文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.9.4 「リスクの分散」

2017/09/04

 誰がどこの国が決定的な主導権を握ってい
るわけでもなさそうな世界情勢の中で、別に
国や国の中で指導的な地位にある人物に何が
求められているとも思えないが、その一方で
議会や行政機関やメディアなどを介して生じ
る政治的な思惑から外れたところで、何か世
の中を変えるようなことが行われているとも
思えないだろうし、そうでなくても世の中な
ど誰の思惑とも関係なく勝手に変わっていっ
てしまうようにも思えるのだが、逆に特定の
誰かとかどこかの国家とかが何らかの主導権
を握っているように見える時は、かえって世
の中が危機的な状況に陥っている時なのかも
しれず、世界中で争いや対立が絶えずに、各
地で起こっている紛争が解決の目処すら立た
ずに慢性化しているのが当たり前の状況であ
る方が、それが健全な状態とはいえないもの
の、とりあえずはそれが力の均衡とは無縁の
錯綜状態となっていることの証しなのかもし
れず、特定の勢力による武力的な支配が効力
を失っているから、いつまでたっても紛争が
集結しないのかもしれない。それが世界の混
沌と無秩序に拍車をかけているとも言えるか
もしれないが、そこに社会が構成されている
限りはそれなりに秩序が保たれているのだろ
うし、もちろんだからこそ秩序に刃向かう気
にもなれるわけで、そこから紛争が生じる可
能性が出てくるわけだが、そんな行為によっ
ていったん秩序が破壊されれば泥沼の内戦状
態となるのかもしれないが、そこまで進展せ
ずに破壊工作を抑え込んで一応の秩序が保た
れていれば、そこで経済活動が行われてそれ
なりに世の中の平静が保たれるのだろうし、
もちろん平静が保たれているように見える世
の中でも様々な対立や争いが絶えないのだろ
うが、やはり内戦状態に至ってしまう地域で
は、特定の勢力が主導権を握って世の中の支
配を強めようとする過程で、取り返しのつか
ない対立や不均衡が社会の中で表面化してし
まうわけで、そこで対立が決定的に見えてし
まうような状態になってしまうと、ごまかし
が利かなくなってしまうのだろうし、そうい
う意味で社会的な対立を煽るような行為は紛
争のリスクを高めてしまい、リスクを回避す
るには社会の中でくすぶっている人々の不満
を絶えず散らすような作用が生じていなけれ
ばならないのかもしれないが、社会の中でそ
んな役割を担っているのは、やはり娯楽の類
いなのだろうか。

 だが娯楽を楽しむには世の中が平和である
ことと経済的な余裕が必要だろうし、また平
和であることは仕事に追われて秩序に刃向か
うことも娯楽を楽しむ余裕さえない状況も作
り出しているだろうし、要するに世の中が平
和であることは、経済的に余裕のある人は娯
楽を楽しみ、余裕のない人は仕事に追われる
日々を過ごさなければならない状況を作り出
していて、それが平和な状態における社会の
秩序だと言えるだろうか。確かに仕事があれ
ばそうなるだろうが、仕事がなくて娯楽を楽
しむ余裕もなければ、秩序に刃向かって暴動
でも起こす可能性が出てくるだろうか。それ
以前に生活の糧を得られなければ餓死するし
かないわけだが、実態はもっと事情が複雑に
入り組んでいて、経済的に余裕があって暇を
持て余している人たちが、反体制的な活動に
身を投じている場合もあるだろうし、また中
には仕事と娯楽と反体制的な活動を両立させ
ている人もいるだろうし、ニートのように仕
事もやらずに親に食わせてもらいながら娯楽
に興じている人もいるだろうし、一口に反体
制的な活動と言っても、暴力的な武装闘争と
は無縁の平和的なデモ活動にとどめている人
たちもいるだろうし、議会に代表を送り込ん
で政治の場から世の中を変えようとしている
人たちもいるだろうし、一つの方法で何かに
取り組むというよりは、多元的に様々な方面
から社会に影響を及ぼすようなことを試みて
いる人たちもいるのではないか。そして別に
世の中を変えようなんて大それたことは考え
ずに、気楽にいい加減なことをやりながら自
然と社会の主流から外れていってしまう人も
中にはいるのだろうし、そうやって絶えず多
方面に分散していってしまいがちな人々の関
心を、一つの目的へと収斂させることなど無
理なのかもしれず、むしろ人々の関心が分散
していってしまう成り行きに身をまかせてい
た方が、相対的な権力の弱体化に貢献できる
かもしれないのだが、たぶんそれではまった
く説得力がないわけで、ただでさえ同じここ
ざしを持つ同士を集めて集団でまとまって力
を発揮させようとしている人たちには、そん
な態度では何もやらないのと同じだと思われ
てしまうだろう。だがそう思われてしまうこ
とも含めて世の中で生きている人たちの事情
は複雑に絡み合って錯綜し合い、その結果と
して何らかの秩序が構成されているように思
われるところと、無秩序としか感じられない
ようなところがあるのかもしれず、必ずしも
一つの方向でまとまっていないところでは、
価値観や嗜好の多様性が実現されていて、人
や集団の間の敵対関係が相殺されて減じられ
ている限りで平和が実現していると言えるの
ではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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