文学

彼の声

この世界について、この社会について、この時代について、未来について、過去について、人々について、自分が日頃感じていることを率直に語る。

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彼の声 2017.6.26 「大衆心理」

2017/06/26

 この世界では絶えず何かが生じていて、そ
れが興味深い出来事であれば、それを感知す
る意識に何らかの心理作用をもたらしている
だろうが、そこで時間が経過しているように
思われること自体が、自身を取り巻く世界と
その世界に含まれる自身が、時間の経過とと
もに変化しているようにも思われるだろうし、
その中で起こっている出来事も自身や世界の
変化と連動していると感じられるだろうか。
そこからさらに考えれば、時が経つにつれて
世界も自身も変化しつつあるから、そこで何
らかの変化が生じていることの証しが時間の
経過そのものであり、その中で何かが生じて
いることは変化が生じていることにもなり、
要するに世界に存在する全ての物事が何らか
の変化を起こしていることになるだろうが、
変化する物事に合わせてそれに関わる人も物
も動いていることにもなるだろうし、その動
きも変化であり、人や物が動いた分だけ意識
は変化を感知し経験するわけで、そんな経験
から人や物に対する考えや感覚もそれだけ変
わることになるだろうか。その変化が規則的
に起こっていれば、そこで人や物に関する共
通の規則を見出せるのかもしれないし、そう
なるとその規則に基づいて、この世界の秘密
を解き明かすような一定の理論が導き出され
るかもしれないが、物理学的な水準では確か
にそんな理論が求められていて、古典力学か
ら相対性理論や量子力学など、事物の運動を
説明する理論が色々と導き出されているわけ
だが、社会的な水準での人や物の動きに関す
る理論となると、恒常的に成り立つような理
論を求めようとしても、決定論的にも確率論
的にも部分的な現象は説明できても、一定の
レベルで様々な動きや情勢を包括的に説明す
るまでには至っていないだろうし、それが成
り立つことを妨げるようなノイズや偶発的な
要素などからの作用が著しい場合が多そうで、
何らかの出来事や現象が起こった結果を説明
するには、何らかの一つまたは複数の理論か
ら演繹的に説明するよりは、歴史的な経緯を
そのまま帰納的に説明する方が、時間経過に
伴う変化の成り行きや概要を正確に説明でき
るだろうか。

 そうであるにしても連続的な時間変化にと
らわれてしまうと、突発的な出来事が起こっ
た理由を説明できなくなるだろうし、原因の
定かでない出来事や現象を説明する必要も生
じないのかもしれず、それが起こった結果と
してどうなったかがわかればいいだけで、全
ての結果の起源を求める必要はなく、過度に
起源を求めようとすれば神話に行き着くしか
ないわけで、神話になってしまうと虚構が含
まれてくるわけで、それが実際に起こった何
らかの出来事に触発されているとしても、そ
れを後から物語るのに都合のいいような作り
話の部分の割合も多いだろうし、その物語る
のに都合のいい部分というのが、それらの神
話を共有する部族や民族に見られる共通の規
範や慣習を反映していたりするのだろうが、
そういう場合は過去の経験や記憶から抽出さ
れた認識の確からしさから、彼らの共通のア
イデンティティを作り上げていて、そこに時
が経ち時代が移り変わっても、確固とした風
習として信じようとする意志が介在している
のだろうし、そのアイデンティティを基に構
成される集団的な自我を保ち続けている場合
もありそうだが、そうやって変わらない伝統
の類いを保持し続けていることを確信したと
ころで、集団的な自我では意識できない部分
で変わり続けている面もあるのかもしれず、
例えば遠い昔の記憶が意外に新しい時代の創
作だったりする場合も多く、そういう場合だ
と伝統などの起源を遠い昔に求めることで、
近い過去に起こった伝統の断絶を覆い隠そう
とする意図が介在していたりもするのであり、
そうでなくても人は時の経過とともに老いて
ゆくわけだから、過去の自分と今の自分とで
は容姿が違うことぐらいは充分に感じ取れる
だろうし、それをはっきりと意識しているに
もかかわらず、変わらない自己を誇示したが
る性分もあるわけで、実際に過去と現在が違
っていることをしみじみと身にしみて実感す
るような出来事に遭遇すれば、そこから物事
に対する真摯で謙虚な認識や態度が生じて、
時の経過とともに身の回りの事物が変わって
ゆくのに合わせて、自らも変わり続けている
ことを認めざるを得なくなるのかもしれず、
そうやって周囲の環境や状況の変化に意識を
対応させたいところだろうが、たぶん多くの
人が長期間にわたってそれなりに安定した世
の中で暮らしている分には、ある程度は似た
ような共通感覚にとらわれているのだろうし、
そういう部分では自分の経験や経験から導き
出された認識や感覚が他人にも当てはまるよ
うにも思われるだろうし、そういう共通感覚
を想像できるところが、社会の中で同じ規範
を共有していると思われている人々のアイデ
ンティティとして、大衆心理のような集団で
共有する感覚をもたらすのかもしれない。そ
してそんな何となく肯定できるような雰囲気
や空気が、選挙結果や世論調査などにも反映
されて、とりたてて何をやっているわけでも
ない政治勢力に対して、それを支持する人々
に安心感や居心地の良さをもたらしているの
ではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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