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彼の声 2017.8.18 「グローバリゼーション」

2017/08/18

 20世紀末の情報革命以来、世界的なグロ
ーバリゼーションの流れは止めようがなくな
ってきたわけだが、そこでよく言われるよう
に国境を越えようとする人や物や情報や資金
の流れを止めようがないわけではなく、行政
的な面では有形無形の様々な制度や慣習によ
ってある程度はそれらの流れが国境で止まっ
ている現実があるのだろうし、そうした流れ
に反対して抗う人たちにも主義主張や実際の
行動や言動などの面で変わってきた兆候や傾
向があるのだろうか。主にアメリカを本拠地
とするITやSNSなどの関連企業は、情報
を扱うことを本業としているので、インター
ネットを経由して容易に国境の壁を突破して
いる現状があるわけで、実際にそれをテコに
して広告収入を得たり物や情報を売り込んで
利益を出していて、そうやってアメリカ本国
とアメリカ以外の地域から利益を吸い上げて
いる構図がはっきりしている。また他のグロ
ーバル展開している各国の主要な企業もその
企業が専門としている様々な産業分野で、世
界中から利益を吸い上げている構図もあるの
だろうが、そうした現状からわかることは、
まだ国ごとに関税障壁やその他の非関税障壁
があるものの、そうした障壁を乗り越えてそ
れなりに利益を出しているのだから、そうし
た実態が現状でのグローバリゼーションの進
捗状況を表しているのだろうし、そうした流
れに反対して抗う人たちも、自国の主要な企
業がグローバル展開していることに関しては
それほど反対していないのかもしれず、そう
いうところでは昔のような戦争をして自国の
領土を拡張するようなあからさまな侵略行為
は、今や国際的な政治状況の中では許されて
いないので、それよりはかなり後退した国家
主義的な感覚として、自国の主要な企業が世
界各国に展開して利益を吸い上げてくる行為
なら、それほど抵抗感なく肯定できるのだろ
うし、またその逆に外国の企業が自国で利益
を吸い上げていることに関しては不快感をあ
らわにするわけだが、その延長上で自国の産
業を守るために外国からの経済開放要求には
反発するわけで、そうした相対的な是々非々
の立場を取っている限りは、良くも悪くも世
界の現状を追認していることになるのではな
いか。そこに矛盾を認める必要はないのだろ
うし、実際に矛盾でも何でもなく自然な感情
の発露なのだろうし、それに関してあまり理
性的になって正しい認識を示す必要は感じら
れないのだが、そういうところで思考停止し
ている方がかえって現状に順応しやすいのか
もしれず、それがグローバリゼーションに抵
抗しながらも受け入れようとする自然な姿勢
なのかもしれない。

 日本国内では米軍基地や原発事故などの問
題も絡まって、かなりこじれたことになって
いるのかもしれないが、それらにしても抵抗
しながらも受け入れている現状があるわけで、
その辺で微妙な均衡状態が成り立っているよ
うに見えながらも、事態は水面下で少しずつ
何らかの突破口を目指して進んでいる可能性
もあるのかもしれず、あからさまに抵抗の意
志を示すことは大事なのだろうが、そうやっ
ても事態の解決が望めないからといって諦め
るのではなく、ただ普通の感覚として抵抗し
ていることが自然な感情の発露となるのかも
しれず、何もそこから意志の力を借りて激情
に駆られる必要はないのだろうし、すぐには
事態の解決を望めないとしても、不快な成り
行きには淡々と抵抗していくことが肝要なの
だろうか。そして何かに抵抗していることが、
実際にはっきりした行動や言動となって現れ
るのは稀なことかもしれず、それを日頃から
意識していなくても、何かのきっかけや機会
が巡ってきた時に、自然に出てしまうことが
あるわけで、そうなる可能性に期待している
ならば、メディア上でなされるこれ見よがし
の煽動行為にいちいち腹を立てるにしても、
そうした見え透いた行為には惑わされないよ
うに心がけていれば、そんなに苦にはならな
いのではないか。ともかく現状で進行してい
るのがグローバリゼーションなのであり、危
機的な状況を煽り立てている人たちの予言し
ている内容がそうなのではないことは確かで、
一方が現実でもう一方がフィクションである
のはもちろんのこと、しかもフィクションの
方が興味深く感じられる一方で、実際に体験
しつつある現実の方は結果がはっきりしない
から、いつまで経っても謎のままなのかもし
れず、予言者や予想屋などが断言口調でこう
なるとは言えないものでもあり、どうなるか
わからないからこそ、とにかく不快に思われ
ることには自然に抵抗し続けることしかでき
ないのではないか。そしてそんな漠然とした
抵抗に見切りをつけて総論賛成各論反対的な
単純化によって問題を整理整頓してしまうと、
予言者的なフィクションに足元をすくわれる
しかないわけで、実際に単純明快かつ安易な
解決方法などあり得ないからこそ、それがあ
り得ないような現状の中でグローバリゼーシ
ョンを体験し続けているわけだ。この先選挙
などで何らかの選択の機会が巡ってくるわけ
だが、その選択結果によって問題が解決する
ようなことはないのはわかりきっていて、そ
こで安易な解決法を提示したがる政治勢力が
政権を担っても、それがうまくいかなくなっ
て落胆しかもたらさないこともわかりきって
いることかもしれないが、実際にそうなると
すれば、案外そうした人々の落胆がグローバ
リゼーションの真実を物語っているのかもし
れない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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