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彼の声

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彼の声 2017.8.7 「必要なものと欲しいもの」

2017/08/07

 突き詰めて考えると人は何を必要としてい
るわけでもなく、ただ必要だと思い込んでい
るわけで、例えば他人が羨むようなものを手
に入れたら自慢したくなるだろうし、そうで
なくても社会の中で人並みの生活を送りたい
だろうし、社会人として恥ずかしくないよう
な身だしなみを整えたかったりするわけで、
そうすることが必要だと漠然と思われるのは、
実際に社会の中で暮らしている実態があり、
とりあえずは身の回りの環境から何かしら影
響を受けているからそう思われるわけで、そ
ういう部分で必要だと思われることは、その
人が個人的にそう思っているだけではなく、
他の人たちも漠然とそう思っていると想像で
きるわけだが、本当は何も必要でなければ、
そのまま何もやらなくなって餓死するしかな
いだろうか。たぶんそうはならないだろうし、
実際には何もやらなくなったから餓死するの
ではなく、何もやれなくなったから餓死する
のであり、では餓死しないように働いて日々
の糧を得ているのかというと、そこまで追い
込まれている貧困層は全体の中では少数派だ
ろうし、多数派は餓死する危険性を感じてい
るから働いているのではなく、もっと次元の
異なる欲望を抱きながら働いているのであり、
具体的には欲しいものを手に入れるために働
いていて、また実際に手に入れたものを保持
し続けたいから働いていたりするわけだ。そ
してその欲しいものや実際に手に入れものが
その人にとって必要であるかというと、当人
は必要だと思ったから手に入れようとして、
実際に手に入れたものも一つや二つではなく、
様々なものをこれまでにも手に入れてきたわ
けだろうが、確かにそれらを必要だと思い込
むことはできるのだろうが、本当に必要であ
ったかどうかは確信が持てないのかもしれな
いし、そんなことを突き詰めて考えてしまう
と、必要とはどのような水準で必要だと定義
すればいいのか、その辺が曖昧でよくわから
なくなってしまうのかもしれないが、もしか
したら必要であるかないかということ自体が、
当人にとってはどうでもいいことなのかもし
れず、確かにそれを切実に求めているような
心理状態になることがあるだろうが、その切
実に求めているそれが何なのかといえば、ど
ちらかというとそんなに必要でもないものを
執拗に求めている場合があるわけで、そうい
うものに魅力を感じてしまうのは、メディア
をはじめとする周囲の環境から影響を被った
結果として、それを欲しいと思い込んでしま
うようなものなのではないか。

 そうである限りにおいて欲しいものは人か
ら人へと伝染するのかもしれず、他人が欲し
いと思うから自分も欲しいと思い、その一方
で商品の広告宣伝からも影響を受けてしまう
だろうし、それは必要か否かよりはそれを欲
しいと思うことが優先されてしまうわけで、
何らかの商品が世の中で流行していれば、そ
れを人々が欲しているから売れている以外で
はなく、必ずしも必要だから売れているわけ
ではないのかもしれず、確かに衣食住に絡む
生活必需品と呼ばれるものは、人が社会の中
で生活していく上で必要だとされているのだ
ろうが、それでさえも様々な種類があるうち
で特定の商品が売れていれば、別の商品では
なくその商品である必然性は希薄なのかもし
れず、それも必要だからというよりはそれが
欲しいと思う人が多いから、特定の商品が他
の商品より売れている実態があり、そういう
ところでもその商品の必要性は二の次となっ
ているのではないか。そうだとすると本当に
必要であるものを欲しいとは思わない場合も
あるのかもしれず、例えば人にとって水は必
要不可欠であり、実際に夏場の暑い時期には
小まめな水分補給が欠かせないし、それを怠
ったばかりに熱中症にかかって死にかけるこ
ともあるわけだが、そういう次元で水が必要
であることと、特定のブランドのミネラルウ
ォーターを欲しがるのとは全く別のことだと
は思われるが、金銭的に余裕のある人たちは
水道から直接水を飲まないで、浄水器を通し
た水を欲しがったり、ペットボドルで売って
いる水を飲もうとするだろうし、そこで余分
な一手間をかけられるだけの経済的な余裕を
求めているわけだ。そういう人たちにとって
は、例えば車は単なる移動の手段であるだけ
ではなく、また荷物を運ぶ手段であるだけで
もなく、エンジン音が心地よかったり、車内
のインテリアが贅を尽くされていたり、スピ
ードが出たり加速が良かったり馬力があった
り、そこに様々な付加価値が加わったものを
欲しがるわけで、結局はそういうところで金
銭的な手間をかけられるかどうかに関して、
人々を社会の中で競わせる成り行きになって
いるのかもしれず、何がそれを競わせている
のかといえば、商品の広告宣伝がそれを煽っ
ているのだろうし、実際にそういった付加価
値の高いものを買って欲しいわけで、それを
買った人たちが優越感に浸れるような社会情
勢であって欲しいのではないか。そして付加
価値の高いものが売れるほど、それを製造販
売している企業に利益が出るわけで、できれ
ば多くの人が背伸びして付加価値の高い商品
を買ってもらいたいのだろうが、それが必要
であるかというと、必要であるはずがないの
だろうが、宣伝効果によって欲しいと思わせ
ていることは確かであり、そういう成り行き
が本当に必要としているものをわからなくさ
せているのかもしれないが、果たして人にと
って本当に必要であるものがあるのだろうか。
たぶん自分にとってならそれは思い込みにし
かならないのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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