらしてい
て、そこで機能しているシステムに従ってい
ると、政治家も官僚も自然とそのような集団
意志に従うように仕向けられてしまうのでは
ないか。

 制度にはそれを維持し管理する機構の存在
が欠かせないわけで、それなしでは制度が制
度として社会の中で機能しなくなってしまう
し、民衆も制度に従わなくなってしまうので
はないか。もちろんそれを維持し管理する機
構のない制度などありはしないのだろうが、
そこに集団で構成される組織形態が現実に施
設や予算を伴って存在していると、そのよう
な集団と民衆の間に権力関係が生じることは
明らかで、実際に組織の内外で権力を行使す
る機会が生じるわけで、その代表的なものが
住民や企業に対する徴税行為だろうし、また
国によっては住民に対して徴兵制を採用して
いるところもあって、徴兵された住民には命
をかけて国を守らなければならない義務が生
じるわけで、それと比べて権力とは無関係な
ように思われるが、義務教育なども行政機構
が権力を行使できる関係だろうし、さらに住
民に戸籍や国籍や住所などを登録させるのも、
それを徴税などに利用するわけだから権力関
係が働いているわけだ。そしてそのような権
力関係は義務と権利という別々の関係の中で
捉えられてしまいがちだが、民主的な国家体
制が成立する歴史的な経緯から、それらが住
民の権利として行政に対して主権や言論の自
由などの権利を勝ち取ったかのように説明さ
れてしまい、そうなると義務と権利とが表裏
一体であることが忘れられてしまうわけで、
住民から行政に向かって権利を行使している
ように見えることが、行政から住民へは義務
を課していることになるわけで、例えば義務
教育は住民が教育を受ける権利を得たのと同
時に、住民はその子供達に義務教育を受けさ
せる義務が生じていることになるわけで、そ
れに違反すれば何らかの処罰を受けるわけだ
から、そこで生じている権力関係は住民が行
政機構に従う関係となっているわけだ。権力
関係は一方的に権力を行使する側が優位に立
っているように思われてしまうのだが、あか
らさまにそうなってしまうと従わされる側が
反発してそこで対立が起こって、権力闘争が
始まってしまうのだろうし、実際に警察権力
による強制排除などを伴う各種の反対運動な
どは権力闘争であるわけだが、その一方で権
力関係を義務と権利の関係に分解してしまう
と、権利という面だけを強調すれば、従うと
いうよりも行政から何らかのサービスを受け
ているように感じられてしまうわけで、住民
には行政サービスを受ける権利があるかのよ
うに思われて、そこで行われている権力闘争
を見ないように振る舞うことができるわけだ。
そういう意味で住民の反発を最小限に食い止
めるやり方として、民主主義という政治制度
が確立された経緯があるわけで、何かそこで
住民側に主権があり、主導権を握っているよ
うな制度に見せかけているわけだが、実態は
そうではないことは踏まえておくべきだろう
し、あまりにも権利という面を強調して錯覚
を起こさないためにも、どちらか一方には振
れないニュートラルな政治感覚を保っておい
た方がよさそうで、何かあった時にそこから
前進でも後退でも機敏に動けるようにしてお
くべきだろうか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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