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彼の声 2017.8.24 「金融資産の膨張」

2017/08/24

 20世紀末の情報革命以来、金融資産が増
えているということは、単純に考えれば銀行
などの金融機関の預金量が増えていることに
もなるわけで、預金量が増えるということは、
預金者が銀行に資金を貸していると捉えれば、
金融機関にとってそれは負債となるわけで、
もちろん金利がただ同然の利率なら貸してい
る感覚も借りている感覚も薄れて、銀行に資
金を預けているだけとなってしまうわけだが、
金融機関はそれを個人や企業に資金として貸
し出さないと利息などの収入を得られないか
ら、当然それを貸し出すことになって、そう
なれば資金を借りた側の個人や企業の負債に
なるわけで、要するに金融資産が増えている
ことは、同時に負債もそれだけ増えているこ
とにもなるわけだ。資金を借りた個人や企業
などが何かのきっかけで一斉にその負債を返
すめどが立たなくなれば、金融恐慌ともなる
のかもしれないが、普通は借りた資金を返済
する過程も一気に全額返済するのではなく、
小口に分けて分割払いによって長期間にわた
って計画的に利息とともに少額ずつ返済され
るわけで、通常の経済状態ならば預金が一気
に全額引き出されることは稀であると同時に、
借りた資金の返済もそれなりに分割返済が継
続していれば何の問題もないわけで、また原
理的には金融資産は借りた側が払った利息の
分だけ増えるわけで、預金金利よりは貸出金
利の方が高いのが常識だろうから、金利の差
額分だけ金融資産が増えることにもなるわけ
だが、それも物価上昇などによって他の資産
の価格が上がれば相対的に金融資産の額が増
えても資産の割合は変わらないわけだが、物
価の上昇率や経済成長率よりも金融資産から
得られる利子の方が高ければ、やはり金融資
産だけが膨張することになるのかもしれない。
もちろん金融機関の収入は他に各種の手数料
収入もあるわけで、手数料は資産運用などの
顧客が金融機関に払う手数料であるから、利
子から得られる収入と手数料収入と金融機関
自体の維持経費の収支がどうなっているのか
も考慮しなければならない。

 そうなると結局は金融機関自体の維持経費
と預金者に払う利息と、資金を貸した個人や
企業などから入る利息と顧客の資産運用など
各種の手数料収入と、金融機関自身が行う株
式や債券などの売買や為替取引から得られる
収支がプラスになっていれば、金融機関に利
益が出ていることになるわけだが、全体とし
て金融資産が増え続けている成り行きがある
とすれば、直接個人や企業に貸し出す資金需
要が弱く、顧客の資産運用から得られる手数
料や自身が行う株式や債券などの売買や為替
取引から利益を出すしかなく、そうなると金
融資産の枠内だけで資金が循環していくこと
にもなるわけで、それ以外の、例えば個人が
住宅ローンを利用すると、個人が金融機関か
ら借りた資金が住宅を建設する企業や土地を
売買する会社へと還流するわけで、また何ら
かの商品を製造販売する企業が事業を拡大す
るために銀行から資金を借りる場合は、その
資金が新たに雇用した企業の従業員の給料や、
商品を製造する機械設備や工場などを建造す
る企業などへと還流して、そのような資金の
還流が促されるとそれが経済成長へとつなが
るわけで、たぶん金融資産の枠内で資金が循
環しているだけでは経済成長へはつながらず、
経済成長がなければ金融資産以外の資産が増
えないから、相対的に金融資産だけが膨張し
ていくことになるのではないか。もちろん資
産運用先で何らかの生産的な事業が行われて
いれば、それが資産運用先の国での経済成長
へとつながるわけで、たぶんそういうところ
で経済のグローバリゼーションが関与してく
るわけで、資産運用先はより大きな利益を求
めて自然と経済成長が著しい地域へと移って
いき、経済活動が停滞している地域よりは活
発化している地域の方が利益を得やすいのは
当然であると同時に、損失を被るリスクも高
まるわけで、また仮に投資がうまくいって多
額の利益を得られたとしても、そうやって資
産運用している人の資産が増える以外では、
あまり経済効果は期待できないのかもしれず、
例えば資産を増やした人が贅沢品を買ったと
ころで、それは資産運用とは無縁の一般人と
は無関係なことでしかないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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