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彼の声 2017.8.29 「世論の変遷」

2017/08/29

 世の中では実際に何が起きているのだろう
か。何も起きていないわけではなく、絶えず
何かが起きていて、それが事件としてメディ
アで取り上げられなくても何かが起きている
ことは確実なのだろう。それが興味のないこ
とならすぐに忘れるし、興味深いことならい
つまでも覚えているかもしれない。また楽し
いことならすぐに忘れ、不快なことならいつ
までも覚えていて、定期的に脳裏に不快な記
憶としてフラッシュバックしてくるだろうか。
人は誰でも心的外傷の一つや二つは抱えてい
るものだろうが、それが数え切れないほどあ
るとすれば、いちいちそんなことにはかまっ
ていられなくなるのかもしれず、次第に歳を
経るに従って鈍感になっていけば、何とも思
わなくなるのかもしれないが、それは慣れて
きたとともに周りの状況も変わってきたこと
を意味するだろうか。誰でも昔とは状況が変
わってきたことぐらいは感じ取れるだろうし、
その昔がどれほど昔なのかも把握しているの
ではないか。絶えず意識の中で記憶を整理し
ていれば時間感覚が正確さを増して、過去に
おいて世の中で起こった出来事と自らの意識
の変遷との間の相関関係を知り得るかもしれ
ないが、それは相関関係であって因果関係で
はないのだろうし、メディア経由で知ること
になる出来事は、自らの意識を変えるきっか
けになるというよりは、メディアが用意した
世論に意識が同調することに貢献しているの
ではないか。そうであるとすると自らの意識
の変遷は世の中の世論の変遷を示すことにな
るだろうか。大雑把なところではそうなって
いると言えるのかもしれないが、世論を構成
する主要メディアに反抗していたり世論を唾
棄すべき対象とみなしていても、やはり世論
の変遷とともに反抗する内容も変わっていく
だろうし、結構昔は唾棄すべき対象であった
ものが、今の自分であったりすることもある
のではないか。そうだとすると世論と世論に
逆らう自分が時代の変遷とともに次第にずれ
てゆき、ちょうど一回転して、今や世論とそ
れに反抗する自分とが正反対の立場となった
ことにもなるのかもしれないが、果たしてそ
んなことがあり得るだろうか。本当にそうな
っていればこれほど愉快なことはないのかも
しれないが、たぶんそうなっているとしても、
そういうところだけは意図して鈍感なのかも
しれず、それがわかっていてもあえてそうだ
とは思わないのかもしれず、なぜか自らの立
場や主張が昔から変わらず首尾一貫性を保っ
ていると思い込んでいるのかもしれないが、
その一方で果たして世論が時代の変遷ととも
に変わってきたと言えるだろうか。

 たぶんそれとは違う変わり方というのもあ
るのかもしれず、昔は世の中の世論に反抗し
ていたのが、今では大して気にならなくなっ
ているのかもしれず、むしろ世論に同調する
というよりは無関心になってきているのかも
しれないし、無関心になってきたからとりた
てて反抗する気も起こらなくなってしまい、
何か自らの意識と世の中の世論との間で、同
調も反抗も起こらないような隔たりが生じて
いることに気づき始めているのではないか。
それは昔からそうだったとは思えないし、昔
はメディア的な話題に積極的に関わろうと意
識していたのかもしれず、何やらテレビの討
論番組などを真に受けて、それに反抗するこ
とから自らの主張や思想を導き出そうとして
いたと言えるだろうか。もちろん誰もがそう
だとは言えないだろうし、今もその手の討論
番組に関心を抱いている人は結構いるのかも
しれないし、それを真に受けるだけのリアリ
ティを感じられる人もまだ相当いるとすれば、
世の中の世論の形成にそういう人たちの意見
や主張がそれなりに影響を及ぼしていること
になるだろうし、それはそれでメディア的な
機能を今なお保持していることの証しとなる
のではないか。しかしそうだとしても果たし
て世論が時代の変遷とともに変わってきたと
言えるだろうか。またそれ以前に時代の変遷
というものが人々の意識に何らかの影響を及
ぼしていると言えるだろうか。それはそれな
りに影響を及ぼしているのだろうし、時代も
それなりに変遷しているだろうし、世論もそ
れとともに変わってきたとも言えるのかもし
れないが、その一方で今も昔もそんなことに
は無関心な人もいるのかもしれないし、昔は
それなりに関心があったかもしれないが、今
では無関心となってしまった人もいるだろう
し、そういう人にとっては確かに昔と今とで
は意識に変化が生じていて、世論に同調する
にしろ逆らうにしろ、昔は確かに世論に関心
があったかもしれないが、世論が時代の変遷
とともに変わってきたことによって、今では
世論に対して無関心となってしまったと言え
るだろうか。そしてメディア自体が人々に世
論に対する無関心を促しているのかもしれな
いし、そういうところでメディアそのものの
機能も昔と今とでは様変わりしてしまったの
かもしれず、確かに一部のメディアでは今で
も人々の関心を引きつけようとして盛んにセ
ンセーショナルな煽り立てをやっているとこ
ろもあるのかもしれないが、逆に無理に煽り
立てようとはせずに、できるだけ世の中の平
静を保つような配慮を心がけている面もある
のかもしれず、政治的な問題に対して人々が
なるべく関心を持たないように仕向けている
のではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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