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彼の声

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彼の声 2017.7.20 「インフレの幻想」

2017/07/20

 普通に考えると商品の需要が供給を上回っ
て、物不足に陥ると物価が上がってインフレ
になるのだろうが、もしかしたらそんな単純
な理屈だけで構わないのかもしれず、欧米や
日本などの先進諸国でなぜインフレが起こら
ないのかといえば、実際に物不足ではないか
らで、商品が充分に足りている限りはインフ
レにならないのが当然であって、それ以上に
深く難しく考える必要はないのかもしれず、
実際に物不足が深刻なジンバブエやベネズエ
ラなどでは深刻なインフレに直面しているわ
けだから、理屈としてはそれで正しいのだろ
うし、それ以外の理屈は不要なのかもしれず、
もちろん日本では物価上昇率が2パーセント
程度のインフレが期待されていて、それは物
不足が深刻になるほどのハイパーインフレと
は違うわけだが、そうであっても需要が供給
をわずかに上回る程度の持続的な経済成長と
もたらすインフレ目標という微妙な言い回し
がご都合主義的な表現であって、果たしてそ
んなことが政治的に調整可能なのかというと、
元から無理だったのかもしれないし、政治宣
伝としてはそんな目標を掲げざるを得なかっ
たにしても、それと表裏一体の言い回しとし
てのデフレからの脱却にしても、脱却しよう
としている現状がそれほど深刻だとは思われ
ないような状況であることは確かで、マスメ
ディアの商売上は大げさに騒ぎ立てなければ
ならないのだろうが、結果から言えばインフ
レ目標にしてもデフレからの脱却にしても空
騒ぎの感を免れないわけで、しかもそうであ
ってもジンバブエやベネズエラなどの深刻な
状況と比較すれば、何でもないような状況で
しかないわけだから、いくら現政権の経済政
策を失敗だと批判したところで、それは程度
の問題でしかないことは踏まえておくべきで、
また逆にベネズエラの深刻な経済状況をすぐ
に短絡的かつ単純化して、社会主義だから駄
目なんだと宣伝したがる輩がいるとしても、
それも別の意味で程度の問題でしかないだろ
うし、石油関連産業による国内経済の独占支
配から脱却したくて、アメリカを敵に回した
結果がそうなったわけで、それは数十年前の
イランでも同じようなことをやってアメリカ
を敵に回した結果が、核開発の因縁をふっか
けられて経済制裁を受けて深刻な経済悪化を
もたらしたのと似ているわけだが、そういう
のは理屈というよりは歴史的な経緯が絡んで
いるわけで、社会主義だから駄目で資本主義
だからいいという単純な論理では片づかない
ことは確かであり、またそれらの事情とは全
く程度が違う日本の現状も、理屈だけではど
うにもならない問題があるのかもしれない。

 とは言ってもそれについて考えるには、あ
る程度は理屈から推理していくしかないわけ
だが、たぶん商品が必要なだけ行き渡ってい
て、しかも所得に応じた物を買っていれば、
それなりに暮らして行ける社会にあって、ど
うやれば高望みさせて無理な買い物をさせる
かということになってしまうと、かえってそ
う仕向ける方が危ないわけで、返済できない
ほど借金して物を買って破産しても、誰も助
けてはくれないわけだから、分相応な買い物
をするのが無難だし、必要以上に買う必然性
がなければ、いくらプレミアムフライデーと
か言って消費を煽ってみても、そんな軽薄な
ムードに流されるほど愚かな人はそうはいな
いだろうし、そういう無理に消費を促すよう
な仕掛けとは違う方面で、無駄遣いとは違っ
た行為が流行っているのかもしれないし、流
行っているというよりは、あまり金のかから
ない楽しみを各人が趣向をこらしながら求め
ている面があるのかもしれず、例えば定年間
近の中高年が、安くてコンパクトなスポーツ
カーを買って、週末になるとドライブに出か
けるとか、バブル時代のような世の中の流行
に敏感に反応して前のめりに消費を駆り立て
られるようなことではなく、ある程度は余裕
を残した消費であれば、それほど過剰な購買
意欲など湧いてこないだろうし、そういう意
味でよほどの突発的な事件でも起こらない限
りは、商品の供給が不足するような事態とは
ならないだろうし、物資が豊富に出回ってい
る中で質素な生活を心がけられる余裕があり、
そんな心理状態を保っていれば、必要以上に
見栄を張るような成り行きにはならないだろ
うし、富裕層はそれなりに見栄を張れるだけ
の財力があるから、高級ブランドで身を固め
られるだろうが、財力をあまり期待できない
一般市民がそれを羨ましがるかというと、経
済格差がはっきりしている中では、別に羨ま
しがる気も起こらないのかもしれず、中間所
得層がそれなりの割合を占めていた時代には、
その中で競争や見栄の張り合いが起こって、
虚栄心に目覚める人たちもそれなりにいたの
かもしれないが、どうあがいても富裕層には
近づけないように思われるなら、はなから競
争を放棄しているようなところもあるのかも
しれず、そんなわけで笛吹けど民は踊らず的
な時代背景の中で状況が推移していて、少な
くとももはや急激な経済成長は望めないわけ
だから、分相応な消費でそれほど不満がなけ
れば構わないわけで、政治力によって無理に
消費を刺激するには及ばず、商品も必要な分
だけ供給されていれば、それで困ることがな
いようにも思えるのだろうが、それでも政治
的に景気刺激策を施さなければならない事情
もあるだろうし、絶えず消費を煽るような宣
伝活動を行なっていれば、それで何かやって
いることにはなるのだろうし、政治とはそう
いうものだと割り切って見ておいた方が無難
なのかもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
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