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彼の声

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彼の声 2017.7.1 「公共の利益」

2017/07/01

 信用は人や集団のやっていることが社会的
に認められることから生じる。そうした社会
的な信用が得られる過程で、人や集団が過去
の意匠を借り受けるやり方というのが、よく
ありがちな手法と確立されているのかもしれ
ず、誰もがそれとなくわかるような伝統的な
スタイルを纏うことで、保守的な安心感を得
ようとするわけで、そうやって伝統的な権威
に配慮しつつも、時事的な流行現象の中で利
益を追求するやり方というのが、いわゆる新
自由主義的な手法だったのかもしれないが、
その中身はもはや受け入れられた当初におけ
るような好意的な反応を伴っていないだろう
し、理論的にもその有効性が証明されている
わけでもないし、実際に行政の無駄を省くよ
うな構造改革を標榜しながらも、旧来の官僚
主体のやり方から抜け出せていないわけで、
既得権益を守ろうとする官僚主義的な縄張り
意識から脱却できずに、財政面での肥大化に
歯止めがかからないままに、目下のところは
掛け声倒れの形骸化が進行中なのかもしれな
いが、構造改革自体はまだ看板を下ろすわけ
にはいかないのだろうし、例えば水道事業の
民営化などが取りざたされているわけだが、
仮に水道事業が民営化されたとしても、財政
赤字が減るような成り行きとなるわけでもな
いだろうし、結局民営化された事業への監督
官庁からの天下り先が確保されることにでも
なれば、民間業者による公共事業への食い込
みと官僚の天下り先の確保を目的として、従
来通りの官民癒着的な構造が保たれ、それに
よって官僚主義的な非効率が解消されるどこ
ろか、かえって既得権益の強化が図られて、
無駄な公共投資への税金の無駄遣いと、監督
官庁による民間企業への指導に名を借りた管
理傾向が強まるだけで、そうなると新自由主
義というのも、国家主義という過去の意匠を
現代風に模様替えしただけとなってしまいそ
うで、それによって何が改まるわけでもなく、
既得権益に与する政財官の各勢力が、自分た
ちの利権を確保する目的で、何やら偽りの改
革勢力を装っていることにもなりそうで、果
たしてそんなやり方が今後ともまかり通るこ
とになるかどうかはわからないが、どうもそ
れによって国家が危機的な状況になるという
よりは、そういう傾向は昔からあったわけで、
それが国家の本質的な傾向だと言えなくもな
く、それに対して政治的にどのような新機軸
を打ち出せるかが問われているとしても、新
機軸というのが改革を装った過去の意匠の踏
襲以外に何があるのだろうか。

 現状の延長上では機能的にもシステム的に
もそうなるより他はあり得ないのかもしれず、
そういう水準で考えても他には何も出てきそ
うにないだろうが、それとは別の方面から考
えればまだ何か現状が改まる可能性を想像で
きるだろうか。例えば規制緩和というのも、
それによって利する勢力が政府と結託してや
ろうとしているわけで、公的な事業の民営化
も各種の規制緩和も、それを行うことによっ
て利益を得られそうな勢力が推し進めようと
して、一方でそれによって不利益を被ると予
想される勢力は、当然のことながら抵抗勢力
となって反対するわけで、事を単純化すれば
それだけのことなのだろうが、直接の利害と
は別に効率性や安全性などといった判断基準
を設けても、最終的にはそれを行うことによ
って利益を得る勢力と不利益を被る勢力との
対立が解消されるわけではないだろうし、そ
こで行うかやめるかの政治判断が迫られるわ
けだが、それが建前論的に国民のためになる
政策なのかどうかというよりは、国民の中で
利益を得る人がどれほどいて、不利益を被る
人がどれほどいるかについて、何か説得力の
ある説明ができるのかとなると、実際にやっ
てみないことにはよくわらないことの方が多
いだろうし、反対派はやってからでは遅すぎ
で、いったんやってしまえば取り返しがつか
なくなると主張するだろうし、そうだとして
も後戻りができないことが実際に行われてい
る最中なのだろうし、行われた後から様々な
弊害が指摘されるのだろうが、実態としては
何かをやってしまった後から、弊害が指摘さ
れることに関しては改善案を検討して、それ
が後から付け足されていくわけで、そんな試
行錯誤が今後も繰り返されるしかないわけだ
が、結局そんな中でも何が信用できるのかと
言えば、一部の支援者の利益を確保しようと
するよりは、公正で公平なことをやろうとす
る勢力の方が信用できるだろうし、そういう
ことの延長上で言えば、自国の利益よりは世
界の利益を尊重する勢力の方が信用できると
いう理屈も成り立つのかもしれないが、そこ
までいくと疑問を感じる人が大勢出てくるだ
ろうし、そこにも国家という枠組みの限界が
出てくるわけで、自国の利益と世界の利益が
一致しないということ自体が、国家の矛盾そ
のものかもしれないが、それ以前に自分の利
益と国家の利益が一致しないかもしれないし、
自分と国家と世界の利益も一致しないかもし
れないのだが、自分が不利益を被ろうとも公
共の利益を優先させるのが政治であるならば、
その公共の利益というのが何なのかをうまく
説明できない限りは、政治を信用するわけに
もいかないのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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