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彼の声 2017.8.26 「ビットコインとブロックチェーン」

2017/08/26

 金融機関を介して資金を貸したり借りたり
すれば利息がつくのは当然だとしても、それ
はどのような通貨であっても同じであり、そ
れは通貨自体の性質がそうであるというより
は、資金を貸したり借りたりする行為から生
じるわけで、それを専門に行っている金融機
関がどこから収入を得るのかといえば、一応
は金利収入が主だった収入源であり、後は金
融に関係した様々なサービスに伴う手数料収
入となるのだろうが、資金を貸したり借りた
りする行為も何らかの事業を行う資金を得る
ための手段としては欠かせない行為なのだろ
うし、ただその金利が相対的に高いか安いか
あるいはただになるかは、その時の経済情勢
や金融機関の種類によっても異なってくるの
だろうし、政府系の金融機関だと場合によっ
てはただに近い金利で資金を貸す場合もあり、
その場合は特定の産業を振興するためにそう
する事情が生じたりするのだろうが、そうい
う金融機関は金利収入とは別の収入源があっ
たりするのだろうし、それも市場メカニズム
を損なう恐れのない範囲内で行うことが建前
となっているのではないか。そういう面を含
めて金融制度が成り立っていることになるわ
けだろうが、それは仮想通貨のビットコイン
などにも言えることだろうし、ビットコイン
を貸したり借りたりすれば金利が発生して、
借りた資金を返す時には金利分の利息を払わ
なければならず、それは他の一般の通貨の場
合と変わらない。ただ取引が仲介者なしでユ
ーザー間で直接行われ、その取引がネット上
のブロックチェーンと呼ばれる公開分散元帳
に記録され、その取引の検証や記録作業をコ
ンピュータ上で専用ソフトを使って行った者
に、新たに一定額のビットコインが報酬とし
て発行されるという仕組みであり、結局はビ
ットコインを得るための検証や記録作業を行
う人や業者の間で競争が起こって、大規模で
高性能なコンピュータと人員をそろえて組織
的に行う業者でないと、作業がコスト的に割
りに合わなくなってきて、その方面で利益を
得たのは、ビットコインが世間的に騒がれる
前から検証や記録作業に関わってきた人や業
者と、騒がれ始めてから大規模かつ高性能な
設備と人員を整えて同業他社との競争に勝ち
残った業者となったらしく、そういうところ
は他の産業分野と変わらない成り行きなので
はないか。

 ただ金融機関などの仲介者を通さずに取引
ができるから低いコストで決済が可能で、そ
れだけ資金の流れが迅速になる利点があるの
だろうが、それも今までの経済活動の延長上
でそうなっているわけで、既存の市場メカニ
ズムや金融システムを根底から覆すというよ
りは、それに新たな方向性が加わったと考え
るのが妥当なところだろうし、今後ビットコ
インが既存の通貨に代わって優勢になったと
ころで、別に金融機関が駆逐されるわけでは
なく、ビットコインの大口ユーザーになれば
いいだけで、ビットコインを集めて貸し借り
を行えば金利収入が得られるわけで、そうい
う面での変化は期待できないわけだが、通貨
自体は確実に国家の枠組みを超えているので、
そういう面ではより一層のグローバリゼーシ
ョンが進行することは確かだろうし、それだ
け国家の形骸化も進行するのかもしれない。
もちろん現状ではビットコインで買い物する
人はまだまだ少数派だろうし、そんなに普及
しているわけではなく、何かのきっかけで廃
れる可能性さえあるわけだから、現状で極端
な未来を予言する気にはなれないが、新しい
通貨によって世の中が変わるというよりは、
新しい通貨の利用法によって新たな産業分野
が生まれて、その産業分野が話題となれば何
か世の中が変わったように思われるのではな
いか。ビットコインの場合でも真っ先に世間
の話題となったのはそれをめぐる詐欺事件だ
ったわけで、何やら怪しげなことが行われて
それが詐欺などの犯罪の温床になっている程
度の認識だったのが、それがいつの間にかブ
ロックチェーンというシステムが話題となっ
て、それに関連して金儲けの手段としてのビ
ットコイン採掘業者という摩訶不思議なネー
ミングの仕事が一部で脚光を浴びて、すでに
そんな話題がメディアを通じて出てきた時に
はその方面での競争が過熱していたわけだが、
結局それがカリフォルニアのゴールドラッシ
ュのような一過性の出来事で終わるのか、あ
るいは何らかの役割を担って、広く社会に定
着するような職業となるのかはよくわからな
いが、例えば、契約等の法律行為の適法性等
について、公権力を根拠に証明・認証する者
として公証人という職業があるように、ブロ
ックチェーンの公証人として今後そんな役割
を担う職業が世の中に定着する可能性もある
のではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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