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彼の声 2017.6.21 「関係の相対化」

2017/06/21

 人と物と情報との関係はそれぞれを効果的
に活用することによって、あるいはそれらの
組み合わせやその活用の仕方を巡って、その
場の状況に応じた特有の関係が築かれるのだ
ろうが、資本主義社会は様々な関係の中で主
に金銭を介した関係で築かれていて、他の地
縁や血縁や愛情や友情などの諸関係も、それ
に付随して複合的に絡んでくるのだろうが、
金銭的な関係によって他の諸々の関係から生
じる不合理な面を、覆い隠したり清算するこ
とができるように思われるから、他の関係に
勝る有効な活用法として社会の中で重宝され
ているのだろうし、皮肉を込めて世の中には
金で買えないものはないと言われるのにも、
それ相応の真実が含まれていて、例えば権力
関係に伴って生じる服従の強制や、それに対
する抵抗や反発などの抗争から逃れる術とし
て、金銭的な解決策があるだろうし、逆に金
銭的な関係から服従の強制などの権力関係が
生じている現実もあるだけに、どちらにしろ
金銭を介した権力関係というのが、資本主義
社会では決定的な優位を保っている状況にあ
るだろうか。もちろんそれを打ち砕く方法と
して武力が行使されることもあるわけだが、
武器も金銭的な権力関係から生産されるわけ
だから、全ての面において万能な方法という
わけでもないし、軍事力や警察力などを担う
暴力装置の大部分は国家が占有している実態
もあるわけで、武力の行使にはそれが行使さ
れる条件や状況が限定され、金銭を介した権
力の行使よりは有効範囲が狭いだろうし、行
使に伴って生じる損害や損失など危険もそれ
だけ増すような事情が出てきそうだが、そん
なことも含めて結局はその場の状況に応じて
様々な関係が構築され、構築された関係に伴
ってその場で生じる権力の行使にも様々な形
態があるのだろうし、その中で金銭を介した
関係や他の様々な関係が入り混じって解きほ
ぐし難い様相を呈していて、そこで特定の勢
力が他の勢力を圧倒するような力の差があれ
ば、一方的な力の行使によって役割分担や階
層的な序列が定まって、安定した関係が構築
されることもあるだろうが、またそうでなけ
れば権力の行使を伴う抗争が慢性化して、不
安定で流動的な成り行きとなることもあるだ
ろうし、いずれにしてもどのような関係がそ
こで主導的な位置を占めたとしても、関係を
築く上で合理的に思われるやり方が見つかる
こともあるし、なかなか見つからないことも
あるだろうが、少なくとも自然の流れとして
は、その場に関係する誰もが納得するような
やり方を模索しようとはするだろうし、納得
できない者が抗議するのも当然のことのよう
に思われるだろうか。

 そういう水準で何がどうなるにしても、強
引なやり方は周囲の反発や抵抗を伴い、関係
者のほとんどが納得するようなやり方になる
のが望ましいわけだが、その一方で誰も抵抗
できないように策略を巡らすやり方も模索さ
れるだろうし、手段を選ばずありとあらゆる
ことをやりながら、自らに有利な関係を定着
させようとすれば、結果的にそのようなやり
方がうまくいくにしても、そこで周りが容認
できないような不均衡や矛盾が生じることに
もなるだろうから、表面上は平静が保たれ反
発や抵抗が沈静化されるような状況が実現さ
れるにしても、不利な立場を強いられる勢力
にしてみればおもしろくはないだろうし、そ
こかから恨みや妬みなどが生まれて、何かの
きっかけで溜まりに溜まった不満が爆発する
ような事態も起こりかねないし、そういう意
味で策を弄して不満や反感を言わせないよう
に弾圧したり抑圧するようなやり方は、一時
的にはうまくいくかもしれないが、将来に禍
根を残すわけで、不公平や不均衡が何の改善
の可能性もなく放置されている場合には、一
時的に抑え込んでいる不平不満が何かのきっ
かけでいつかは爆発する危険を孕んでいるわ
けで、もちろんそれも程度によるだろうが、
状況的に言って社会の中で特定の勢力が理不
尽に優遇されている場合などは危ないだろう
し、逆に特定の勢力が理不尽に差別され虐げ
られている場合などでも、それが少数派であ
っても多数派であっても、メディアや市民運
動などによって社会問題化されるだろうし、
また極端な場合にはテロの温床ともなるのだ
ろうし、結局はそれが不安定要因となって社
会の中で主導権を握っている勢力を悩ませる
ことになるだろうか。人種であれ民族であれ
宗教や宗派であれ、大勢の人たちが一つの勢
力としてまとまりを保っている限りは、そこ
に何らかの利害関係が生じて、その利害を巡
って他の勢力と対立する可能性があるわけだ
が、そのような特定の関係を特別視すること
で、一つの勢力としてアイデンティティーが
確立されるわけだから、実際にはそれ以外に
も様々な関係が社会の中で構築される可能性
があり、その複数の関係の中で一つだけが重
視されていなければ、その関係だけが特権的
に取り上げられて、その関係から生じる利害
関係が死活問題となることもないわけだが、
現代社会ではその中の金銭的な利害関係と、
他の地縁血縁的な人種や民族や宗教などの関
係を結びつけることによって、容易には解消
し難い対立や不均衡を生み出してしまう傾向
にあるのかもしれず、理屈の上では他の諸々
の関係を強化することで、それらの特権的な
関係を相対化させることが求められているの
かもしれない。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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