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彼の声

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彼の声 2017.7.17 「経済の虚構」

2017/07/18

 どのような産業分野でも経済活動が進展し
ていくと、経済競争を勝ち抜いた少数の企業
が大規模集約化してその業種での主導権を握
るようになるわけだが、他の中小企業が全て
なくなるわけではなく、大企業がやらない分
野で隙間産業的に生き残る場合があるだろう
し、何らかの専門分野に特化して、その企業
でしかできないことをやっている場合は、同
業の競争相手が出てこない限りは事業を継続
できるだろうし、そういうところで大企業と
中小企業との間で住み分けが成り立っている
分野がありそうで、そんな中でも多くの企業
が規模の大小を問わず互いに連携していて、
物や情報の生産や流通や消費などの面で取引
があり、人的な面でも機械技術的な面でもサ
ービスのやり取りもあるだろうし、企業は単
体で動いているわけではなく、企業と企業と
の間で取引やサービスのネットワークが築か
れていて、垂直方向での統合関係や水平方向
での分業関係がある限りで業務提携などが行
われていて、それらの関係の中に組み込まれ
ている人数も膨大になるだろうし、企業だけ
でなく関連の業界団体や監督官庁や一般の消
費者などを含めると、さらに膨大な人数がそ
こに関わっていて、そんなことまで考えてゆ
くと、商品に関する単純な需要と供給の関係
や、生産や流通の面での機械技術やシステム
の効率化や技術革新などからでは説明できな
い部分もかなりありそうなのだが、それに加
えて資金繰りなどの金融面や、組織内部での
人事や派閥抗争などからも、特有の傾向や性
質が導き出せるだろうし、そんなことまで含
めて全てが経済の問題かというと、そうでも
ないような気がするし、経済ではない問題は
政治問題と言えなくもないだろうが、それぞ
れの面が連動している部分もあるだろうし、
別々に動いている部分もあるだろうし、それ
らをひっくるめて一つの理屈や理論では説明
できないのはもちろんのこと、それについて
考えたり語ったりできるのは、ある一面に過
ぎない場合がほとんどだろうし、別にそれで
構わないのであり、そこに言説的な限界があ
ることを承知しておかないと、何か現実離れ
した物語でしかなくなってしまうだろうし、
それに関する一面的な思考から何らかのフィ
クションが構成されるとしても、それは仕方
のないことであり、そうなるのが当然の成り
行きなのかもしれない。

 確かにその全てを包括的に把握するのが難
しいとしても、ある一面的な理解から何らか
の特徴的な傾向を導き出すことはできそうで、
その特徴的な傾向としてわかることは、そこ
で人が生活していく上で必要とされる物や情
報が生産されているとしても、実際に物や情
報の生産に直接携わっている人の割合は産業
人口全体から見れば驚くほど少なく、その他
の人たちが何をやっているのかといえば、生
産された物や情報を取り扱っているのであり、
それらを広く世の中に流通させ消費する過程
で何らかの仕事が生じていて、そんな仕事に
就いている人が大半であり、しかも仕事の内
容は千差万別なのであり、一概には同じ水準
では論じられないような多種多様な仕事があ
って、それらの仕事を賃金労働として同じに
扱うことはできないのかもしれず、別種の労
働に携わっている人たちを同じ労働者とみな
すこともできないのかもしれないし、そうな
ると労働者の間で連帯感が生じることもない
だろうし、各人が抱えている問題も仕事内容
が違えば異なってくるだろうし、そんなふう
にして給料も仕事内容も異なる人たちを、同
一の基準や水準で考えるのは無理がありそう
で、また組織内外での役職や立場から対立関
係や敵対関係にある場合までありそうで、し
かもそこで生じている様々な関係から必要に
応じて何らかの仕事が生じているとすると、
関係が変わればそれが必要ではなくなること
もあるわけで、何らかのきかっけで業務的な
連携関係や協力関係が変わって、仕事を生じ
させているネットワークが何らかの変容を被
れば、ある日突然その仕事が不要になってし
まうこともあり得るわけで、そうなるとそも
そも仕事自体がそれほど切実に必要とはされ
ていなかった場合があるわけで、現状ではた
またまそんな仕事があって、それに携わって
いる人もそれなりに必要であるかもしれない
が、その状況が変わればすぐに不要になって
しまうような仕事なら、その程度の仕事に有
能な人材を配置することもないわけで、また
それが技能などの面で熟練を要する仕事でな
ければ、貴重な技術者として手間暇かけて教
育する必要もないだろうし、そういう面から
も労働の内容にも賃金にも格差があって当然
だという認識が、労働者の間でも共有される
ことになるだろうし、ただでさえ労働者の大
半が物や情報の生産に直接携わっているわけ
ではなく、また仕事の内容にも賃金にも格差
があって当然の状況である限りは、労働者と
資本家の対立とか従業員と管理職の対立とか
が、もはやフィクションとしか機能していな
いのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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