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彼の声

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彼の声 2017.8.20 「幻影の実在」

2017/08/20

 幻影は実体のない情報だと思えるが、それ
が何に結びついているかというと意識に結び
ついていて、意識が何に結びついているかと
いうと脳に結びついていると言えるだろうし、
それは物であり脳は人体の一部であるから、
結局は幻影は実体のない情報ではなく、人自
身と結びついた情報であると言えるだろうか。
そういう意味で情報は実体のある物と結びつ
いていることになり、幻影の一種である幽霊
なども幽霊の出る場所と結びついていると言
えるだろうし、そこで誰かが幽霊を見たとす
ると、物である誰かがその場所で幽霊という
幻影と結びついたといえるのかもしれず、そ
こで物と人と情報が意識の中で結びついたと
も言えるのではないか。そんなわけで幻影が
実体を伴うのは物である人と結びついた時で
あり、幻影は人の意識から発生した情報であ
り、また画像や映像によって幻影を捉えたと
したら、その画像や映像を人に見せているメ
ディア媒体と結びついた幻影だと言えるだろ
うか。つまりメディアを介して幻影が世の中
に広まるのは世の常だと言えるかもしれない
が、そのような幻影が標的としているのは世
間が構成する集団的な意識なのかもしれない
し、集団という実体はそうした幻影を共有す
ることによって力を持ち、そうした幻影に煽
られて集団で同じ行動を起こすことでその力
が実体化するのだろうが、彼らが見ている幻
影というのが彼らの力と行動で示されるとし
たら、簡単に言えばそれは選挙結果であり世
論調査の結果なのかもしれないが、それ以外
にも彼らが守り従っている法律や慣習なども
その部類に入るのかもしれず、また彼らが支
持している政治勢力や、彼らが好んで消費す
る何らかの商品を生産させる力ともなるだろ
うし、そうなるもはやそれは幻影ではなく実
体を伴っているわけだが、彼らが見ている幻
影と実際に存在する物とが重なり合うとすれ
ば、それは彼らの意識の中で重なり合うわけ
で、そこで何らかの物質的な実体を生じさせ
るエネルギーは、やはり労働によって実現さ
れるのかもしれず、実際に人は限りある時間
の中で労働によって何かを作り出し、その作
り出された何かが人も社会も変えてゆく成り
行きがあり、そんな成り行きが歴史そのもの
なのだろうが、人は労働によって歴史をも作
っていることになるだろうか。

 だが人が見ている幻影は人でも言語でも労
働でもなく、たぶん神でもないのかもしれな
い。幻影はそれらすべてを含んだ別の何かか
もしれないが、例えば神を見た人は幻影を見
たのではないのだろうか。神の存在を信じて
いる人にとってそれは幻影ではなく実体だ。
ならば幻影とは何なのか。幻影とは世界その
ものだろうか。たぶん幻影を見た人はそれが
幻影だとは信じないのかもしれず、それは実
在する何かだと思うのではないか。その存在
を信じて疑わない人にとって、それは幻影で
はなく実在しているのであり、この世に存在
する何かだと思うのではないか。では人は存
在しないものを見ることはできないのだろう
か。それが存在しないものだと信じれば幻影
は存在せず、それが存在していると信じれば、
それは存在しているのだから幻影ではなくな
る。ならば存在している幻影というはあり得
ないのだろうか。たぶん画面やスクリーンに
映し出されているのは幻影であり、それは実
際に存在しているのではないか。そこに存在
しているのは画面やスクリーンでしかないわ
けだが、その表面には幻影が映っていて、人
はそれを見ることはできるが直接触ることは
できない。要するに幻影に直接手を下すこと
はできないが、個人や集団が何らかの作用を
及ぼすことはできるのではないか。具体的に
はそれを見なければそこから影響を受けるこ
とはないわけで、だから幻影を使って人や社
会に影響を及ぼそうとする人たちは、あらゆ
る手段を使って幻影を見させようと画策して
くる。では幻影を見させようとする誘惑に逆
らえるだろうか。たぶん逆らえないから人は
暇さえあれば四六時中画面に映し出された幻
影を見ているわけで、幻影を見ている間はそ
こに視線が釘付けになってしまうので、他の
ことをやれなくなってしまうわけだ。もちろ
んやってできないことはないだろうが、意識
が幻影に夢中となり、他への注意力が散漫と
なって、やるべきと思う作業が中途半端に終
わってしまうだろうか。たぶんそれだけでは
なく、逆に幻影を利用して何かをやろうと画
策する人も出てくるわけで、現状では多くの
人たちがネット経由で幻影を見せる側に回っ
ているわけで、実際に文字や画像や映像や音
などを用いて何らかの幻影をもたらしている
わけだが、そのような行為も労働だと言える
だろうか。あるいはそうやって次第に労働か
ら外れてゆく成り行きを作り出しているのだ
ろうか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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