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彼の声 2017.6.29 「物と情報」

2017/06/29

 物には情報が張り付いている。食物として
なら摂取することによって栄養を得ることが
できるし、資源としてなら加工して別の有用
な材料となったり、燃料として機械類の動力
や電力などを生み出したりもするが、物に張
り付いている情報は価値そのものだ。簡単に
言えば値段がついている。価格がついていれ
ば貨幣と交換が可能だ。物が商品とみなされ
ていればそうなるが、それが売っていれば買
うことができるわけで、売り物でなければ買
うことはできないだろうし、それだけ買える
物は限定されてしまうだろう。全ての物が商
品であるわけではない。そうなると貨幣と交
換できる物は限られてくるだろうか。だが物
に張り付いている情報はその手の価値だけで
はない。物には名前がついている。物の性質
も言葉で説明されている。それが物に関する
情報であり、人と物とが関係することによっ
て付与された情報だ。物には情報が張り付い
ているというのは、人から物を見たイメージ
であり、物が社会の中で利用されるその使用
法に則った情報ということになりそうだ。も
ちろんその中には物の売買に起因する情報が
あるわけで、それが物の値段であり価格なの
だが、物と交換する物としての貨幣も、実際
に商品と交換する時は物の一種なのだが、ク
レジットや銀行などからの振り込みとなると、
物であるよりは数値的な情報でしかなく、買
い手から売り手へと価格を表示する数値情報
が加算されるに過ぎず、物としての端末から
その操作が行われるにしても、売り手から買
い手へと物が受け渡される一方で、買い手か
ら売り手へは情報が伝達されることになり、
さらに商品が物ではなく情報であれば、それ
は単なる双方による情報交換ともなるわけだ
ろうが、売り物が物ではなくサービスという
こともあり得るわけで、そうなると買い手は
売り手からサービスを受けることになるわけ
だが、一般的に言えば人が行うサービスとは
労働の類いとなるだろうか。人ではなく機械
が行うサービスというのもあるだろうし、例
えば自販機から物を買うと、表面的には物と
貨幣との交換となるにしても、部分的には金
を払って物を受け取る機械的なサービスを受
けたことにもなるだろうし、機械自体の製造
やメンテナンスには人が絡んでいるだろうか
ら、その部分に関しては人的な労働をサービ
スとして提供されたことになるだろうか。

 貨幣には価格という情報が張り付いている。
商品としての物と物とを交換するよりは、物
の価格を決める貨幣と物とを交換する方が、
便利で使い勝手がいいから、物と貨幣を交換
するやり方が商売を通して広まったことは確
かで、貨幣の利便性というのは何よりも蓄積
に適していることだろうし、さらにそこから
利便性を追求した結果として、銀行口座など
の数値情報への置き換えが普及してきて、将
来はその先の進化形態としてビットコインな
どの仮想通貨へと移行するかどうかはわから
ないが、商品が物であり人が物を利用しなが
ら生きている限りは、その生活には物と物と
の交換や物とサービスとの交換が介在するこ
とになるわけで、交換のすべてにわたって情
報だけとはならないわけだが、文明や文化自
体が人や物の利用に関しての情報の蓄積から
成り立っているだろうし、人が機械を利用す
ることでそういう傾向を飛躍的に増大させた
結果が、現代文明となって現れているわけだ
から、そんな情報の蓄積の一部でもある貨幣
の蓄積には、その傾向が顕著に表れているだ
ろうし、蓄積が利用を生み利用が蓄積を生ん
で、蓄積と利用の相乗効果によって経済活動
を活発化させ、蓄積と利用の双方を増大させ
ようとする傾向にあるわけで、物としての資
源の利用に限界があるとすれば、その限界を
突破するために情報の利用に活路を見出そう
として、物の生産と流通と消費だけなく、情
報の生産と流通と消費に、人的資源を重点的
に割り当てようとする傾向が、情報革命と言
われる20世紀末から続いている産業構造の
変容が示しているところなのかもしれないが、
人に情報を提供したり人から情報を摂取しな
がら、人を情報によってコントロールしよう
とするサービスが、経済的な水準ではやはり
貨幣の蓄積と利用の増大に貢献しているのか
というと、ある面ではそうだとも言えるだろ
うが、別の面ではそれと同時に負債の蓄積と
利用の増大にも貢献しているだろうし、貨幣
の蓄積と利用を増大させるにはまずは金を借
りなければならないわけで、金を借りれば負
債ができるわけだが、そうやって負債を絶え
ず増大させながらも、借りた金を運用しなが
ら貨幣の蓄積を実現しなければならず、要す
るに経済活動を活発化させることは、貨幣の
蓄積としてのプラスと負債の蓄積としてのマ
イナスの両方向への拡大を伴うことになるの
かもしれず、果たしてその収支がプラスマイ
ナスゼロよりはプラスに振れていることを信
じられるかということになりそうだが、どう
も実態としては収支がゼロであってもマイナ
スであっても構わず、その振れ幅が大きけれ
ば大きいだけ経済活動が活発化しているよう
に思われてしまうのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
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