文学

彼の声

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彼の声 2017.6.14 「把握を逃れる要素」

2017/06/15

 現状で思考が囚われている不自由さは、思
考の限界の外に意識が把握できない何かがあ
って、しかも絶えずそれについて考えていて、
それを知ろうとしていることから生じている
のかもしれないが、知り得ない何かを知ろう
としているのだから、そんな無駄で無理な思
考作用が思考する前提としてある以上は、そ
こで思考が破綻していることは確かで、それ
が思考の不自由さを示していて、そこから知
り得ることを知ろうとするような妥協的な態
度へと、思考する対象を修正するように迫ら
れているのかもしれず、そんな妥協をもたら
しているのが現状であり、現状が思考を限界
づけているとも言えるかもしれないのだが、
その一方で何が現状を構成しているのかとい
えば、過去からもたらされ現状を現状たらし
めている経緯であり事情なのだろうし、そこ
に現状を現状として固定するような歴史が、
現状に付随しているとも言えるのかもしれな
いが、そんな現状を現状たらしめる固定的な
面が現状の必然性であり、そしてこれから未
来に向かって新たに起こる出来事が、現状に
変更を加える可能性のある偶然的な要素だろ
うし、いったん出来事が起こった後から、そ
れが起こるべくして起こったような必然的な
経緯を知ることがあるとしても、起こるまで
はまだそれは可能性の一つでしかなく、他に
も別の可能性があったかもしれない中でそれ
が起こるわけだから、実際にそこで何かが起
こるまでには、それが起こることへの期待が
それが起こるように努力する行為をもたらし
て、未来に起こる出来事に無視できない影響
を及ぼすかもしれないが、そこでも意識でき
ない何かが出来事に作用している可能性があ
るだけに、努力が有効に作用する範囲内で単
純に期待通りに何かが起こる可能性もある反
面、努力の及ばないところで思いがけないこ
とが起こる可能性もあるわけだから、期待通
りの結果が起こるまでは安心できないだろう
し、努力が結実するまでは努力を惜しまない
姿勢を保とうするわけで、そんな努力から逃
れない事情も、現状の不自由さを物語ってい
るのではないか。

 たぶんその不自由さはある不安を生じさせ
ているのであり、意に反して思いがけないこ
とが起こって途方に暮れてしまう結果という
のが、努力に囚われている意識が恐れること
なのだろうが、果たしてそれが期待に反した
ことなのかどうか、逆にそれを期待して努力
するというのは、何かそこに倒錯的な精神作
用が介在していることを疑わざるを得ないが、
結果として受け止めなければならないわけで
もないにしても、受け止められないような結
果が得られることを期待するというのは十分
にあり得ることで、未来が努力の結実を期待
させるような何かに向かって収束していくの
ではなく、期待を超えて努力を台無しにする
ような、思いがけない多様性へと導かれるこ
とを期待できるのかもしれず、そう期待する
ことで思考の不自由さから解放されるわけで
もないのだろうが、現状で意識の把握を逃れ
てしまう事物の多様性を想定するしかない以
上は、実際にそうなっていて、これからもさ
らにそうなっていくと考えられるわけで、限
られた思考対象を超えて世界が広がっている
だけに、それを知ろうとする努力にも限界が
あり、そんな把握を逃れ去るところで起こっ
ている出来事まで考慮に入れるのは不可能か
もしれないが、それでも自己の思考が及ぶ範
囲外へと思考していることは確かだろうし、
そこで知り得ない何かを知ろうとする精神作
用が矛盾をきたすことは、ある意味で必然的
な帰結なのであり、そんなふうにして思考の
限界を把握することも、思考することでもた
らされるのだろうが、その一方で思考そのも
のが思考する対象への詳細で正確な把握を促
していて、それについて思考し続けることで
自然にそうなっていくのだろうし、そういう
傾向は止めようのないことなのかもしれず、
そんな対象へのこだわりがそれについての詳
細な知識を形成して、得られた知識を記憶や
記録に留めようとするわけで、そうやって知
の蓄積がもたらそうとして、そんな知識を繰
り返し再利用することで、自らの思考の限界
を越えようともしているわけで、人類の文明
自体が絶えずそうした知の蓄積を促している
傾向があるのだろうし、またそのような傾向
も意識の把握を超える未来をもたらそうとし
ているのではないか。 

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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