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彼の声 2017.8.21 「契約関係」

2017/08/21

 現状では賃金を伴う労働が産業を支えてい
ることは確かで、それが現行の経済活動が成
り立つ上での前提条件であるわけだが、一方
でそんなことは言うまでもないことであり、
それ以外の労働などあり得ないと言っても過
言ではない状況なのだろうが、そのこと自体
が問題なのではなく、そのような賃金労働を
なくそうとすることが現実的に可能なのでも
ない。それよりは機械技術の助けを借りて過
酷な労働をなくそうとする傾向に現実的な改
善の余地があるのだろうし、また普通に労働
していればごく一般的な水準の生活が確保さ
れるような状況を作り上げることも、現実的
な政治課題となっているのではないか。そし
てたとえ失業しても路頭に迷うことなく必要
最低限の生活が送れるような行政的な配慮が
なされていることが、普通の国家のあり方と
して人々の共通認識になっている実態がある
わけだ。だがその一方で普通の労働や一般的
な水準の生活や必要最低限の生活や普通の国
家のあり方などを巡って、どの程度であれば
そう言えるのかが政治的にもメディア的にも
見解の別れるところなのだろうし、福祉の充
実を推進したい政治勢力やメディア関係者な
どは現状ではまだ不十分だと主張するわけで、
そのためには政府や自治体などの予算をどの
分野にどれくらいの額を割り当てるかを巡っ
て、主張や見解に違いがあるのだろうし、ま
た福祉に関連して公的な保険制度などの面で
も、財政面での悪化を防ぐために何らかの制
度的な改善を求めているのではないか。そう
であるからには別に労働そのものの是非が問
われているわけではなく、年金生活者や扶養
家族などを除くと賃金労働者として働くのが
当然であり、それ以外は個人事業主や企業経
営者やオーナーとなるわけだ。それらは全て
労働にも消費にも関わることであり、要する
にそこで暮らしている人々は皆経済活動に関
わっているわけだが、労働は富を生み出す過
程で労力を消費する活動であり、そういう意
味で生産的な消費活動とも言えるわけで、人
の活動は一方では富を生み出すために自らの
体力を消耗し、もう一方では生み出された富
そのものを消費する活動となっていて、どち
らも何らかの消費を伴うわけで、富を生産す
る過程で労力の消費が生じ、また富を消費す
る過程で楽しみの生産が生じると言えるだろ
うか。そういう意味で説明の都合上は生産活
動と消費活動を便宜的に分けて考える傾向が
あるが、厳密に考えるなら生産と消費は一体
となった活動であり、生産と消費は対立する
というよりは同時的に生じる活動なのかもし
れない。

 労働に関して問題視されているのは、過酷
な労働が苦しみを生産している現状があるか
らだろうが、それが苦しみに耐えなければ幸
福をもたらせないような苦しみではなく、苦
しみに耐え続けることが不幸そのものである
ような状況となっていることが問題なのだろ
うし、そこで賃金的な見返りでは埋め合わせ
が利かないような場合は過労が生産させるわ
けで、それが場合によっては死や病に至るわ
けだが、経済活動が人そのものを消費しなが
ら成り立っている現実があるわけだから、労
働を起因とする躁うつ病や過労死なども人が
そこで消費された結果として生じているわけ
だ。そうである限りにおいて賃金と労働との
等価交換が成り立っていない状況があるのだ
ろうし、等価交換という概念自体がそれをそ
うみなすかどうか疑わしく思われるわけで、
労働の見返りに賃金を受け取るような契約関
係が、平等な関係だとは言えない事情もある
ことは確かで、普通に考えても労働者を雇う
側の方に権力があるのは明らかであり、行政
の側で労働者の権利を保護するような法律が
設けられているにしても、そんな法律が設け
られていること自体が、労働者側が不利な立
場であることを物語っているわけだが、たぶ
ん企業内の組織形態が今後変わってゆく可能
性はあるだろうし、それが機械技術の革新に
伴って生じるかどうかは今のところはよくわ
からないが、それは特殊なケースでしかない
が例えばNBAのプロバスケットボールだと、
チーム内のスター選手の意向でヘッドコーチ
やGMが替えられてしまうこともあるわけで、
それもチームの成績不振などが理由でそうな
るのが普通なのだろうが、中には地区でぶっ
ちぎりのトップを快走しているチームで、他
の地区の強豪チームに大敗したことから、こ
のままでは優勝できないとスター選手が発言
したことが発端となって、ヘッドコーチが交
代させられて、そのスター選手と仲の良かっ
たアシスタントコーチがヘッドコーチに昇格
して、そのまま優勝してしまった経緯もあり、
そのスター選手の権威が他の誰よりも強くな
っていることが明らかとなってから、その次
のシーズンでは優勝できなかったことが発端
となり、チーム内のナンバー2のスター選手
が自分がチーム内で主導権を握れるチームへ
のトレードをGMに要求する尾ひれまでつい
てしまった顛末もあるわけだが、企業でも株
式会社という組織形態が全盛になるにつれて、
会社に資本を出資する側と会社を経営する側
との分離が可能となって、会社の創業者やそ
の一族の権限が制限される事態も出てきて、
それがそのまま従業員の権限の強化に至って
いるわけではないが、これから企業や行政な
どの組織形態が変わる可能性が全くないとは
言い切れないだろうし、それとは別の次元で
労働の見返りに賃金を受け取るような契約関
係にも何らかの変化が生じる可能性はあるの
ではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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