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彼の声 2017.8.27 「目的の強化」

2017/08/27

 投資ファンドというと投資信託によって投
資家から資金を集めて、何らかの手法を使っ
て投資して、利益を上げて出資した投資家に
利益をもたらすとともに、利益の何割かを成
功報酬として受け取るイメージがあるが、そ
れがヘッジファンドともなると、市場の仕組
みやシステムの盲点を突いて、結果的に市場
から利益を奪い取るようなダーティなイメー
ジを伴い、本拠地をタックスヘイブンに置い
たりして、あらゆる手法を駆使して利益を追
い求めるのだろうが、その一方で企業の再生
を請け負うようなファンドもあるわけで、業
績の悪化した企業の値下がりした株を買い占
めて、株主総会の議決権を得て役員をその企
業に送り込んで、企業の業績を立て直して株
が値上がりしたところで売れば、確かに利益
が出るわけだろうが、実際にはその企業を再
生させる以外にも、業績の良い同業他社との
合併や子会社化を模索したり、業績の悪い中
でも他社が欲しがるような産業技術や顧客を
持っている部門だけ切り離して、それを欲し
がっている企業に売りつけたりして、そこで
もファンドに出資している顧客に利益をもた
らさなければならないわけだから、株を買い
占められた側の企業にとってみれば、ファン
ド側から厳しい要求を突きつけられて、場合
によっては再生するどころか利益を残らず搾
り取られた挙句に消滅してしまうようなこと
もあるのかもしれない。そういうケースもあ
るとすると、投資ファンドという存在自体が
弱肉強食的な経済至上主義を促進しているこ
とにもなるわけだが、蓄積した資金の再投資
を促進することに関しては、それなりに経済
を活性化させている面もあるのだろうし、一
概には否定できないというよりは、必要に促
されてそんな投資専門の集団が生み出された
と考えるのが妥当なところだろうか。

 政府が期待するのは経済成長を伴う生産的
な投資なのだろうが、国民が生活する上で必
要な生産物が足りているとなると、もはや経
済成長を促すような投資はあまり必要ではな
いことになるだろうか。日本の場合だと他の
国の国民が必要な生産物を作って、それを輸
出することによって経済成長をもたらしてき
たことも確かで、輸出先の国では自国民が生
活する上で必要な生産物を自国の産業で間に
合わすことができないから、足りないものは
輸入に頼るしかないことにもなるわけだが、
その国の国民にしてみれば、たまたま買える
範囲内で欲しいものを買うとすると、その中
には日本産の商品が含まれているわけで、別
に日本政府の期待に応えて日本が経済成長す
るように日本製の商品を買っているわけでは
ないだろうし、またその国の国民にとっても
日本国民にとっても、とりあえず日々生活し
ていること自体が生活に必要な物資が足りて
いることを意味するわけで、必ずしも産業に
よって生産されているものがその国の国民に
とって必要なものだとは言えない面もあり、
経済成長することもその国の国民にとって必
要だとは言えない面もあるのではないか。し
かしその産業の中で働いて生活の糧を得てい
る人にとっては、商品が売れないと困ったこ
とになるわけで、生産物が売れて経済成長が
起こるならそれに越したことはないわけだが、
その生産物が物や情報やサービスを伴うもの
であり、一方でそれを買って消費することに
よって人が生活している現状があって、本当
にそれが必要であるか否かはともかく、必要
に促されてそんなことが行われていることは
確かであり、誰もそんな行為を促しているの
が何なのかを突き止めようとはしていないだ
ろうし、突き止める必要が感じられないから
突き止めようとはしないのだろうが、必要も
ないのにそれを突き止めようとして、何かも
っともらしい答えを導き出したところで、果
たしてそれを真に受けることができるだろう
か。

 ともかくこれまでは持続的な経済成長に合
わせて国家体制が構成されてきたわけで、そ
れがいつの間にか経済成長がままならなくな
ってきて、今度はそれに対応して国家体制も
構成し直さなければならないと考えたいとこ
ろなのだが、どうも実態はそうではないのか
もしれず、いったん構成されてしまった国家
体制を持続させようとする力が働いているわ
けで、既存の国家体制に関わる政治家や官僚
などがいくら構造改革や行政改革などを試み
ても、一向にその手の改革が成果をあげるこ
とも実を結ぶ気配もないようで、それも現状
で曲がりなりにも成り立っている国家体制が
それなりに機能している事実がある限りは、
そうした機能の必要に促されてそんなことが
行われているわけで、本当にそうした機能が
必要であるか否かとは別の次元でそうなって
いる現実があって、そうした現実に対応して
人も物も情報も動いているわけだから、そこ
から外れて何か別のことをやる必要など感じ
られないわけで、そんな状態の中で国家体制
に新たに別の機能が加わったり、国家体制と
は別の機能を持った新たな体制が世の中に構
成されたりする余地が果たして生じるのかと
いえば、少なくとも現状の中で現状の機能を
維持するような行為からは生じないだろうし、
何かそれとは別の思いがけないところからそ
ういうものが生じるのではないかと想像した
くなるのだろうが、それが思いがけないもの
である限りは想像できないのであり、それが
何であるかを突き止めようとする必要も生じ
ないのだろうが、投資ファンドが投資を促す
目的に対応して構成されるように、国家体制
も国家体制を強化する目的に対応して構成さ
れていることは確かだろうし、人が集団でま
とまって組織的に何かを構成しようとする目
的は、絶えずそれ自身へと向かってゆく傾向
があるわけで、本当にそうすることが必要で
あるか否かというよりは、絶えずその必要を
強化しようとするわけで、そういう意味で必
要は必要だから必要であり、必要以外の何物
でもないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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