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彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.8.2 「やめられない事情」

2017/08/02

 投資とは何らかの事業を行うために資材を
投じることだが、すでに事業を行なっていて、
その事業からもたらされる利益が蓄積されて
資産が形成されているような場合、その資産
を事業に投資してさらに資産を増やそうとす
るだろうし、そんなふうに投資の目的が資産
を増やすことだけだとすれば、ひたすら事業
を拡大していくことになりそうだが、事業を
拡大するのも資産を増やすのもそれなりの限
界はあるだろうし、単純な目的は方便にすぎ
ないのかもしれず、実質的には事業を継続さ
せることが目的として妥当であったり、また
ある程度資産を築いたらそれを使って生活を
楽しんだりするだろうし、一概に全てを目的
のために犠牲にするわけにもいかない事情も
出てくると、そういうところで苛烈な競争原
理は弱められてしまうのかもしれないが、目
的が何であれそれを愚直に追求する気になれ
なければ、中途半端な妥協を強いられてもそ
れほど否定的な気分にはならないのかもしれ
ず、何を実現しようとしても、それを実現で
きなくてもそれほど困った事態にならなけれ
ば、実現を諦めてしまうことだって可能とな
り、その辺でいくらでも妥協ができる成り行
きとなってしまうのだろうが、そもそも別に
定まった目的を自覚していない場合もあるわ
けだから、人の意志というのはそんなにあて
になるようなものでもなく、目的が何であれ、
目的よりは実際に行われていることにその人
は依存しているわけで、人はその場で何かを
やりつつも、やっている現状の中に囚われて
いるのであり、たとえそのやっていることが
目的と一致しなくても、そんなに困った事態
とはなっていないのではないか。それよりや
っていることと目的とを一致させようとする
と、かえって無理が生じて困った事態となっ
てしまう場合もあるわけで、そうなるとそこ
で何が信用できないのかといえば、当然目的
を追求しようとする意志が信用できないわけ
で、自らが実際にやっていることが目的とは
背理してしまっていることを無視しようとし
ているわけだから、それではそこで何かをや
っている現実を見ていないことになってしま
うし、目的とは背理したことをやっている自
らを認められないわけだから、そうなってし
まった時点で自家撞着を修正できなくなって
いるのではないか。

 ひたすら事業を拡大させて資産を増やすこ
とが無意味な行為だとは思えないだろうが、
実際にそんな成り行きになれば、人の意志と
は無関係にそうなっていくのだろうし、現実
にそういう方向で事業展開している企業など
もあるにはあるのだろうが、それを阻む要素
がなければ、事業も企業も特性としてはそう
いう方向へと向かっていく反面、ひたすら延
延とそうなるとは思えないし、現実に何らか
の限界があるようにも思われるわけだが、そ
のような成り行きに巻き込まれている人たち
が何を考えているかなんてあまり重要なこと
ではなく、実際にそういう方向へと動いてい
る人たちにしてみたら、意志の力でそれに逆
らうことなどできないわけで、それよりもそ
んな方向へと動いている自分たちを肯定し正
当化する必要に迫られているのかもしれず、
切実に思っているのはそういうことだろうし、
その場の状況に依存しているからそう思える
わけだが、たぶんそういう成り行きを批判す
るのは、そこから距離を置いた人たちなのだ
ろうし、そこに巻き込まれている人たちとは
立場が異なるから批判できるだけで、批判し
ている人たちが同じ状況に置かれたら批判す
ることなどできないばかりか、やはりそんな
成り行きに巻き込まれている自分たちの立場
を肯定し正当化することしかできないのでは
ないか。そういう意味でも人が何を思い考え
るかはその場でやっていることに依存するの
だろうし、しかも思っていることや考えてい
ることをやっていることに一致させることは
できるが、その逆はなかなかできないのであ
り、そこで優先されるのは現実にやっている
ことであり、考えや思いが優先されることは
まずあり得ないのかもしれない。つまりもう
すでにそんなことをやってしまっている現実
があるわけだから、どれほどそれが理不尽な
ことであろうと、それをやってしまっている
当人たちには、そのやっていることを肯定し
正当化することしかできず、そんなことをや
っている現状がある限りは、いくらそれを批
判されてもやめられないだろうし、実際にや
めるわけにはいかない事情が生じていて、そ
の事情とはそれが継続されている現実そのも
のなのだろうし、そんな現実に加担している
人にとっては、現実を拒否し批判するような
思考にはリアリティを感じられないわけだ。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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