文学

彼の声

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彼の声 2017.7.2 「語りの匿名性」

2017/07/02

 たぶんそれがどのような程度であるにして
も、意識して現状を変えようとして実際に変
えるのは難しいことだが、容易に変えられる
ようなことなら変わらないこともないだろう
し、実際に何らかの現状を変えようとして変
えている現実もあるわけで、誰もができる範
囲で現状を変えようとして、結果として思い
通りに変えられるわけでもないにしても、何
かしら変わっている状況もあるだろうし、そ
うであるなら何かをやることは絶えず現状の
変化に結びついているのかもしれないが、そ
の一方で変えようとしても一向に変わらない
現状というのもあるだろうし、そんな現状の
変わらない面というのが、変えてはならない
面であるわけでもないのだろうが、実際に変
わらない現状の中で何かを行なっているとす
れば、そこで結果的には同じようなことが繰
り返されているから変わらないのかもしれな
いし、逆にひたすら同じようなことを繰り返
すことができれば、それを繰り返している限
りは現状が変わっていないとも考えられるが、
それでも何かのきっかけでいつもとは違うこ
とをやれたならば、すでにその時点で現状が
変化していることになり、それが思い通りと
はいかないまでも、いつもとは違うことをで
きれば、それだけで現状を変えたことになる
だろうか。それが変えたのか結果的に変わっ
てしまったのかは、その時の成り行きにもよ
るだろうが、どちらにしろ現状を変えるには、
いつもとは違うことをやればよく、実際に違
うことができれば現状が変わったことになる
のかもしれず、逆にやろうとしてできなけれ
ば、現状を変えることができなかったことに
なるのではないか。安易に言えばその通りか
もしれないが、それでは大方の人は納得しな
いだろうし、何か現状を変えるというのは、
変えたいと欲している現状を変えたいわけで、
意識して目的や目標に従って現状を変えよう
と試みることであり、そこに個人や集団の変
えようとする意志が介在した上で、それらの
思うような変化を引き起こそうとするわけで、
思っているのとは違う変化が起こることは望
んでいないだろうし、そうあってはならない
ような変化が引き起こされるとすれば、逆に
そういう変化は阻止されなければならず、そ
ういう面で一概に現状の変化を望んでいると
しても、それは望んでいるような変化を引き
起こすために努力した結果としての変化にし
たいのだろうし、そうなると変化の過程も範
囲もそれだけに限定されてきて、そうやって
目標や目的が定まってくれば、変化の方向性
や度合いを恣意的に固定するような思惑も生
じてきて、望み通りの変化を引き起こすのは
より一層の困難が伴うだろうか。

 ただ具体的に何をどう変化させたいのかが
不明のまま、一般論として変化について語ろ
うとすると、そんなふうに語ることができる
だけで、語るのと実際に何らかの変化を起こ
そうとするのとはまったく違う動作になるだ
ろうし、何にしても語るだけではただ語って
いるだけにすぎず、実践としての行為の方が
重要に思われるだろうし、実際にやってみな
いことには何もわからず、実践として何をど
う変えたいのかによっても、そのやり方も困
難の度合いも違ってくるのだろうが、一応は
それを語ることによっても、語っている水準
に限ればそれ相応の変化を起こすだろうし、
語ることは全くの無駄ではなく、語ることか
ら行為として目的や目標が生じるなら、それ
について語ることにも何らかの効果があるだ
ろうし、それを目指して語っていることにも
なるわけだが、中にははっきりした目的を見
出せない語りというのもあるだろうし、例え
ば一見何も語っていないように思われる語り
は、ただ語るためだけに語っているのかもし
れず、そうなると語る目的がその目的自身に
折りたたまれて、語ること自体を目指して語
っているに過ぎなくなってしまうわけだが、
そうであるにしても意識の中では語ることの
意義や意味が見出さなければならないのかも
しれず、そうでないと語りそのものが現状と
は無縁の空疎な内容になってしまい、それに
関していったい何のために語っているのかを
明らかにする必要がなければ、そこに具体的
な語る目標や目的が生じてこないのかもしれ
ないが、それを明らかにできないまま漠然と
語ろうとしてしまうと、焦点が定まらずに語
っている内容から意識がずれてきて、語って
いるうちに何について語りたいのかわからな
くなったり、語れば語るほど語りたいと思っ
ていた内容から遠ざかっていってしまい、そ
ういう成り行きに従うべきか否かも、その場
の判断として何か重要に思われるようなら、
そんな成り行きになってしまう事情について
も考える必要も出てきそうで、そうなると想
定外の事態がもたらされて、そこからあらぬ
方向へ思考の迂回路が分岐していって、語る
ことが一つの目的では収まりがつかずに、語
る理由をうまく説明できなくなってくるのか
もしれず、そんな分散作用によって語ってい
る内容と語る目的とが一致しなくなってくる
と、当初に抱いていた目的が語りから除外さ
れても構わないような成り行きにもなりかね
ず、その結果として語り自体もその内容も語
っているつもりの意識とは別に独立した思考
対象ともなってくるわけで、そうやって語り
が語り手の意識から分離して、語りの匿名性
が生じてくるのかもしれず、実際に語ること
によって実践的な行為を促すような効果が期
待されるのは、特定の誰かが語っているよう
な内容ではなく、誰かが語っていることであ
り、誰もが語り得るような内容なのではない
か。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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