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彼の声

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彼の声 2017.6.23 「立場の可動性」

2017/06/23

 現状で世の中に影響を及ぼしている諸々の
作用のうちで、どれを強めてどれを弱めれば
理想とする社会が実現するか、などという問
いが、政治の実践からはかけ離れた抽象的な
問いに過ぎないとしても、理想的な社会に模
範例があるわけでもないから、もとから問い
に対する正しい答えなど期待できないのかも
しれず、そもそもそういう問いの立て方自体
が間違っているのかもしれないが、ただ漠然
と社会の理想像を夢想するぐらいならいくら
でもできそうで、それの実現へ向けて活動し
ている政治家がいるという作り話も、選挙ポ
スターなどに記された政治宣伝の類いにはあ
りふれているかもしれないし、現実にその人
が社会の中で置かれた立場や境遇が、見当は
ずれな夢想を許さないような問題に直面させ
るだろうし、そこで政治家という立場や境遇
に置かれた人物がどのような発言や行動を促
されているかは、その活動を現実の問題に結
びつける上で必要な政党や行政などとの関係
から、自ずから定まってくるようにも思われ
るが、そんな政党や議会勢力の枠組みから受
ける制約の中でも、それなりに理想に向かっ
て活動している人がいれば、有権者はその行
動や発言の中身で支持するか否かの判断を下
せばいいのだろうが、その一方で諸々の社会
的な関係の中で、政治家がどのように機能し
ているのかを考えてみる必要もありそうで、
議会での機能や行政の長や大臣などの役職と
しての機能などにおいて、彼らを取り巻く人
や集団との関係がどうなっていて、その関係
の中で政治家がどんな役割を果たしているか
が、たぶん彼らの行動や発言を規定している
のかもしれず、それらの関係の中で実際にや
っていることが、彼らの行動や発言となって
現れているわけだから、メディアなどを通じ
て明らかとなる行動や発言の中身が、彼らを
取り巻いている諸々の関係と結びついている
ことは確かだろうし、そうだとすれば実際に
彼らが何をやっているかで支持するか否かの
判断を下すしかなく、本来それは政治家個人
の人柄や思想信条などとは別次元の話なのだ
ろうが、メディアが取り上げなければ何をや
っているのか定かでなく、その活動に関する
情報があまり得られない場合には、やはり人
柄や思想信条に加えて経歴や学歴などが判断
材料となってしまうし、またどの政党や会派
に属しているかも重要な判断基準ともなって
しまうのだろうが、そうなると政党や会派な
どの集団的な動向で判断することにもなって
くるわけで、そこでどのような決定がされる
にしても、その意味するところが、果たして
メディアが伝えるようなことなのかどうかに
関して、自分なりに考えてみる必要があるだ
ろうか。

 政治的に何が決定されるにしても、議会や
行政といったすでに出来上がった制度の中で
決定されるわけで、またそれに対して世論の
次元で不安や懸念が表明されようと、それも
メディアなどの制度的な枠内で表明される不
安や懸念であり、別にそれらの制度が悪いわ
けではなく、制度的な枠組みで決定されない
と政治的には何も決まらないだろうし、世論
というのも世論調査の結果として一応は信頼
のおける統計的な数値を伴っているわけだか
ら、そこで何かはっきりしたことがわかるの
だろうが、それが全てではないこともわかり
きっているわけで、それが全てでなければ何
が全てだとも言えないが、そこでなされる決
定が全てでなくても構わないわけで、別に政
治の場で全てを決定する必要もないわけだが、
その政治的な決定が世の中のほんの一部の分
野に影響を及ぼすに過ぎないということが、
メディアなどの報道からでは伝わりにくいこ
となのかもしれず、政治家の方でも自分たち
の活動が世の中の全てを決定するわけでもな
いことを自覚すべきなのかもしれないが、政
治的な制度もメディア的な制度も、それが社
会の方向を決定してしまうような重大な制度
のごとくに思われ認識されてしまうような傾
向が、それらの制度に携わる人や集団の間で
共有されている可能性があり、そうやって事
を大げさに捉えすぎるあまりに、かえって政
治的な選択や世論的な動向の面で身動きが取
れなくなってしまうのかもしれず、主義主張
の面で今ある現状から一ミリたりとも動けな
いように思わせる空気が蔓延していて、そこ
に固定観念と昔ながらの対立形態を維持しよ
うとする思惑が介在しているのかもしれず、
何か特定の立場や境遇の中にとどまっていな
いと信用できないような融通の利かない状態
を懸命に保とうとしているのではないか。し
かしそれは意識の面ではそうであっても、実
際にやっていることはそうでもないわけで、
それらのこだわりや対立に大した根拠はない
のかもしれないし、対立が双方の間に決定的
な亀裂を生じさせているわけでもないのかも
しれず、立場が固定されているように思われ
ても、主張の中身は可動的にいつでも揺れ動
いていて、よく見れば対立するどちらの主張
も大して変わらない面もあるだろうし、同じ
ような主張でも立場が異なれば、場合によっ
ては激しく批判され反対されるが、それが同
じ陣営からなされる主張ならば賛同され賛成
されることもわけで、そこで賛成する立場と
反対する立場とに便宜上は別れるにしても、
その中身にそれほどの違いがないのならば、
別にどちらであっても構わないのであり、議
会などで激しく対立しているとしても、それ
ほど深刻で切実な問題とは言えないのかもし
れず、そうであれば実質的には激しく対立し
なくても構わないわけだが、役割分担上はそ
うせざるを得ないところが、何か無自覚な演
技としか感じられないわけで、そういう意味
でもはや政治的には激しい非難の論調はいら
ないようにも思えるのだが、やはりそうせざ
るを得ないところが、政治的な限界を形作っ
ているようにも思われてしまう。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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